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新最近みた映画(112)

【バックドロップ・クルディスタン】 野本 大
 2004年UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)前に強制送還に抗議して座り込んだ難民カザンキラン一家を追ったドキュメンタリー。この事件については同題材を扱った「難民を追いつめる国―クルド難民座り込みが訴えたもの」の感想文に譲ります。
 この座り込みの1年後、監督はカザンキランさんの住んでいたトルコへとわたります。現地の様々な人に話を聞きなぜ彼らが難民になったのかを探ります。
 この座り込みはドーガン一家も一緒に座り込んでいたのですが、本作には全く出てきません。本作自体がカメラマンであり監督である、野本氏からの視点でとられ登場人物を絞ったからこうなったのではるのでしょうが、ドーガン一家にちょっとは触れて良かったのではないかなと思います。カザンキラン一家にはかなり密着取材しているのですが、その周辺の人や支援している人たちが全く登場しないのも監督から目線ということなのでしょう。
 日本でのカザンキランだけでなく、1年後にトルコに行ったことにより彼の地でクルド人がどのような立場にあるかというのがわかり、映画に幅が出ています。24才の若者がとったということでそれ程期待していなかったのですが、なかなか良い作品です。
 前掲著でこの事件に関して予習はしていましたが、彼らが大変な境遇にあることカザンキランパパの迫力などは映像を見てより印象に残りました。
 次作を監督は撮っていないようですが、まだこの問題終わったわけではないので引き続き取材してほしい。この問題に限らずビギナーズラックと言われないように何か撮ってほしい。期待しています。
(★★★☆)

【ママ男】 ティム・ハミルトン
 ジョン・ヘダー、ダイアン・キートン、ジェフ・ダニエルズ。29歳でママ(キートン)と二人で暮らすジェフリー(ヘダー)。あるとき、ママがボーイフレンド(ダニエルズ)を連れてくる。ママがもしかしてこの男にとられてしまうかもしれない。ジェフリーは追い出し計画をたてるのだが。
 ママが自分の面倒みてくれるのは当然みたいな変な自信がみなぎってるジェフリー。映画には通常出てこないキャラクターですが、こういう息子もけっこういるでしょう。バス男のヘダーもこれに近いキャラクターでした。微妙なリアル感がいい。
 ヘダー目当てで見た映画で、それほど期待もしていなかったのですが、けっこうよくできたコメディでした。しかし、ドタバタコメディではなく親子、青春ドラマもしっかり描いています。クライマックスのパットパットゴルフ対決が面白かった。
(★★★☆)

【マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと】 デヴィッド・フランケル
 オーウェン・ウィルソン、ジェニファー・アニストン。ジャーナリストのジョン(ウィルソン)とジェニー(アニストン)は、結婚して子犬を飼うことにした。しかし、そのラブラドール・レトリーバー「マーリー」は誰の言うこともきかないヤンチャなワンコだった。大人になってもマーリーは相変わらずなのだった。
 米国で予想外の大ヒットとなった映画。犬モノですが、犬ととも暮らした家族の10年間の話です。10年には家族もいろいろあって、様々な思い出がワンコとともにうまれますがワンコは10年で死んでしまうのです。ヒットするだけのことはある、よくできた家族ドラマでした。
 私の家でも犬を飼っていましたが、人間の尺度からするとあまりにも早く犬の寿命をはやってきてしまいます。2匹目は私が飼いたいと言って飼ったバカワンコでしたが、死んだときはそれは悲しくて、以来ワンコは飼っていません。犬も亀ぐらい長生きしてくれるといいんですがね。
(★★★☆)

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映画「ザ・コーヴ」の試写会に行ってきました

Covep6/9中野ゼロで行われた雑誌「創」主催の映画+シンポジウムに行ってきましたのでその簡単なレポートと映画の感想文を書きます。
 私がこの試写会チケットを買った時点では上映中止はニュースとなっていなかったのですが、ニュースとなった後あっという間にチケットは完売してしまったようです。当日券100枚を求め、劇場前では長蛇の列となり100人程度はチケット買えなくて帰ったそうです。
 警察の警備はありましたが、右翼の街宣活動はなく上映反対ビラを配る人がいました。しかし、その配られたビラは名無しのゴンベイビラで誰がこの主張をしているか、このビラに関してどこに問い合わせるかが書いていないものでした。このビラの主張は主に二点。コーヴの製作者はテロ集団シーシェパードと関係していて、資金援助も受けているがそれを隠している(映画の中にもシーシェパード関係者が出てきて何も隠してはいないのだが)。食肉用の牛や豚を殺すシーンを見せる映画などない。そういう神聖な場を隠し撮りするとはなんと非常識な人たちなのか(隠し撮りは製作者側も本意ではない。牛豚の屠殺は知られているが、イルカ漁はほとんど知られていないし漁民が必要以上に隠そうとしている)。
Cove
 上映後、森達也氏や鈴木邦男氏などが登壇し、創の篠田氏司会でシンポジウムがありました。上映できなくなったのは言論の自由の問題ではなく”自粛、事なかれ主義”によるもので、憲法うんぬん以前の話。警察までモザイクをかけるとはやりすぎ。太地の人に言論の自由を言うのは筋違い。イルカが楽しんでショーをやっているわけではないとはじめて知った。問題作は上映中止しそうな映画館にかけると話題になり大ヒットになる(冗談)。上映中止を訴えている団体はそんなに多いわけではなくおそらく数十人レベルだろう。などの意見、感想がありました。もう少し時間があってみなさんの話が聞きたかった。
 右の写真は携帯カメラなので画像悪いですが、シンポジウム写真。立っている3人のうち一番右がオバリー氏。

