« 2012年1月 | トップページ | 2012年4月 »

読書な毎日(205)

【原発官僚】 七尾 和晃
 著者は原発ではなく経産省の前身の通産省時代から同省を取材しているジャーナリスト。従って経産官僚が何を考えて原発を増やしていったかというプロセスを知っている人物なのです。他の原発本にはない話が多くあり実に興味深かった。
 一言で言えば原発とは経産省の利権だった。大規模な公共事業であり継続性ある限り、あれが発電プラントだろうが原子力だろうがなんでも良かったのです。
 資源エネルギー庁は1973年のオイルショックを契機にできたエネルギー監督庁で経産省配下にあります。石油に頼りすぎていた日本のエネルギーを天然ガス、石炭、そして原子力に分散させた。通産省は内陸部にはテクノポリス、海岸線には原発とさながら国とりゲームのごとく全国に建設。通産官僚が大名のごとく地方都市に君臨した。これを足がかりに各県に経産省出身の知事や大臣が誕生していく。もともと経産省は政治に強い省ではなかったが原発で力をつけていったのだ。川口順子、太田房江、高橋はるみ、鈴木英敬など。現職知事を数えてみたら経産省系はなんと9人もいた。
 けれど、スリーマイル、チェルノブイリの事故などあり日本国内での原発建設は次第に難しくなっていく。通産省の存在意義自体が問われたこともあったが橋本行革で”経済産業”という存在意義のありそうな名前をゲットし引き続き資源エネルギー庁を配下にした。国内ではエネルギー需要が頭打ちとなりそもそも発電所が必要なくなってきた。原発の建設は海外へと目が向けられる。民主党への政権交代後むしろ輸出商品として原発は祭り上げられる。正に官民一体で海外に売り込む。原発バブルが頂点に達しようとしていたときに爆発したのが福島原発だった。日本のそして経産省の最有力輸出商品だった原発が吹き飛んだ瞬間だった。
 経産官僚もあの爆発を信じたくなかったが、彼らの変わり身は実に早い。自分らも共犯者だったはずなのに、”東電のせいで台無し”になったことにして既に他人事。彼らも、日本の原発が世界で売り物にならないことぐらいわかっている。逃げ足の早い官僚は次の利権に路線を変更していることだろう。
 とにかく日本は今の官僚制度を変えないことには変わらないだろう。電力会社を変えれば済む話でないし、政権交代しても変わらないことが今回のことでわかった。さて、どうするか言えば市民と政治家がタッグを組んで官僚制度を変えることだ。官僚は市民と政治家を対峙させて消耗させようとするが、その戦法にはまってはいけない。敵はヌエのような官僚だ。
 官僚も日本が成長しているときには本当にやらなければいけないことがたくさんあったのだろうが、日本は既に成熟社会になっている。けれど、官僚の発想は相変わらず。自省のことが最優先で利権を拡大し、既得権益はできるだけ手放さない。結果として不要な予算がドンドンつぎ込まれていく。彼らにとって必要不要は二の次で予算が減ることが悪なのだ。
 今回の原発事故でも新たな利権と見るとさまざまな省がとびついてくる。除染やがれき、復興支援、まさに化け物の類である。そんな官僚の中からも古賀茂明氏のような仮面ライダーも登場している。そこを突破口にショッカー軍団をやっつけないと日本は官僚帝国になってしまうことだろう。増税しても全部官僚が持っていくだけ。官僚を養うのが日本の目的になってしまうのだ。
 とにかく、本著も読んでおくべき本だ。
(★★★★)

