« 2009年6月 | トップページ | 2009年8月 »

新最近みた映画(107)

【1000の言葉よりも -報道写真家ジブ・コーレン】 ソロ・アヴィタル
 イスラエル在住のイスラエル人写真家のドキュメンタリー。彼を有名にしたのは、イスラエルで起きた自爆テロ現場の写真でDAYS JAPANにも載っていました。彼はこの1枚で有名になったが、この1枚でパレスチナ問題から抜けられなくもなってしまったようです。今でもこの写真を撮ったときのことははっきり覚えていて、しばらくはその現場には行けなかったそうです。
 事件の一報が入ると彼はカメラをかついでバイクに飛び乗り現場に急行します。しかし、彼は報道写真だけでなく自然やポートレートも撮っていてこれも素晴らしい写真です。
 とても静かで穏やかな感じの人ですが、決めた方向にはまっすぐ進んでいる感じがしました。美しいモデルの妻と子どもたちと暮らし、事件が起きればすっと立ち上がる。
 何が彼を動かしているかと言えば、今起こっている状況を伝えることによって良い方向に変わると信じているからなのでしょう。彼はイスラエル人ですが、イスラエル人としてではなく、そこに住む人間として写真を撮り続けているのでしょう。
(★★★★)

【アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生】 バーバラ・リーボヴィッツ
 米国の女性写真家のドキュメンタリー。監督は実の妹、というわけでかなり密着した感じで撮れています。リーボヴィッツは知りませんでしたが、見たことのある写真はありました。
 彼女のキャリアのスタートはローリングストーン誌。当時は女のカメラマンは珍しく様々な面でたいへんだったようです。次第に写真が評価されお声もかかるようになり、表紙の写真も何枚も手がけています。以降ヴァニティ・フェア誌、ヴォーグ誌に移籍し現在に至ります。
 彼女の写真の手法は、自然体を撮るのではなく、舞台セットをつくり被写体にも様々な飾りつけをし、絵画のような世界を創り出して撮るというもの。
 子どもはいるものの結婚はしておらず、彼女自身はレズビアンのようです。スーザン・ソンタグ晩年の恋人だったようで、そのくだりの部分も本作に出てきます。彼女はソンタグからかなり影響を受けているようで、華やかな芸能界だけでなく戦争や飢餓にも目を向けています。
 写真家のドキュメンタリーは絵になるものと、社会問題、そして意識の高い一流の人物を撮ってるということもあり興味深いものが多いです。
(★★★★)

【チャーリー・ウィルソンズ・ウォー】 マイク・ニコルズ
 トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマン。舞台は1980年代のアメリカ。テキサスの下院議員のウィルソンズ(ハンクス)は富豪の(ロバーツ)から、アフガニスタンの人々を救って欲しいと頼まれる。政治問題にはあまり興味のない!?ウィルソンズだったがCIAの外れモノの諜報員(ホフマン)と組み新兵器スティンガーをムジャヒディンたちへ贈る。これが大当たりし、ソ連のヘリコプターはジャンジャン撃ち落とされてアフガンから撤退することになるのだ。
 コメディタッチで結果オーライ的な感じで何か違和感のある映画でした。ウィルソンズは信念があって行動してるわけではなく、最後の場面で平和が訪れたアフガンの学校建設の予算がつかなくっても”まあ、仕方ないか”で終わりなのです。アメリカの議員は適当に仕事してるってことを見せたい映画なんでしょうか(^^;; 実際、同じアフガンを20年後には米軍が侵攻してるわけで、アメリカのやってること自体変なんですがね。
 せっかくの豪華俳優なんだから、もっとメッセージ性のある映画つくったら良かったのに。
(★★☆)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

読書な毎日(187)

