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緑の党と三宅洋平

 全国比例の緑の党は約45万票。みどりの風は上回ったものの当選ラインの1/3だった。しかし、選挙公示直前に緑の党に飛び込んだ三宅洋平が個人票として17万票も獲得した。三宅洋平について私も選挙前まで知らなかった。youtubeで本人確認し、公示日の吉祥寺の選挙フェスday1に行く。行ってみてその歌とメッセージが一体となったスタイルに魅了された。演説もリズムがありその内容も人々に訴えかけるもの。選挙フェス目当てでない人たちの足も次々と止まりその輪は広がって行った。内容も良い。そしてこれが原稿もなく即興のようなのだ。毎回違うことを語っている。カリスマ性もある。これはただものではない、すごい人物がいたものだ!
 東京選挙区に関しては公示前から山本太郎と決めていたが、全国区に関しては決めていなかった。緑の党を盛り立てたくもあったが、ほとんど話題にならず120万票には遠く及びそうになかった。死票にするよりもっと可能性のありそうなところに、そんな折に三宅洋平を見てこの人だ!と思った。もちろん当選するほどの票を集めるかわからなかったがそのポテンシャルは持っていた。

 緑の党のベースは11年前に中村敦夫が立ち上げた緑の会議。9年前の参院選で90万票を獲得したが当選はできず、中村敦夫は引退。組織はみどりのテーブル→みどりの未来となり、今回の緑の党になった。しかし国会議員も有名人もいない緑の党の注目は随分と低いものだった。ちなみに6年前の参院選でみどりのテーブルは川田龍平を支援して当選させている。川田はその後みんなの党にうつってしまうのではあるが。
 今回の選挙、先の衆議院選挙でも緑の党は山本太郎を支援している。今回の山本太郎の当選は緑の党と三宅洋平のコラボによる相乗効果も大きな要因だっただろう。
 民主党はダメ、社民党はジリ貧、みどりの風は消滅、生活の党も風前の灯という現状。市民の支持できる政治勢力がなくなっている。そんな折だからこそ市民が自分たちでつくりあげる政党が必要だろう。投票する、もしくは投票もせずに文句言ってる場合ではない。幸いなことに山本太郎は当選し、三宅洋平はやる気満々でいてくれる。これはまだスタートにしかすぎないのだ!
 中村敦夫は9年前の選挙に敗北したときに「日本に緑の党のような環境政党ができるのは10年以上先だろう。食えなくなるまで日本人は気がつかない。私は年齢的にも体力的にも限界だから30代に道を譲り引退する。」と語っていた。その時が日本にもようやく来たのだろうか!?

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参院選 東京選挙区レビュー

 今回の選挙は民主党がダメなことを確認する選挙だった。東京選挙区は公認を一人に絞るならもっと早くすべきだったしその場合は全国比例に一人回せばよかった。一人に絞るにしても前回トップ当選の大河原が筋だろう。その公認を取り消すということは脱原発、反TPP路線とは決別するという意味である。結果見事な共倒れ。小沢がいなくなってからの民主党の選挙センスのなさには感心する(^^;
 自民党から政権を奪うという歴史的役割を果たした民主党だったが官僚とマスコミ、自民党、公明党などによってあっと言う間に解体されてしまった。小沢が追い出された時点でほぼ終わり。今の残りカスのような民主党ではもう何もできないだろう。

 前回大河原や川田に入ってた票は今回、山本と吉良に分散した。共産党はここしばらく議席を確保していなく、30歳新人という実績も経験もない候補を立てていた。それが3位というのには驚いた。経験のなさ、共産党らしくない雰囲気がプラスに働いた。
 山本は知名度というより震災後の彼の活動が評価されてのもの。もともと社会派なわけでもなくダンス甲子園と味のある脇役として知られていた俳優である。芸能人としての山本太郎を知らなかった人も彼に投票している。一市民として活動し現場にも足を運んでいるので市民運動筋からの評価も高い。もっと票をとれたと思うがネガティブキャンペーンが効いていたということなのだろう。
 彼の言う通り議員としては当選してからが大変。原発、TPPなどのタブーに真正面から切り込んでいるので今後さまざまな工作で彼を引きずり下ろそうとするだろう。それを守るのは彼を支持した有権者だ。
 自民党優勢との下馬評の通り自民党は二人で合計170万票近くもとった。もともと東京の自民党の基礎票は一人通すぐらいはあるのだが、無党派票もここに入っている。都議選も同様の結果だったが景気が悪くなって保守化した票が増えているのだろう。

 今後3年間選挙はないのかもしれないが自民党が無難に政権運営するのは難しいだろう。30年前の自民党は一党独裁ではあったが、それなりのバランス感覚を持っていた。今回の民主への揺り戻しで復活した自民党はそのバランスの部分がそぎおとされ、変なところがとがっていて実に危なっかしい。
 3年後は衆参ダブル選挙かもしれない。それまでに自民への対向軸をつくっておかなければ日本はアメリカのような国になってしまうだろう。