 映画の感想文かなり長くなりましたが、こちら

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コラムyokoze「iPadと電子書籍に関して」

Archos_7_home_tablet_34 ニュースを見ていると、iPadが発売されたことにより電子書籍の波が日本にもやってくるみたいな図式で報道しています。iPadは確かに電子書籍も読めますが、電子書籍の端末ではありません。iPadが今までの端末と何が違うのかと言えば、1番はアップルが出した10インチのタッチスクリーンであること。同様な端末は今までもいろいろ出ていましたが、市場を形成するほどでは無かった。タッチスクリーンに関してはwindowsもvista時代から騒いでいましたが結局一般的にはなっていませんでした。今回iPhoneをつくったアップルが出したということの意味が一番大きいのです。

 iPhoneが出る前のタッチは結局マウスとキーボードの置き換えでしかありませんでした。タッチではスクリーンが汚れるしタッチでキー入力はやりづらいので一般的にならず。そこに革命を起こしたのがiPhoneでタッチ操作でつかいやすいインターフェースをつくり、それが受け入れられたということです。

 さて、とりあえずiPadは成功をおさめつつあるようですが、今後すべてのタッチスクリーンがiPadになるということはなく、様々なタッチスクリーン端末が世に出て使われるようになるでしょう。マウスがアップルだけのものでなかったようにタッチスクリーンもアップルの専売特許というわけでありませんから。かく言う私も、今までタッチスクリーン自体にほとんど興味ありませんでした。しかし、メディア系を中心にタッチスクリーンで操作しやすいインターフェースを備えたアプリケーションが最近けっこう出てきました。これらを使ってみると、マウスで操作するよりタッチの方がはるかに快適です。パソコンの置き換えにはならないでしょうが、各種メディアのビューワ用の端末としてタッチは用途があるのでは、と最近感じてます。もし、買うならiPadではなく、Android系の端末にすることでしょう。仏製のArchosあたりが気になってます。日本では売ってませんが。

7001zheng ところで、iPadの発売日に某NHKの朝のニュースで早くも中国ではiPadのコピー商品をaPadという名前で半額で売ってます!なんてニュースをやっていました。調べてみるとこの端末はandroidのタッチパッドで正式名称はMoonse E-7001。見た目はiPadっぽいが7インチだし中身はAndroidの1.5なので似て非なるものです。aPadというのは愛称で、aはandroidのaということらしい。確かにiPad Cloneという宣伝文句使ってるみたいですが、これがiPadのコピー商品ならソニーのexperiaはiPhoneのコピー商品ということになっちゃうぞ。これはニュースというより中国の悪いイメージをつくるためのプロパガンダです。天下のNHKがこんな報道していていいのでしょうか。

 電子書籍についてもちょっと書いておきましょう。この市場をつくったのはアップルではなくAmazonで、Kindleという端末が成功の大きな要因です。米国では既にほぼすべての本が電子書籍としても発売されています。これを読むのはもちろんKindleでもいいし、iPadでもPCでもかまいません。好きなデバイスで読めばいいし、紙がやっぱりいい人は紙の本買えばいいのです。

 日本でもとっくの昔からkindleは売ってましたが日本の出版社が日本語コンテンツをせき止めていたため、英語コンテンツだけ。日本では流行りようがなかったというだけでした。それがiPadの発売をきっかけとして急に日本の出版社も心変わりしたようで、新しい会社つくったりして大騒ぎしています。彼らも実はきっかけを待っていたということなのでしょうか(^^;? これから日本語の電子書籍コンテンツもボチボチと出るのでしょう。これはある程度必然で、日本の出版業界は既に周回遅れになってるというだけの話なのです。

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