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読書な毎日(207)

【ヤクザと原発 福島第一潜入記】 鈴木 智彦
 ヤクザ系ジャーナリストの著者が福島第一原発に作業員として潜入したレポート。原発の末端作業は東電の社員ではなくその下請け業者が人を集めてやっています。平時であっても危険な作業で保障もありません。事故を起こした福一は正に戦場。今までの常識が通用しないほどに汚染されています。本著は正に決死のレポート。
 著者はヤクザには詳しいが原発に詳しい訳ではないし、原発で働いたこともない。ただし、原発はヤクザにとって太いシノギ。原発原発はタブーが多いためヤクザのつけいる隙満載です。ヤクザのシノギはもちろん原発だけではありません。プラントのようなでかい構造物ができるときは地上げの必要があるためヤクザの出番。建設の段でもヤクザの出番。原発労働者のような危険な作業をする人を集めるのもヤクザの出番。という訳でヤクザルートを利用して著者は原発に潜入取材に成功したのです。
 原発で労働するには放射線管理手帳が必要になります。生涯で100ミリSV浴びないように累積線量を記録するためのもの。逆に言えばこれさえつくれば働けるというわけ。今もこの基準は残ってはいますが、これを守っていたらみんなすぐに働けなくなる。だから越えてないことにして働いている。今後日本でもおそらくチェルノブイリと同じことが起こるでしょう。チェルノブイリの作業員の多くは10年以内に死んでしまったのです。
 内部で働いただけあり生々しい話もたくさんあります。作業に入る前に全面マスクで防護服になるのですが、これは暑くて相当苦しいそうです。マスクはとってはいけないしトイレにも行けないが、マスクをとってしまう人もいるし休憩中にタバコ吸う人もあるそうだ。そうするともちろん内部被曝のリスクが高まる。作業自体は著者はエンジニアではないので、掃除したり物は運んだりという単純作業。しかし、この恰好なので長時間労働はできない。熱中症になる人もたくさんいて著者は防護服の下に冷却材を仕込んでいたそうだ。こんな大変な苦労をしなければあの福一は掃除さえできないのだ。著者は隠しカメラを持ち込み作業の様子など多くの写真をとっていて、その写真は本著にも使われています。
 潜入取材過程でフクシマフィフティーズの一人と著者は知り合い、事故当時の話などを聞く。TVでは1号機爆発のときでも”建屋がとんだだけで大丈夫”みたいな報道していたが、地震そして津波で福一はほぼゲームオーバーだった。瓦礫だらけだし水没してるしで現場はパニックでもう何もできない状態。彼含め何人か残ったが何ができるってことでもなかった。
 このフィフティーズはその現場にいたことを誇りにしていて金回りもかなり良いようなのですが、カラ元気で投げやりな部分があり危なっかしい。被曝や病気のことは考えないようにして逃げている。美談に仕立てているけどフィフティーズは原発の人柱だったのだろう。
 話題になるのは福一ばかりですが、福二の方もかなり放射能が漏れているという情報が本著にのっている。あっちもベントしてましたから、福二でさえスリーマイルレベルだったのかもしれません。こんな状況だというのに、かたちだけのストレステストして再稼働なんてありえない。もう一回大事故やらないと気がつかないのだろうか?
 本著は正に体をはっての潜入取材です。多くの人に本著は読んで欲しい。これ読んでも原発必要って人はいるだろうか?
(★★★★☆)

【NO 原発, ONE LOVE!】 星川 一星(いしだ 壱成)
 星川 一星とはいしだ 壱成の本名。つまり、本著は本名で書いた脱原発の手記ということになる。TVをあまり見ない私でもいしだ壱成は知っていたが親の七光りで抜擢された二世タレントでしょ!?ぐらいにしか見ていませんでした。震災後に話題になった伊方原発の事件について書いたブログを読んで以降フォロアーになっていますが、筋金入りの環境派であり脱原発だったんですね。そんな彼がなんで芸能界で活躍できたかと言えば、石田純一のサポートもあったが自身の能力とやはりハートなんでしょう。
 著者はデビュー当時は怖い物知らずなところあり、デビュー曲は自分で作詞作曲して反原発のメッセージを込めていたというから驚きです。しかし、マスコミとTV局というのは原子力村の一部のようなものですからトガッた部分は徐々に引っ込め悩みながらも表現活動を続けていた。そしてあのブログでカミングアウトした直後に地震と原発爆発。何か運命的なものがあるのかもしれませんね。巻末に山本太郎との対談が載っていますが、この二人は本物です。風向きをみているどっかの人たちとは違います。
 しかし、芸能界の一線で活躍する中にこのレベルの人がいたというのが驚きです。私と同じプロ市民レベル。実はけっこうまだいるのかもそうなら日本も変われる。もっとカミングアウトして!
(★★★★☆)

【本当にワルイのは警察】 寺澤 有
 警察専門ジャーナリストの著者の集大成的な著作。寺澤氏に関しては盗聴法、武富士問題の頃から注目していました。警察を専門にするだけあり、肝の座った人という印象。映画”ポチの告白”も見ています。最近はツイッターもフォローしています。
 寺澤氏がジャーナリストになったきっかけはnew model magazineXだそう。この雑誌を私も購読していたが、その中に警察関連の事件を追った連載がありその担当をしていたのが寺澤氏。私が同誌を購読していた理由はこの記事が読みたかったから。警察が信頼おけない組織ということに気がつく一歩となった。
 その後、私は交通事故で足を骨折して入院したことがあった。このときたまたま同室に現役警官がいた。彼は驚くような話をたくさんしていた。また驚くほど下品な人だった。そのときはハッタリかましてるのかと半信半疑だったのですが、その後あれはほぼ事実だったというのがわかってきた。寺澤さんの記事を読んで知識がついてきたからだ(^^; 麻薬のでっちあげ逮捕。コジキの恰好している公安、イジメの数々、楽しいガサ入れなど。
 そんな私でもダメな警察は一部で、多くはまじめな警官が多いのではないかと思っていたのですが、本著ではバッサリと全ダメ認定。組織自体が腐りきっているためそこに所属している人は全部ダメ。まえがきに書いてあるので私でもビックリした(^^;
 本著は驚くべき警察の犯罪がてんこもり。組織的な裏金づくり。警察官の一般犯罪のもみ消し。ノルマ目当てのでっちあげ検挙。捕まえるがためのでっちあげ証拠。拡大し続ける天下り組織。企業への天下り枠確保。その中でも寺澤氏は裏金問題に力を入れてるそうです。裏金はつまり税金の着服であるし、不透明な資金力を持つことにより警察が力を持つからそれを叩く。また、警察を取り締まる組織が必要だと言ってます。確かにここまで来たらもう自浄能力はないわな。天下りも深刻です。駐車監視員のような新たな天下り組織はどんどん増えているし、大企業にも警察枠があって組織的に天下っていく。例えば東電にもたくさん天下ってるおかげで、警察がああやって税金で東電守ってるし捜査の手も及ばないわけだ。今警察が狙ってるのは自転車取り締まり利権。若者が車に乗らなくなったから自転車を取り締まるのだ!こんなに腐ってしまってよく警察やってられるな(^^;
 しかし、寺澤氏は前からすごいとは思っていたが本当にリスペクト。正にドンキホーテのようなのだが、彼が一人いるおかげで警察の暴走がなんとかおさえこまれている。もっと多くの人に寺澤氏と彼の仕事を知ってもらうことが警察浄化の近道なんだろうと思う。
(★★★★☆)

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