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読書な毎日(213)

【ハイリスク・ノーリターン】 山口 祐二郎
 東電勝又会長宅前で抗議のハンストした青年の半生記。twitterでフォローもしていましたが本著を読むまでは著者がこんなにいろんな経験をしていたとは想像もつかなかった。まだ27才だそうですが普通の人の一生分以上のことをやっている。たまげた。
 彼の学生時代はいじめられっ子。強くなりたいということで合気道をはじめのめりこみ有段者に。飽き足らずストリートファイターとなるが格闘で強くなることに一区切りつける。次はロックにのめり込み新聞配達をしながら音楽学校へ。しかし芸能界の縁故主義を目の当たりにし、街頭で遭遇した統一戦線義勇軍、針谷大輔氏の右翼活動に傾倒。新聞配達はやめようとするがやめられない契約になっていた。米国迎合の日本政府に怒りを覚え日経の新聞配達員の身分のままで防衛庁を火炎瓶襲撃し収監。刑期を終えた後も右翼活動を続けつつホストとなり店の売上NO2までなるがやめてヒモになる。右翼活動をする中で震災が起こる。東電の対応に怒りを覚え勝又会長宅へ。現在もヘイトスピーチのしばき隊として活躍中。
 日経配達員の火炎瓶事件は私も覚えていますが、あれがこの山口さんだったとは!針谷氏もよく見る名前ですがそこの構成員でもあったのですね。そういったベースがあってのハンストだったわけで、どうりで肝が座ってるわけだ。
 本著には興味深いエピソードも数多く載っています。右翼と警察の関係がその1つ。右翼と言ってもいわゆる親米右翼と反米右翼がいます。統一戦線義勇軍や鈴木邦男の一水会は後者になります。こちらが本来なら正統派の右翼にあたるものですが、日本で目立っているのは前者の親米右翼です。この親米右翼は警察(公安)とも日本政府とも近い位置にあり、左翼や日教組、市民勢力、中国・朝鮮系を敵視していて攻撃的です。街宣車を走らせてがなっているのは彼らです。これらに加えて最近は特に北朝鮮に対して先鋭的なネット右翼という勢力もいます。
 右翼活動をしていると言うと資金力があると思われるそうですが、反米右翼は全然金がないそうです。私も針谷氏は大物で有力者かと思っていたのですが、本著によるとタクシー運転手として働き街宣活動をしているそうだ。どこかから金もらうとやりたい活動ができなくなるから自分で稼ぐ。なんとカッコイイ活動家なんだ。一方の親米の方はどうやら国家とズブズブの関係にある。飲ませ食わせ活動資金もあたりまえ。彼らがいて問題が起こりそうなときはどっか消えてろということでバカンス代まで出してくれる。噂には聞く話であったがここまでとは。
 新聞配達員の話も興味深いとうよりヒドイ。新聞奨学生というのありますがこれはお金のない若者を奴隷のように使うに似た制度のよう。学費を前借りして新聞配達させるのですが、学校を退学して授業料を新聞屋が収めていなくても働かなければいけない契約になっている。山口さんは何度も日経本社に抗議に行くが、これが契約だの一点張り。火炎瓶を投げるまで日経は開放してくれなかったのだ(^^; しかし、これが言論とか人権を高らかにうたってる新聞社のやることなんだろうか?
 火炎瓶というのも私のボキャブラリーに無かったものだが、これは投げなくともつくったり所持するだけで犯罪になるそうだ。それだけ、国家が恐れてる武器ということなんでしょう。ワイン瓶で火炎瓶をつくるあたりが山口さんらしてくオシャレ。
 国家は彼らのような本物の右翼を恐れているのでしょう。右翼と左翼、市民が手を結んで現在の官僚と財界と米国を中心にした国家体制を転覆することを怖がっている。だから右翼の一部を切り崩して親米にし、左翼勢力と対立させている。この状態は正に三島由紀夫が自決したときから何も変わっていない。それでも一億総中流政策がうまくいっていたときは庶民の満足度がそれなりに高かった。けれど米国が弱り、引きずられて日本も弱くなり一億総中流が維持できなくなりつつあるのが今の日本の姿だろう。
 しかし、著者は27才でここまでのポテンシャルを持ってるとは末おそろしい!ある意味すべて経験済みだし失うものも怖いものもなしの最終型、スーパーサイヤ人みたいなものだ。文章は読みやすく肩の力が抜けているが迫力もある。格闘シーンはひきこまれて電車を乗り過ごしてしまったよ。
 あとお父さんもかなりの大物。彼が何をやってもニコニコして受け止めている感じ、これはなかなかできない。とにかく、これから混沌とした日本になるのだろうがそういう時代に山口 祐二郎は必要な人物だろう。本著は実はまだ第一章にしかすぎないのかもしれない。
(★★★★)

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