【巨大化するアメリカの地下経済】 エリック・シュローサー
 ファーストフードネイションのシュローサーの著作。出版されたのは後ですが、こちらのルポの方が先に発表されていたものだそうです。3つの異なるテーマ。マリファナ、労働移民、ポルノについて書いてあります。どれも優れたルポです。
 マリファナとは日本では大麻と呼ばれているものです。繊維としても使われ、オランダなどでは合法的に売られています。しかし、日本もそうですが米国でもマリファナは栽培することも所持することも違法となっています。まず、マリファナの有害性について分析しています。マリファナは酒と比べてみても人体への有害性は低いとしています。マリファナを吸引することにより、仕事の生産性が一時的に落ちる程度。では何故禁止なのか。その有害性の低さについては、当局も認識していてマリファナは他のハードドラッグへの誘因となるために禁止なのだ、と言ってるそうです。変な理由ですね(^^;
 禁酒法のときと同様マリファナは禁止されている故にプレミア商品となり高額で闇で取引されるようになっています。栽培自体は簡単でタネさえ蒔けばどこでも生えます。しかし、栽培は禁止されているのでマリファナを闇で売る人たちは地下室や隠し部屋で照明と水耕栽培でやっているのだそうだ。 そしてそれを摘発する方も空から熱源をサーモグラフィーで探したりするそうな。なんと大掛かりな(^^; そして今や米国に収監されている人のかなりの部分がこのマリファナ関連になり、マリファナが犯罪でなくなったら警察も刑務所もお客が少なくなって困ってしまうらしい(^^;;
 労働移民とは、メキシコから米国に違法に入り働いている人たちのこと。彼らは見つかるとメキシコに送還されてしまうため、不当に安い賃金でバラックに隠れるように住んで働いている。そして、米国の農業は彼らによって支えられている。機械を使うより彼らを使った方がなんと安上がりなのだそうだ。特にいちごの摘み取りが重労働だそうです。トシをとると重労働に耐えられないため若いうちしかつとまらない。
 最後がポルノですが、これが一番文量多く、本著の約半分を占めています。ポルノの父と言っても良いルーベン・スターマンの伝記と言っても良い内容です。彼は最初はコミックブックを売る仕事をしていましたが、いわゆるエロ本を売るようになります。キリスト教国であるアメリカでは、いわゆる”エロ”は隠さなければならないことでした。女の裸の写真なんてもっての他。しかし、実はこれを見たい人はたくさんいるのです。というわけで本屋のカウンターの下でコソッと売りさばく。利幅が大きく大儲け。スターマンは次第に事業規模を拡大。本だけでなく、動画もはじめる。これはビデオが出回る前の話で、本屋の一角に小部屋をつくりコインを入れると一定時間エロ動画が見れるというもの。これも大当たりし、スターマンの事業は世界規模となっていきます。続けてビデオ時代、そしてネット時代がやってきますが、スターマンがエロ業界の第一人者であることは変わりません。後半は警察や税務署との攻防になります。警察とはワイセツをめぐっての裁判闘争。税務署とは脱税をめぐって。巨万の富を持っていたスターマンですが税金を払うのが大嫌いで、あらゆる手を尽くして税金を払わないようにしようとします。
 ハスラーのラリー・フリントやプレイボーイのヒュー・ヘフナーなどと比べるスターマンは無名な存在ですが、ポルノを広めたという面では一番の功績者のような気がします。
 本著の3つの話はどれも知らないことで、アメリカの新たな一面を見させていただきました。シュローサーはファーストフードネーション以来著作出していないですが、もっと書いてほしいです。
(★★★★☆)

【闇に消される原発被曝者】 樋口 健二
 原発労働者に焦点をあてたルポ。樋口氏は写真家ですが、本著はルポの方が主でたくさんの原発労働者たちから取材しています。
 原発の作業員と言うと、制御室でモニターを見ている人たちの姿が一般的に思い浮かぶのかもしれませんが、あれは電力会社の正社員で、彼らだけでは原発は動かないのです。放射線の強い危険地帯で検査したり、作業したりする人たちがいるのです。彼らは正に使い捨て。近くの農村や、日雇いの労働者をかき集め、放射線の危険性の話はほとんどせずに仕事をさせます。本著にもたくさんの証言者が出てきますが彼らの多くは原発労働をはじめて数ヶ月で体が不調となり、働けない体となりそして死んでいきます。原発と病気との因果関係はほとんど結びつけることができません。被爆専門の偉い医者はほとんどが体制側の人間で”これは原発とは関係ありません”と言うために存在しているのです。
 しかし、本著を読んでいて、あまりのひどさに胸が悪くなってきました。原発労働者は防護服を着せられアラームメーターを持たされて作業するのですが、暑くて防護服を脱いで作業する人、アラームメーターはすぐに鳴るので外して作業する人、というのが普通に存在する、というかそうしないと仕事にならないという実態があるのです。つまり、○○シーベルト以下の被爆で作業をさせているというのはカタチだけなのです。通常作業でもこんな状態ですが、事故など起こった時の修復はもっとヒドイことが起きます。穴をふさぎ、漏れ出た冷却水を雑巾で拭きます。早く汚染を除去しなければいけないので、アラームメーターなんか関係ありません。この危険な作業をさせられるのは熟練工でも何でもありません。前述の日雇い労働者です。彼らは何の保証もなく働いていますので、この作業が原因で病気になっても泣き寝入りするしかないのです。この点だけ見ても、原発ってのはやってはいけない技術なのです。発電のために人柱が要るのですから。
 最後の章に原発燃料を追跡するルポが載っています。なんでそんなルートにするのかよくわかりませんが、横浜で核燃料を積み福井まで警察の先導のもと、高速道路を爆走するトレーラー。それをを追跡します。東京原発という映画でこのシチュエーションが描かれていましたが、本当にやってるんだというの再確認してしまいました。こんな危険でお金もかかることまでしてすることなんでしょうか原発ってのは。
(★★★★☆)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

