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読書な毎日(186)

【ドキュメンタリーは嘘をつく】 森 達也、替山 茂樹
 TV東京で放映されたドキュメンタリーをDVD化し、本とセットで売り出したもの。TVドキュのタイトルはこの本のタイトルと同じ「ドキュメンタリーは嘘をつく」。ドキュメンタリーは嘘をつくというタイトルの本は森の著作にもありますが、一応それを原作としているものです。
 メディアリテラシーとドキュメンタリーとは何かをテーマとして、国内のドキュメンタリー映画の監督、原一男、佐藤真、安岡卓治などに森達とリポーターの吉田という女性がインタビューするという構成になっています。この番組には仕掛けがあるのですが、オチは書かないでおきます。
 本の方はこのTV番組の企画から制作そして放映までのドキュメンタリーでこれもなかなか面白い。この本を読むとこの番組に関して森達は監修という位置づけであるというのがわかります。プロデュースはTV東京ディレクターの替山 茂樹。実際に撮影し、編集しているのは村上 賢司、松江 哲明という若者です。森達は他の仕事がすごく忙しいようで、本番組作成を横目で見ながら他の仕事をしています。出来上がりつつある作品もほとんど見ません(^^; すごい、これでよく自分の名前をかぶせちゃうものだなと感心しました。
 森達本はボクという森達本人の1人称で語られるものですが、本著は森達を第三者の目から見た正にドキュメンタリーです(^^; というわけで森達ファンは是非とも本著読んでほしいです。
 しかし、TV番組を一本つくるということは実に大変な作業なんだなと、本著を見て感じました。こんなに苦労してつくっても放映されるのは一回だけ(本作は再放送もされたようですが)。
 映像の方は賛否両論あると思われますが、私は面白かったです。本の方を後から読んだことにより、一粒で二度おいしい感じがしました。
 また、本著には映像にはいなかった田原総一郎と森達の対談も載っています。これによると、田原は元TV東京のディレクターで当時かなり話題となったドキュメンタリーを何本も撮っていたのだそうです。なんで、そんなことができたかと言えばTVというのができたばかりで、TV東京あたりだとかなり自由に好き勝手にできたのだそうな。今の田原からは想像できないヤンチャぶりです。その後フリーとなり、朝まで生テレビの司会として有名になり現在に至ります。今の田原はただの風見鶏オヤジでジャーナリストとしてはほとんど意味のない存在です。人とは地位を得てしまうとナマクラになっちゃうものなんですね。あの猪瀬もそうだけど。
 しかし、森達には時々は映像作品撮ってほしいです。本作のような監修ものでもいいですから(^^;
(★★★★☆)

【東京スタンピード】 森 達也
 森達初の小説。舞台は数年後の日本。ロスジェネ世代の伊沢はテレビ制作会社で、いわゆる秘境モノといわれるジャンルのドキュメンタリーをつくるディレクターで独身。彼は1年のうちの多くの時間を永久凍土や砂漠などで過ごしている。日本に戻った彼の元に加藤と名乗る謎の人物が現れる。
 伊沢はやはり森達ですね。普通というよりやや天然ボケ系の彼でも、最近の日本がなんか暮らしづらいと感じている。しかし、なんでそうなのかはよくわからない。そんな中、ワールドカップをきっかけとして暴動が起こる。
 森達本を読んだことある人なら、いかにも森達だなあと思うことでしょう。本著は現実的な小説というより、やや寓話的な小説です。奇妙な登場人物が何人か出てきて物語に味付けをしています。
 テーマは森達ですから、メディアと普通の人々の関係。なんでもないような普通の人でもパニックに加わり加害者となる。
 本著もそれなりに面白かったのですが、やはり森達は小説でない方がいいな、というのが個人的感想です。
(★★★)

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