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コラムyokoze「プリウスはトヨタの象徴」

 プリウスリコールでトヨタ、そして日本も大騒ぎとなっています。しかし、これはある意味起こるべくして起こった状況と言って良いでしょう。3代目となる新型プリウスは正に満を持して発売されたクルマでした。何が満を持してかと言えば、小泉自民党と経団連奥田会長の最後っ屁が込められた車だったということです。

 まずははエコカー減税&補助金です。ほぼすべての日本車がエコカーにカテゴライズされてしまう、言ってみれば自民党の置き土産の自動車業界救済政策ですが、その中でも特に優遇されていたのがトヨタプリウス。ハイブリットカーの税金はなんとゼロです。このエコカー減税は見事に新型プリウスの発売にあわせて開始されました。プリウスを買え!と言わんばかりです。トヨタは更にぬかりがありません。クルマ業界で最も宣伝効果の高いカーオブザイヤーも出来レースよろしく受賞。
 これらを見た、お金を持ってる愛国心!?に燃えるおじさまたち。今までは、クラウンとかマークXに乗っていたような人たちがステッチのように”イイコトカウンター”を上げよう!と思いオヤジ車を手放しプリウス購入のためにこども店長のトヨタの店へ走りました。そして、当然の結果として、プリウスは自動車販売の1位をゲット。需要にに生産が追いつかない状態に。ここまでは最後っ屁が決まってるように見えたのですが........。

 こうなった理由はいくつかあります。まずはプリウス自体の問題。プリウスが本当にいい車で”いつかはマーク2”のおじさまでも問題なく運転できる車なら良かったのですが、このクルマは特殊なハイブリットカーだったわけで、技術的にもまだ未熟な部分が残っていた。

 もう10年以上昔の話ですが、初代プリウスが出た当時に私はこの車に非常に興味を持ちました。メカ的なハイブリットの部分と、回生ブレーキというメカニズムにです。回生ブレーキとは電車では昔から使われている技術で、止まるエネルギーを使ってジェネレータを回し電気に変えるもの。今では、電動自転車の一部機種にも使われていますが、当時は自動車にも使われるということで驚いたわけです。早速、トヨタまで試乗に行きました。で、乗ってみた感想なのですが、まずはエンジン音がものすごく静かなのにびっくり。しかし、一方ブレーキの感触に違和感を感じました。ある程度慣れで克服できそうではあったのですが、買うとしても先の話だなと感じたものです。

 あれから10年以上たつのですが、結局今もこの回生ブレーキと油圧ブレーキの問題で本質的には解決していないのです。しかし、今まではプリウスという車はハイブリットとは何で、どういう問題があるかということを理解した人しか買っていない車だった。高くても、普通の車と違ってもいいというユーザーが乗っていたのです。ところが3代目は売らんかなが先行しすぎて、ゲタをはかせすぎたため、マーク2とプリウスの違いを意識しない人が大量に購入して運転しだしたのです。そういう人が買う可能性があるというのに、今回のプリウスは先代よりも燃費を良くしてカタログ値を良くするために回生ブレーキがより効くチューニングにし、車としての感覚を更に犠牲にしていたのです。

 次はコストの問題。初代プリウスは原価より安い値段で販売している車でしたが、おそらく今回あたりからトヨタはプリウスでコストを回収する局面に入っています。売上1位の車で売れば売るほど損するようでは意味ありません。儲ける車でなくてはなりません。だから、3代目プリウスは相当コストダウンした車体になっているはず。コスト削減は部品メーカー、組立労働者にまで及んでいるのはもちろんのこと。部品を買い叩き、労働者は安い賃金で働かせた。今回のプリウス問題はチューニングの問題のようですが、そのチューニングだって十分でなかったから問題になるのです。安くつくってますから今後他の部分に問題が出る可能性は多いにあります。
 このコストの問題はプリウスだけでなく、北米で出ているアクセルペダルが戻らないというのも、部品を安くあげ、実験も十分にやっていないから起こった問題でしょう。

 最初はプリウスも技術面重視ではじまったのでしょうが、売るためのハイブリット売るための低燃費で売るためのエコカーでしかも安くつくらなければならない。ダメ押しが政府の政策でありマスコミや広告業界の援護射撃であったわけですが、高くなりすぎたゲタでこけたのです。Prius_2

 私はもともと車好きで先代プリウスが出たころとその以前はトヨタ車をけっこう評価していました。それが、おかしいなと思いはじめたのは経団連が奥田会長になったあたりから。これはつまり、モノづくりのトヨタが政治力とブランドのトヨタに変わった時期なのでしょう。その象徴とも言えるのがトヨタ車のデザイン。まったく面白みのない、金太郎飴デザインになりはじめ。トヨタエンブレムはだんだんデカクなり、今ではもっこりと盛り上がるまでになっています。プリウスのボンネットも必然性なくもっこりトヨタになっているのが確認できます。

 皮肉なものでトヨタブランド最大の危機だというのに、今のトヨタは世襲のボンボン社長。記者会見を逃げ回り、出てきても原稿棒読み。今まで広告費をちらつかせて抑えつけていたマスコミも、ダムが決壊するかのごとくトヨタの問題を報じ始めました。まるで政権交代で崩壊したときの自民党のようです。さて、トヨタは自民党のようにならずにこの難局を乗り越えられるだろうか。

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7日にトヨタのセダン型の高級新型ハイブリッド車(HV)「SAI」(サイ)が発売されました。すでに10月20日から予約受注を始めており、受注件数は1カ月で、月間販売目標(3000台)の4倍以上となる1万4000件を突破したとのこと。エコカー減税の話もあるとは思いますが価格は338万〜426万円とやっぱり高いにも拘らず、これだけ売れるというのはすごいですね。今後どういった商品が売れるかということに関して、これまでとは傾向は変わってくるとは思いますが、新しいキーワードの一つして“...... [続きを読む]

受信: 2010/02/27 11:41

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