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コラムyokoze「プリペイド3Gへの超苦労話」

 2008/3/31にツーカーが停波してからソフトバンクのプリペイドを使っていた私ですが、今度は2G電波が2010/03/31に停波することとなり、プリペイドもいずれは3Gに変えなければいけない状況となりました。ギリギリまで使い倒しても良かったのですが、今まではプリペイドでは不可だった番号ポータブルが2G→3G プリペイド携帯間でできるようになったというので、早めに換えてもいいかなと思ったのがちょうど1年前のことでした。しかし、前回プリペイドの携帯を入手するとき苦労したので今回もおそらく入手が困難なことが予想されました。

 まずは職場近くのショップ(中野坂上)に2G→3Gができるか、というのを聞きに行ってみたところ、なんと!プリペイド用携帯機種が存在しすぐにでも交換できるとの話。番号ポータブルもOK。ただし、機種は1種類でSC730。値段はちょっと忘れたけど6000円ぐらい。まあ、これでもいいかなと思いながらしばらく考えることにした。
 一旦引き上げてソフトバンクのサイトを見ていたら、なんとプリペイド携帯が売っている。しかも、822Pというスリム携帯も売ってる。SC730に比較してデザインも良いし、機能もいろいろあり、値段もほとんど変わらない。絶対こっちの方がいいな、と思ったが”オンラインショップで買った3Gに番号ポータブルはできません!”と言われるかもしれないので、サポートに電話して確認してみる。”大丈夫です、できます!”との返事だったので、売り切れないうちに822Pの赤を即購入。
 数日後端末が代引きで届き、中野坂上のソフトバンクショップへ昼休みに行く。2G→3G プリペイドに番号ポータブル変えたい旨を伝えると思った通りお姉ちゃんは”できない”と言う。私が”サポートに聞いてできると言われたから、買った”という話をするとどこかに電話をかけて確認作業をしている。そしてやっぱり”できない”と言う。店頭で買ったプリペイドなら可能だが、オンラインショップで買ったプリペイドではだめということだ。ラチ開きそうになく、昼休みももう終わりなので一旦引き上げることにする。このとき、できないなら余計なことしなくていいのに、ソフトバンクのお姉ちゃんは箱を開けてSIMカードをホルダからはずし携帯に差すところまでやっていた。それを元のホルダにセロテープで貼って戻していたようだったが、私がこのソフトバンクショップを出て会社に戻るまでにこのSIMカードはなんと無くなっていたのだった(^^;;
 カードが無くなったことに気がついた私は就業後にまたこのショップに行き、カードを紛失したことを伝える。明日、また来るからカードを探しておいてほしい、と言いその日は帰宅した。
 翌日、再びサポートセンターに電話してもう一度オンラインショップで買った3Gプリペイドに番号ポータブルできるか聞くと、”できる店とできない店がある”と珍妙な回答をしてくれる。”では、どこでできるんですか?”と聞くと”お答えできない”と言う。これもラチ開かずアホらしいので電話を切る。
 昼休み、再びショップを訪れると結局SIMカードは見つからなかったみたいだが、”新SIMカード”を用意しくれていた。私はもう面倒くさいので番号ポータブルはあきらめ、新番号の電話に乗り換えることにしたのだった。(第一部完)