【ナニカアル】 桐野 夏生
 ボルネオ旅行の予習ということで検索にひっかかったので読んだ本。ボルネオと言っても南の方だったので私らが旅行したところでは無かったですが。林芙美子という実在する女流作家を描いた作品。桐野作品はOUTと二冊しか読んでませんが、能力のあるすごい作家だね。
 林芙美子は名前は知っていて新宿にも記念館あるだが作品も作風も知らず。戦前から活躍していた女流作家で、戦時中は戦意高揚レポートの類を戦地に渡って書いていたのだった。ここから先は本著の物語部分も含みますが本音は戦争万歳ってわけではない。しかし、戦時下ではある意味書かざるを得ないのです。そういう重苦しい戦時下の雰囲気が本作からは伝わってきます。
 林は結婚はしていたが子どもはいなかった。夫は嫌いなわけではないが、林には編集者の愛人がいた。戦地で彼と密会するのが楽しみだった。戦争に翻弄されながら危険な恋に飛び込んでいく。正に映画のようだ。昔が舞台ですが、まったく古さを感じさせず瑞々しいリアルな登場人物が物語を引っ張っていく。
 ラブとサスペンスな物語ですが、一言で言えば反戦の小説です。戦争ってのは大いなる無駄。資源面で見ても、人間活動の面においても。
 映画や連ドラの素材として適した作品ですが、今や日本にはこれを映像化するパワーはないかな。
(★★★★☆)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

原発震災から1年のロイター記事にみおさんらの写真掲載

Miokiji_2
 先週末にロイター記者から@saikoms1221が取材を受けてコメントは載らなかったのですが、うちのキッズの写真4枚が記事になりました。原発震災後の日本政府と官僚の対応のまずさを指摘し、一部市民や企業が動きだしている様子を記事にしています。岩上チャンネルや松本哉さんのコメントなども載っています。写真は信用をすっかり失った政府などあてにせずに自分たちでガイガーカウンタ購入し身の回りの放射線をチェックしたり食材を選び、子どもや家族を守っている様です。
 この記事はロイター本サイト用の英語記事で、日本のサイトにも転載されていますが英語のまま。日本人には読んで欲しくないのかな?

Insight: Japan missed tsunami wake-up call for change

ロイター本家
http://www.reuters.com/article/2012/03/07/us-japan-tsunami-change-idUSTRE82603W20120307

日本ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idUSTRE82603W20120307?sp=true

yahooニュースへの転載
http://news.yahoo.com/insight-japan-missed-tsunami-wake-call-change-010739413.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

くじびき保育園再質問の回答

 年末に送った再質問状が1/23には届いていたのですが、私自身がその頃から超忙しい状態になりツイッターの方には書いたのですがブログにまとめるのに時間かかってしまいました。こんなに忙しい要因の1つが我が家に待機児童がいるからでもありますが。
 その前に、4月からうちの待機赤ちゃんが兄と同じ保育園に入れることになりました!(一緒にくじにはずれた兄弟のあるもう一家族も入れた)4月入園の1才募集枠は0だったはずなのですがね!?

 まず、年末に出した質問がこれ

 その回答要旨は以下になります。

・回答が遅れた理由は、担当が改善できる点は改善しようと一定時間をかけて検討していたため。前回のように回答が大幅に遅れる場合はメールなどで個別に連絡するように改善した。
→その割に前回の回答はゼロ回答に近かったのですが、その後検討した結果「抽選による入所決定」を取り止めると今回の回答には明記してありました!みんなが納得いかなかったペットボトルのフタでの抽選がなんとなくなったのです!

・9月入所予約で今までは同一指数時の優先項目はすべて摘要していない。
→つまり4月にはある兄弟優先、待機日数による優先などすべてなく、フルタイムなら同一指数でくじびきだったということ。

・毎月の入所審査でも同一指数時の優先項目は摘要していない
→それではいったいどうやって引越しなどで空いた枠に入れる人を決めているのだろう?毎月くじびきはやっていないぞ。

・きょうだい在園を優先しない理由はすべての保育園で入所予約が実施できないから。もし行った場合は4月の枠を大幅に減らさなければならない。
→前回の回答とほぼ同じ。4月と9月の条件が違うことがおかしいと言ってるのにそれには回答していない。

・同一指数でのくじびきは公平と考えて実施していたが、検討した結果くじ引きは取り止める。
→やった!はじめての成果だ!

