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読書な毎日(195)

【売国者たちの末路】 副島 隆彦、植草 一秀
 経済学者の植草氏と評論家?の副島氏の対談本。副島氏の本はけっこう前に映画についての評論本2冊”ハリウッドで政治思想を読む””アメリカの秘密”を読んで以来です。前著を読んだときはアメリカを崇拝する自称エリートな人かと思ったのですが、本著でだいぶ印象が変わりました。かなりマトモです。これは副島氏が世界に対する理解を深めバランス感覚を持ったためなのか、ある程度メジャーになったことにより人をびっくりさせることを書く必要がなくなったのか、あるいは私が副島レベル(謎)に近づいたからなのか(^^;
 植草氏があの手鏡事件で逮捕されたことは多くの人が知っているでしょうが、あれが冤罪というか国家的陰謀だった可能性が高いということを意識している人はほとんどいないのでしょう。植草氏は当時自民党のメインバンクのりそな銀行への公的資金投入についての問題を指摘し、政権にいた竹中大臣についても批判していました。当時の政権党にとってかなり邪魔な存在だったわけです。植草氏はハレンチ罪による二度の逮捕により言ってみれば表舞台からはひきずり下ろされてしまったのです。このやり方は権力サイドにとっては常套手段で、他にも元財務省キャリアの高橋洋一氏は「さらば財務省」という本を書いたのですが、その後”窃盗罪”というハレンチ罪で逮捕され表舞台から追放されました。これ見てわかるように官僚と警察、そしてマスコミなど皆一体となって自分達の敵を排除するのです。
 本著は金融についての話。すなわち竹中路線の問題点について多く語っています。竹中という人物は言っていることに一貫性がなく、流行りそうな理論をさも自分が考えたように語り、そういうことに非常に長けている。正にTV向き人間で小泉総理と相性がいいのはそういうことなのです。それでも日本のためになっていればいいですが、まさに売国奴になってしまっているのです。
 副島本を敬遠していた私だったのですが、本著で見直したので今後は彼の本をチェックしようと思います。鋭い分析と洞察力そして誰も書かないネタを掘り出してくる能力はすばらしい。もちろん植草氏もいいです。民主党は是非ともかれを財務大臣にしてもらいたい。
(★★★★)

【日と水と土 ナチュラル&ハーモニックスタイルのすすめ 】 河名 秀郎
 映画「降りてゆく生き方」を見に行ったとき会場で購入した本。普通の本屋では売ってない本だそうです。映画の中でも取り上げられていたテーマですが、自然栽培について書いてある本。自然栽培とは、農薬を使わないのはもちろんのこと肥料も使わない農法のことです。草とりも基本的にはせず、できる限り自然に近い状態で栽培する。かといって放ったらかしでもありません。
 化学肥料と農薬を使わないのが有機栽培ですが、有機の肥料にもいろいろあるということを本著を読んで知りました。植物にとって良くない肥料を使うとその果実はすぐに腐るのだそうです。一方の自然栽培の果実は腐ることなく、水分だけが抜けドライフルーツのようになるそうだ。
 家畜の糞も、熟成させた堆肥も有機というくくりに入ってしまいます。しかし、これは植物の肥料としては同じではないのです。熟成してない動物糞系の肥料はむしろ化学肥料より作物にとって良くなく腐りやすい実をつくり、土壌を元に戻すのに時間がかるそうだ。しかし、世に言う有機栽培のかなりの割合がこの畜糞を使っている。
 本著によるとアトピーの原因も農薬としています。アトピーだった青年が薬をやめ、野菜中心の食生活を続け苦しみながら毒を抜き、ついにはアトピーから生還したという話も載っています。今の世の中にはびこっているアレルギーは農薬もそうですが、石油からつくった各種製品や薬物が原因となっていると言ってきっと良いのでしょう。
 著者自身は今や自然栽培論の一人者のようですが、この道を見つけるのは簡単ではなかったようです。有機栽培さえ知られていなかった時代に、試行錯誤のうちに”自然栽培”に行き着いたということなのです。
 今までの常識がひっくり返るというほどではないですが、聞いたことが無かった話が多く載っており非常に勉強になりました。この本は本屋では売ってないのですが、”自然栽培”というキーワードの本はたくさん出ているので是非とも多くの方にこの概念を知ってもらいたい。
(★★★★)