 面倒くさいついでで、もう一つ苦労話。実は彩もプリペイドを使っていた。彩は私が3Gプリペイドに変えたけど、特に不便もないし番号変えたくないということで引き続き2Gプリペイドを使っていた。しかし、vodaphone時代の携帯で携帯自体がへたりはじめ、ときどき通話が聞こえにくくなってきた、ということで変えざるを得ない状況になる。これが昨年の春ぐらいの話。番号を変えたくないとのことで、ショップに行って変えようと思い家の近所の神楽坂ショップに行くがお約束のごとく”プリペイドは売り切れです!”と言われてしまった。電話の調子も悪く、もう面倒くさいので普通の3Gに変えてしまうことにする。携帯の機種を選び手続きする。切り替え作業に3時間ぐらいかかるというので、切り替わったら連絡もらうことにする。とりあえず、片付いたぞ!と思ったがやっぱり簡単には行かなかった(^^; 数時間後に電話はかかってきたのだが、名義が違うので番号ポータブルできません!という連絡だった。
 もうずいぶん前のことなので忘れていたが、彩のプリペイドは私がボーダフォンのwebサイトから買ったものだったのだ。と言っても当時は今のようにうるさくなかったので、ネットで注文して代引きで金払っただけ。名義なんて買った人の名前にしかすぎない。
 では、どうしたらいいのですか?とお姉ちゃんに聞いたところ名義変更が必要だと言う。そして彼女が言うところでは名義変更の手続きは1週間から10日もかかると言うのだ。もう、いいです!ということで結局この日はポータブル断念。
 とは言え電話の調子が悪いので変えなければならない状況は変わらない。意を決して彩と私は今度は有楽町のビックカメラに行った。ちなみにこの名義変更は、元名義と変更先名義の両人がその場に同席していないとできないとのお姉ちゃんの説明だったので、二人で更にチビっ子連れでビックカメラまでわざわざ行った。なんでビックカメラにしたかと言うと神楽坂のお姉ちゃんの対応が今一だったのと、神楽坂ショップは電話の種類が少なかったのとの両方の理由による。準備万端で電話も選んで、書類を書きはじめたところでまたまた別の落とし穴が待っていた!なんと名義変更には”ハンコ”が必要と言うのだ。一瞬耳を疑ったがこれはどうしても譲れないと店員のお兄さんの話。家族で苗字が同じでも駄目なんだとか。山田とか言う名前ならどっかで認印でも買ってくればいいかもしれないが、我が家の苗字は珍しいので通常はポーンとその辺では売ってないのだ!もう嫌がらせとしか思われないのですが、結局その日もポータブルは断念したのだった。ちなみにこのお兄さんの話では名義変更は翌日にはできるとのことだった。もう誰が本当のこと言ってるかわかりましぇん(^^;

 電話の調子が悪いのはもう直らず変えなければいけない状況に変わりはない。しかし、二人がそろってハンコもって子連れで出かけられる機会というのは休日ぐらいしかない。そうだ!そもそも名義変更なんてやめちゃえー。というわけで職場近くの中野坂上ソフトバンクに数ヶ月ぶりに行く。実際に使うのは彩だが私の名義のままで2Gプリペイドから普通の3Gホワイトプランへ。どうだ!文句のつけようないだろ。というわけで昼休みに手続きをし、就業後に電話を取りに行く算段となった。対応してくれたお姉ちゃんは数ヶ月前と同じだった。彼女も私に気がついたようで”以前お越しになられましたよね?”と言われた。”先日はSIMカードなくしてくれたりなんだりでありがとう!”とは言わず”ええ、これは奥さん用電話なんですよ”と返答する。”ああ、そうなんですか”で終わり。名義がなんたらかんたら面倒なことも特に聞かれず。ついに!3Gに番号ポータブルできました。なんと長い道のりだったことか.....。


 今まで書いたこのエピソードはずっと書こうと思ってはいたのですが、込み入った話なので書きそびれていました。では、なんで今になって書いたのかと言えば、2010/3/31第二世代停波を前に、あまりにもおいしく、簡単なプリペイド世代交代の案内が届いたからなのです!
 先に書いた通り、2Gから3Gへ番号ポータブルできなかったため私は新たに3Gプリペイド電話を購入することになってしまいました。2Gプリペイドは子どものオモチャとして第二の人生を歩んでいたところだったのですが、カードを登録せずとも番号自体は1年間有効なので、ソフトバンク的には生きてる電話だったわけです。なので、この1年間ときどき”新しい3Gに変えてください”というハガキや封書が何度か届いていました。しかし、私は既に番号違えど3G電話持ってるので、それらはゴミ箱にポイッと捨てていました。しかし、今回の封書にあった特典はあまりにも素晴らしかったのです。1)今までの電話に残ってる残高すべて新電話に移行 2)6000円の通話料サービス+1年間の有効期限 3)充電器サービス 4)あたりまえだが番号ポータブル しかもFAX1本で手続き可。
 1)に関しては既に消えてしまっていますが、もし使い続けていたら2万円ぐらいはたまっていたでしょう。2)は6000円もおいしいのですが、1年(360日)というのが素晴らしい。私のようにほとんど電話を使わない人は1年間カードを買う必要がないかもしれない。3)は約1000円しますからこれもうれしい。4)は今まで一番やって欲しかったことです。なんで今までこれをやってくれなかったんだい!電話機本体は購入する必要ありましたが7千円弱でおまけの通話料を考えれば無料みたいなものです。
 今回やった手続きは、1)ホームページから切替申込書をダウンロード記入して、指定番号へ本人確認書類(自動車免許のコピーなど)とあわせてFAX 2)代引で端末がソフトバンク届く 3)指定番号に電話をかけ、本人認証して完了! ソフトバンクショップまで出かける必要は一切ありませんでした。