コラムyokoze「フォトフレームのある生活」

 前々からデジタルフォトフレームっていうのがあるのは知ってましたが、それほど気になるモノではありませんでした。ただ、デジカメの写真うつすだけでしょ!という感じだったのですが、最近仕事の関係で電子看板(デジタルサイネージ)を扱うようになり、その調査過程でwifiフォトフレームというものがあるのを知りました。これは何かといえば、無線LANに接続できるフォトフレームです。フォトフレームってローカルのコンテンツを回しているだけかと思っていたのですがそうでないものもあったのです。
Gazou
 無線につながって何がすごいかと言えば、フォトフレーム自身ではなくLAN上のPCやNASなどの画像を表示でること。そして、fliker picasaなどインターネットの画像共有サイトやframechannelなどのサービスを使って写真だけでなく、天気予報やニュースなどのコンテンツやRSSを表示することもできるのです。framechannelで表示できるものは自分で好きに編集できます。つまりTVと違ってコンテンツを自分で選択して編集した情報端末として使えるということなのです。
 しかし、ここで注釈がつきます。日本でも一応wifiフォトフレームというのが少ないながらも売ってはいますが、画像共有サイトまででframechannelのようなサービスを提供する媒体が存在しません。

 ”これは面白そう!”と久々に思いました。どれか欲しい!いろいろ調べて迷った挙句、framechannelの表示できるkodak製品を直輸入で購入することにしました。値段は約140$で輸送費が約40$で合計180$程度。ちなみにkodakは日本でもフォトフレームを売っていますがwi-fi対応は売っていません。
 この同時期に友人が結婚するというイベントがありました。この友人にも研究したついで、ということではないですがwi-fiフォトフレームをプレゼントすることにしました。友人の写真などをこのフォトフレームに入れるついでに商品の検証までしてしまおうという魂胆です(^^; こちらはプレゼントということで、さすがに海外製品はやめておきbuffaloのPF-50WG/WHをチョイスしました。価格は1万7千円弱と、国産wifi対応では最も安価なモデルです。他のwifi対応はこのbuffaloと機能的にはほとんど変わらないのに何故か3万円近くもします。

 次はこの2機種について比較検証報告です。
 この2機種の液晶は8型ですが、kodakは16:9 buffaloは4:3です。4:3の方が大きく見えます。好みもあるでしょうが写真を映すなら4:3の方が良い気がします。液晶の質はbuffaloの方が上。しかし、動画の再生能力で言うと kodak が優れています。buffaloは携帯でとった動画が再生できるレベル。kodakはHD画質は無理ですが、普通のムービーでとった動画なら問題なく再生できます。動画は非常にきれいです。
 wifi機能はbuffaloの方は一応flickerなどの画像も表示はできるのですが、公開されている画像のみ。つまり、パスワードつきで保存しているプライベート写真などは表示できないのです。というわけであまり使えません。無線機能は家庭内LANで保存している画像とか、ファイルのコピーなどに使えるという程度のものになります。一方のkodakはframechannelが使えますので、プライベート写真もニュースや天気予報(東京の天気も出ます)、RSSの情報も出せます。ただし、RSS以外は全部英語のコンテンツではありますが(日本語のRSSも表示可能だが、何故かわからないが表示できないRSS情報もある)。framechannelは日に日に機能とコンテンツが増えていて今後が楽しみです。
 framechannelはフォトフレームを持っていなくてもIDがつくれ、googleガジェットもありますので、どんなものか試して見たい人は試せます。私も会社のPCにはこれ入れてframechannelを見ています。

 buffaloはプレゼントして既に手元にはないですが、kodakは一応毎日使っています。毎朝電源入れて、朝の準備をしているときになんとなく見ています。TVではニュースをつけていますが、世界のニュースもこれで見れるのでなかなか良い。ランダムで家族の写真も出てきます。

 結論から言うと、wifiフォトフレームならframechannelのような機能は必須と言って良いでしょう。この機能がないとせっかくの能力の半分も発揮してないようなものです。しかし、今だに日本ではそういうフォトフレームを売り出す様子は見えません。
 様々なことができるということはそれだけ複雑な製品ということで、一般人にはやや敷居の高い製品かもしれません。私は仕事とからんでますので、けっこう時間をかけていじりましたが。

 このフォトフレームを個人用だけでなく、デジタルサイネージの端末として活用しようという動きもあります。framechannel とscalaというサイネージの会社がsignchannel というフォトフレームを使ったサイネージのサービスが予定されています。たかがフォトフレームが大化けするかもしれません。日本はここでも蚊帳の外ですがね(^^;


○kodak EasyShare W820
http://www.amazon.com/Kodak-EasyShare-W820-Wireless-Digital/dp/B0016NJ7EK/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=electronics&qid=1246440754&sr=8-1

○buffalo PF-50WG
http://buffalo.jp/products/catalog/multimedia/photoframe/pf-50wg/

○framechannel
http://www.framechannel.com/

○googleガジェット framechannel
http://desktop.google.co.jp/plugins/i/FrameChannelGadget.html?hl=ja

○signchannel
http://signchannel.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年6月 | トップページ | 2009年8月 »