【発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方】
 寺田 啓佐
 本作も映画「降りてゆく生き方」の関連本。千葉県香取郡にある酒蔵「寺田本家」の当主の手記。映画を見て日本酒を見直したのですが、その原案となっているのがこの酒蔵の話だったのです。
 寺田本家の五人娘という酒があることは映画を見るだいぶ前から一応知っていました。近所の”つぶつぶカフェ”という自然食系の店でこの酒を扱っており、ときどき買っていた。おいしいとは思ったのですが、これが何であるかということまで意識は及んでいませんでした。もっと早く知っていれば良かった。
 本著はまず、当主の寺田さんが今に至るまでの話が書いてあります。最初から今のようなおいしい酒をつくっていたわけではなく、いわゆる普通の酒蔵だった。普通の酒蔵とは、お役所お墨付きの酵母を使って発酵させ、アルコールを添加してつくる酒。普通の清酒ということになります。日本の酒作りがこうなってしまったのは戦争の影響が大きく、米が足りなかった戦中戦後にこの製法が一般的になる。以後も安く効率的に酒を作る方法としてこれは残り今に至っているのです。もともと日本酒は米を蔵つき酵母を使って発酵させ、それを絞ったものです。酵母を投入したり、アルコールを添加するという工程は無かったのです。また酒の等級制で透明度が高く辛口の酒が良い酒とされたため、米を削り、アルコールを添加して辛口にしたものばかりになってしまったのです。
 寺田氏はもともと酒蔵とは関係ない電気製品の営業をやっていたのですが、婿として寺田本家に入った。酒のド素人でおまけに下戸。そんな彼が酒蔵をついだはいいが、年々経営は苦しくなる。その頃彼は、肉食中心の生活をしていて、常に体調が悪かった。ついには腸が腐る病気となり入院。自分の体が腐ったことにより、これは何かが間違っていると気がついた。一念発起し本物の酒をつくるぞ、と決意し試行錯誤の末に自然酒五人娘や醍醐のしずく、発芽玄米酒むすびなどをつくるに至ったのです。米はもちろん!?自然栽培のものを使っています。
とにかく酒を飲む人なら読むべき本です。本著を読んだおかげで今まで意味がわからなかった日本酒用語がわかるようになりました。生もと、山廃、生一本、冷やおろしなど。また、日本酒を見直すきっかけとなしました。今まで日本酒というのはたまにしか飲まないものでしたが、おいしい酒の見分けかたと日本酒の味が分かるようになったので日本酒は常に我が家にストックされるようになったのです。酒を飲まない人でも寺田氏の生き様は参考になるはず。
同じ素材でも環境によって腐るものもあれば、発酵するものもある。つまり何事も発酵できる環境をつくってやることが寛容ということなのだ。
(★★★★☆)

【リンゴが教えてくれたこと】 木村 秋則
本著も自然栽培シリーズです。著者の木村氏は自然栽培のりんご農家です。しかし、この自然栽培を成功させるまでなんと8年もかかりその間はほぼ無収入だったそうなのです。リンゴは無農薬では栽培できないと思われていた作物なんだそうです。
木村氏ももともと農家ではなく、自動車の整備をやっていたそうだ。それが実家のりんご農家を跡取りし、りんごを栽培するようになった。しかし、農薬が自分達の体に悪影響を与えることから、農薬の使用をやめた。化学肥料もやめた。そうしたらりんごは全くならなくなってしまった。周囲からは気でも狂ったかとか、雑草をはやして周囲に迷惑かけるなと言われた。娘はお父さんのりんごを一度も食べたことがなかった。しかしめげずにがんばった結果うまくいったのです。今や自然栽培生産者の一人者として知られており、彼の栽培するりんごも米もすぐに完売。日本だけでなく世界中から講演や指導の依頼でひっぱりだこのようです。
 信念を貫いたからこそ道が開けたというのは先の河名氏や寺田氏と同じで、それ故その道の第一人者でもあるのです。日と水と土からはじまった自然栽培三部作?ですがみなさんも是非とも読んでみてください。
(★★★★☆)

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