 明日で前の電話のカードが切れ、新しい電話番号というか元の番号の電話が私の携帯になります。しかし、携帯電話会社ってのは何が楽しくてこんなアホなことやってるんでしょうか?まあ、プリペイドユーザーに対する嫌がらせなんでしょうがね。
 あと5年ぐらいすれば音声通話なんて無料の時代になっていることでしょう。そんな時代に携帯電話会社は何をやって儲けているのでしょうか。


コラムyokoze「プリペイド携帯が買えない」
http://yokoze.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/yokoze_71df.html
http://yokoze.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/yokoze2_b46f.html
○新携帯の機種
http://jp.samsungmobile.com/pc/lineup/730feature.html

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コラムyokoze「次世代の車とは」

 前回の関連です。今回はトヨタに限った話ではなく、そもそも日本における車のビジネスモデルは変わったという話です。自動車がないと生活できない地域は別にして、都会においては自動車は無くても何も困らない道具です。その状況は既に30年ぐらい前からだったのでしょうが、人々がようやく気がついてしまったのです。実際に、車ごとき趣味に使うお金の余裕が無くなってきたというのも大きいでしょう。
 私ぐらいの30代後半以降の世代はまだ自動車世代と言って良いでしょう。必要がなくても趣味のツールとして車がほしい人が多くいる世代です。ところが、もっと若い世代は違います。まず第一に必要なのが情報ツール。携帯であったりPCであったり。また、ファッションにもお金を費やします。もともと収入が少なくさせられているこの世代はそれでほとんど生活費以外のお金が消えてしまいます。車なんて高価なおもちゃは言ってみれば意識外のものです。若い人が車を買わなくなってるのですから、車が売れないのもあたりまえです。
 だからエコカー減税だのなんだの言っても別世界の話で、カンケーネーヨってな感じでしょう。実際、新型プリウスに乗ってる人はほとんどがおじさま、おばさまです。
 この状況はもし若年の収入が増えたとしてももう変わらないものでしょう。若者を貧乏にすることにより時代は覚醒し、日本の交通事情は既に上のステージに上がってしまったのです。では、どうなるのかというモデルはヨーロッパにあります。都市の交通は路面電車を中心にした公共交通となり、それを補完するのが自転車。実際日本でも自転車を使う人がかなり増えています。けれど道路事情はまったくそれに追いついていません。日本でも自転車用道路をもっと整備し、道路からクサイ自動車を追い出すべきなのです。

 もうこの流れを止めることはできないでしょう。歴史の必然です。遅かれ早かれ日本もヨーロッパのようになり、車は次世代に移行していくでしょう。次世代の車とは自転車です。
 四つ輪の車も公共交通(タクシーなど)としては生き残っていくでしょう。四つ輪の車は、個人が所有するものではなくなっていくのです。
 エコカーなんてものはハナから存在せず、四つ輪の車を所有しなことがエコなのです。車業界は大きくしすぎた市場を整理縮小し、先進国では公共交通としての車をつくって行くことになるでしょう。
 個人の所有する車は 自転車→バイク→ガソリン自動車→自転車もしくは電動自転車の類 と戻っていくのです。自転車こそ個人の持つ究極のエコカーなのです。

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コラムyokoze「プリウスはトヨタの象徴」

 プリウスリコールでトヨタ、そして日本も大騒ぎとなっています。しかし、これはある意味起こるべくして起こった状況と言って良いでしょう。3代目となる新型プリウスは正に満を持して発売されたクルマでした。何が満を持してかと言えば、小泉自民党と経団連奥田会長の最後っ屁が込められた車だったということです。