・入所予約を実施している区が5区でそのうち3区がくじ引きしているので、くじびきは特殊な選考方法とは考えていないが検討した結果くじびきは取り止める
→お役所的なもってまわった回答だが、くじびきの問題点は理解してくれたようだ。

・認証保育所に入所前に保育料を払う必要はない。もし、そのような認証保育所があるなら指導する。
→そうは言っても相手は営利企業で入れ食い状態なので枠が空いていて応募があれば入れてしまうのが現実。現実を理解しようとしないお役所の姿。お役所が待ってる間の保育料払ってくれるなら認証保育所は待ってくれるだろうが。

・入会金は保育料に含まれない準備経費と認識している。ご理解願いたい。
→だから何?実際にお金は出ていくのだ。しかも2万円以上も!公立の保育園には入会金なんてない。まったく理解できない。

・認証保育所の金額が高いとの指摘あるが厳正に審査し指導している
→金額高いのでは?という質問に回答していない

・新宿区では中山区長の就任した平成15年より待機児童の解消を最重要課題として取り組んでいる。様々な手を尽くし平成23年度までに1390人の受入枠拡大をした。就学前人口に対する区内保育サービス定員の割合は23区内でトップクラス。しかし、それでも足りていないことは認識していて更なる待機児童の解消に取り組んでいきたい。
→増えた枠はほとんどが認証保育所。認可保育園は共産党の調べた資料によると平成14年度から平成22年度でたった172人しか増えていない。その認可保育園も民営が増えている。これで最重要課題として取り組んでいると言えるのか?

・待機児童は厚生労働省の定義に従っていて、認証保育所に入っているこども、転園希望者は含まれていない。うちの子は待機児童に該当。
→2001年以前の旧定義では認証保育所に入りながら認可保育園の入園を希望するものも待機児童に入っていたが現在の新定義では含まれない。なので、うちの子も入っていないのでは?と思って聞いたら入ってると言う。つまり、区外の認証保育所なら待機児童になるのか?この件は再質問してみる。ちなみに共産党の資料によると新宿区の2011年4月の待機児童は92人(旧定義だと223人)。これぐらいの数がなんとかできないのだろうか?

・緊急性の高い児童とは児童相談所からの相談があった場合、指数が大変高い場合が該当。基準を遵守したうえで定員以上を受け入れる場合もある。
→児童相談所とは児童虐待のことを指しているそうだ。指数が大変高いというのは、満点のうちら以上ということだろうから母子家庭などのことだろう。例年弁天町保育園1才児は3枠ぐらいはある(規模からすると5枠ぐらいあっていいはずだが)のだが今年はゼロだった。ということはそういう子どもが3家庭もあったということ?信じがたい話だ。ゼロ枠でうちらが入れたのはこんな質問状送ったりと面倒な親なので緊急性の高い児童に昇格していたりして(^^;

・1才児の募集枠がゼロになってしまったのはやむを得ない理由で0才児を多く受け入れた結果で不手際でない。
→区としてはこういう回答になるのだろうが、そんなにやむ得ない子どもがたくさんいたのか!?信じられない。

・ゆったりーのは前回回答した通り必要な施設でなくすつもりない。
→何度聞いてもこう答えるのだろう。牛込地区は最も待機児童の多い区域だからこれを保育園に戻すのが最も即効性が高いのだが。一度はじめた事業はやめられないのがお役所だからね。

・2月、3月うまれの子どもは5月、6月入所の申し込みを受け付けている。今後2月、3月うまれの子どもへの配慮も検討したい。
→生まれる月は選べないのだからなんとかしてほしいけどね。

 だいたいこんなところです。今回の質問の成果としては。くじびきがなくなったこと。入所予約制度の改善について検討すること。質問に対する回答に遅れるときは連絡もらえるようになったこと。一応、労力かけただけのことあった。そして、この質問の結果ではないのだろうがうちの子は4月から入れることになった。しかし、この半年は職場にも迷惑かかったしさすがに大変だったよ。
 こんな苦労は誰にも味わってほしくないので、もう一回ダメオシ質問状を送って、この件に関してはしめたいと思っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年1月 | トップページ | 2012年4月 »