 まずははエコカー減税&補助金です。ほぼすべての日本車がエコカーにカテゴライズされてしまう、言ってみれば自民党の置き土産の自動車業界救済政策ですが、その中でも特に優遇されていたのがトヨタプリウス。ハイブリットカーの税金はなんとゼロです。このエコカー減税は見事に新型プリウスの発売にあわせて開始されました。プリウスを買え!と言わんばかりです。トヨタは更にぬかりがありません。クルマ業界で最も宣伝効果の高いカーオブザイヤーも出来レースよろしく受賞。
 これらを見た、お金を持ってる愛国心!?に燃えるおじさまたち。今までは、クラウンとかマークXに乗っていたような人たちがステッチのように”イイコトカウンター”を上げよう!と思いオヤジ車を手放しプリウス購入のためにこども店長のトヨタの店へ走りました。そして、当然の結果として、プリウスは自動車販売の1位をゲット。需要にに生産が追いつかない状態に。ここまでは最後っ屁が決まってるように見えたのですが........。

 こうなった理由はいくつかあります。まずはプリウス自体の問題。プリウスが本当にいい車で”いつかはマーク2”のおじさまでも問題なく運転できる車なら良かったのですが、このクルマは特殊なハイブリットカーだったわけで、技術的にもまだ未熟な部分が残っていた。

 もう10年以上昔の話ですが、初代プリウスが出た当時に私はこの車に非常に興味を持ちました。メカ的なハイブリットの部分と、回生ブレーキというメカニズムにです。回生ブレーキとは電車では昔から使われている技術で、止まるエネルギーを使ってジェネレータを回し電気に変えるもの。今では、電動自転車の一部機種にも使われていますが、当時は自動車にも使われるということで驚いたわけです。早速、トヨタまで試乗に行きました。で、乗ってみた感想なのですが、まずはエンジン音がものすごく静かなのにびっくり。しかし、一方ブレーキの感触に違和感を感じました。ある程度慣れで克服できそうではあったのですが、買うとしても先の話だなと感じたものです。

 あれから10年以上たつのですが、結局今もこの回生ブレーキと油圧ブレーキの問題で本質的には解決していないのです。しかし、今まではプリウスという車はハイブリットとは何で、どういう問題があるかということを理解した人しか買っていない車だった。高くても、普通の車と違ってもいいというユーザーが乗っていたのです。ところが3代目は売らんかなが先行しすぎて、ゲタをはかせすぎたため、マーク2とプリウスの違いを意識しない人が大量に購入して運転しだしたのです。そういう人が買う可能性があるというのに、今回のプリウスは先代よりも燃費を良くしてカタログ値を良くするために回生ブレーキがより効くチューニングにし、車としての感覚を更に犠牲にしていたのです。

 次はコストの問題。初代プリウスは原価より安い値段で販売している車でしたが、おそらく今回あたりからトヨタはプリウスでコストを回収する局面に入っています。売上1位の車で売れば売るほど損するようでは意味ありません。儲ける車でなくてはなりません。だから、3代目プリウスは相当コストダウンした車体になっているはず。コスト削減は部品メーカー、組立労働者にまで及んでいるのはもちろんのこと。部品を買い叩き、労働者は安い賃金で働かせた。今回のプリウス問題はチューニングの問題のようですが、そのチューニングだって十分でなかったから問題になるのです。安くつくってますから今後他の部分に問題が出る可能性は多いにあります。
 このコストの問題はプリウスだけでなく、北米で出ているアクセルペダルが戻らないというのも、部品を安くあげ、実験も十分にやっていないから起こった問題でしょう。

 最初はプリウスも技術面重視ではじまったのでしょうが、売るためのハイブリット売るための低燃費で売るためのエコカーでしかも安くつくらなければならない。ダメ押しが政府の政策でありマスコミや広告業界の援護射撃であったわけですが、高くなりすぎたゲタでこけたのです。Prius_2

 私はもともと車好きで先代プリウスが出たころとその以前はトヨタ車をけっこう評価していました。それが、おかしいなと思いはじめたのは経団連が奥田会長になったあたりから。これはつまり、モノづくりのトヨタが政治力とブランドのトヨタに変わった時期なのでしょう。その象徴とも言えるのがトヨタ車のデザイン。まったく面白みのない、金太郎飴デザインになりはじめ。トヨタエンブレムはだんだんデカクなり、今ではもっこりと盛り上がるまでになっています。プリウスのボンネットも必然性なくもっこりトヨタになっているのが確認できます。

 皮肉なものでトヨタブランド最大の危機だというのに、今のトヨタは世襲のボンボン社長。記者会見を逃げ回り、出てきても原稿棒読み。今まで広告費をちらつかせて抑えつけていたマスコミも、ダムが決壊するかのごとくトヨタの問題を報じ始めました。まるで政権交代で崩壊したときの自民党のようです。さて、トヨタは自民党のようにならずにこの難局を乗り越えられるだろうか。

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読書な毎日(193)

【知事抹殺 つくられた福島県汚職事件】 佐藤 栄佐久
 福島県知事の佐藤 栄佐久知事が自身が逮捕された水谷建設の事件について書いている本。この事件は現在の民主党の小沢をめぐる騒ぎとも関連しています。
 まず、検事側の主張。福島県木戸ダムの工事発注の際に天の声を発し、水谷建設に落札させる。水谷建設はその礼に佐藤知事の弟の経営する会社の土地を評価額より高い値段で取得。その差額が佐藤知事の賄賂にあたる収賄罪。
 一方、佐藤知事の主張を要約すると、木戸ダム建設にあたり天の声を発したことはない。弟の会社、三東スーツの土地を水谷建設が購入していたことも知らない。
 ちなみに、この土地は転売され現在ショッピングセンターが建っていて評価額は水谷建設が購入したときより高くなっています。
 この事件はいわゆる国策捜査にあたるものと言えるでしょう。東京地検特捜部が動き、かなりの無理筋を立件しています。立件のポイントは佐藤知事が賄賂を受け取ったか否かということになります。この土地購入が賄賂にあたるのか。土地の価格というのは言ってみれば時価で路線価という基準はありますが、相手が売ってくれる値段が価格になります。この土地は後に地価が上昇し、むしろ水谷建設は土地売却で儲けています。また三東スーツの土地が売れたことが兄の賄賂にあたるというのもかなり無理があります。佐藤知事は確かに当時、三東スーツの役員だったが経営権は弟にあり役員会にも出席していません。そして佐藤知事は天の声をいつ発したのか。この天の声を受けたのは当時の土木部長なのですが、彼の供述がかなり曖昧で何時なのかはっきりしていません。そもそも天の声って何なのでしょう(^^; いつから天の声で立件できるようになったのでしょう。
 しかし、当初は無罪を主張していた佐藤知事でしたが弟から水谷建設に土地を売る話を聞いて知っていたという自白をしています。東京地検特捜のエースによる連日の取調べ、そして佐藤知事だけでなく彼の支援者たちにも取調べされたり、責任を感じて三東スーツの役員が自殺したりあり、これ以上頑張っても皆に迷惑がかかると思い、知らない話を知ってると言いオチてしまったのです。
 ちなみにこの事件で贈賄したとされる水谷建設の幹部は脱税で収監中(佐藤知事の件では立件されていない)なのですが、最近になって自分が儲けるために三東スーツの土地を買ったと言ってるそうなのです。これで佐藤知事の冤罪&国策操作は間違いなのないところでしょう。しかし二審まで有罪判決となってしまっています(無罪主張で上告中)。そしてこの幹部は小沢事件でも重要なキーマンで、水谷建設に5千万円贈ったというのは彼の証言なのです。こんないい加減な幹部の話は信用できるのでしょうか。
 さて、この佐藤知事はなぜ国策捜査の対象となったのか。理由はおそらく2つ。その1つ目は国策の原発政策にとって非常に邪魔な存在であったことです。福島には第一第二あわせて10基もの原発があります。これらはすべて東京電力の原発。つまり福島の電気はつくっていない原発です。しかし、福島に建っているので様々な許認可権を知事が持っています。例えば原発の新規建設、原発のプルサーマル使用。
 プルサーマル原発とは、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を発電に使う方式です。プルトニウムは核兵器への転用が可能なため、保持していると国際的に核兵器をつくろうとしているのではないかと疑われます。日本は核兵器はつくらないことになっているのに、大量のプルトニウムを持っています。北朝鮮の比ではありません。その用途としては当初、高速増殖炉の燃料にと考えていました。ところが、実験炉のもんじゅが大事故を起こし、もう15年動かせずにいます。世界的に見ても高速増殖炉は実現困難な技術とされ、フランスもイギリスも実験炉を停止。ドイツは建設を中止しています。日本でもほぼ実用化は不可能と見られています。さて困った。プルトニウムの使いみちがないぞ!ということでその消費のために考えられているのがプルサーマルなのです。しかし、福島の原発でプルサーマルをやろうとしたところ、反対したのが佐藤知事でした。当時は日本中の原発で事故隠しが表に出てきていたときで、こんな状況で新しい発電法を許可するわけにはいかないとしたのです。予定では東電の福島第一で日本発のプルサーマルが行われるはずだったのを面子をつぶされたのが経産省、そして東電だったわけです。
 国策捜査第二の理由は、道州制に反対する知事の中心人物だったことです。道州制とは、県の上により大きな地方自治体をつくって行政を効率化させようという考えですが、官僚たちの思惑は知事の権限を取り上げてしまおうということに他なりません。つまり、佐藤知事のような言うこときかない知事以上の権限をもった州知事をつくるということです。
 まあ、政府(官僚)にとって福島の佐藤は邪魔な存在だったわけです。道州制の方は政権交代でうやむやになりましたが、プルサーマルは佐藤知事がいなくなったおかげで実施までこぎつけました。昨年の11月に東電ではありませんが九電の玄海原発でプルサーマルがはじまっています。政府にとって、もう佐藤知事の事件は無罪だろうがなんだろうがどうでも良いのです。現実として佐藤知事は失脚し、もう権限を持っていないのですから。
 本著ではこの事件の話だけでなく、なぜ佐藤栄佐久が議員となり、知事となったのかという話も書いてあります。彼は福島出身で東大法学部卒業の秀才です。卒業後は父親の会社、後に弟が社長となる三東スーツ(今回の事件の騒ぎのため倒産)で働いていましたが、青年会議所の活動に参加するようになりこちらが主務となります。活動の中で地域主権の重要性を感じるようになり、参議院に出馬し当選。そして知事へと転身し、保守系(官僚系)候補を破って当選。以降は絶大な強さを発揮し、5期連続で知事の座にありました。地元重視ゆえに絶大な人気を誇っていましたが、それゆえ中央と衝突し、原発でつぶされてしまったのです。
 政権交代はしましたが、今だ権限を握っているは中央官僚です。だからあれだけ小沢を攻撃しているわけです。さて、民主党は官僚たちから権限を取り上げられるでしょうか。官僚から国民へという政治ができるでしょうか。
 本著は今の小沢事件の構造を知る上でも是非とも読んどいた方がいい本です。
(★★★★)

【誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実】
 本田 宏
 医療の現場がいかにひどいことになっているかを現役の医師が書いた本。現場で働く者の立場で国民のための医療を考える「NPO法人医療制度研究会」の代表理事もしているそうです。
 医療崩壊とは何のことを言っているのか。現在の医療現場というのは、医師の絶対数が不足し彼らがあまりにも多忙なため疲れきってしまっている。また、病院の経営もたいへん厳しい状況になっている。これは国の政策変更が招いた結果だと言うのです。高齢化が進む国では医療費が増えるのは必然だというのに、国は財政支出を抑えるために医療費削減の方向に舵を切り年々医療費は減らされそのしわ寄せが医療現場を直撃している。病院の収入は減る一方だと言うのに患者は増え、今まで無かった仕事もどんどん増えている。当直明けの手術というのも普通のことで、ひどいときは何日も家に帰れない。医師たちは生死と向き合ってるので現場は疎かにできず、気力でなんとか持ちこたえている。そんな状況で、経営が厳しくなった病院が閉鎖され。疲れた医師は倒れたり、やめたりで医療現場は悪化の一途。
 私も足折って長いこと入院していたので、ある程度の医者の大変さは知っていましたがここまでひどくなっているとは。しかも益々悪化しているというのですからなんとか手を打たないと。著者はまず、とにかく医師を増やすこと、新しい医者を育てることだと言っています。医者はすぐには育たないので、その効果が出るのは5年10年とかかるそうですが、今やらないと間に合わない。本著は政権交代前に書かれた本なのですが、政府はこんな状況だというのに、”医者は足りている”というスタンスを頑として変えようとしなかったそうです。
 医者の数は十分だが偏りがある。これはつまり、医療に予算を使わないための方便にしかすぎないのですが。
 それが政権交代し流れが変わりました。新政権は医学部の定員を増やすことを明言しています。この政策転換は”コンクリートから人へ”の象徴の1つと言えるでしょう。今回の政権交代の選挙では自民党の票田だったはずの医師会も次々に民主党支持を打ち出していましたが、彼らも自民党と官僚たちをついに見限ったということだったのでしょうね。
 著者は現役の医者でありながら、本著を出しNPOを運営しと精力的に活動しています。それも日本の医療を良くしようと思ってのことです。彼らのような医者がいたから日本の医療はなんとか守られていたのですね。
(★★★★)

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