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読書な毎日(167)

【インドネシア残留元日本兵を訪ねて】 長 洋弘
 インドネシアに残留した日本兵たちのルポ。著者は1984年、インドネシア滞在中にその存在を知り、以降ライフワークのようにインドネシア残留兵をインドネシア中尋ね歩いています。その数はかなりの量と思われます。本著にのっているだけでも50人以上います。
 というわけで、本著はかなりの力作です。私もインドネシア残留兵の存在についてほとんど知りませんでした。”ムルデカ 17805”という日本映画が2001年に公開され見てはいないのですが、そういうこともあったのかとはじめて知ったぐらいでした。なぜ、彼らはインドネシアに残ったのか。それは人によって違ったり理由は1つでなかったりします。主なものとしてその1。日本の敗戦後すぐにインドネシアで独立戦争がはじまります。それに自分の意志で、あるいは状況が許さずそれに合流してしまった。2、日本の敗戦で帰るところがなくなったと思い、あるいはもう日本に帰りたくなくなり残った。3、憲兵に多いのですが、戦犯に問われると思い隠れた。4、脱走兵の状況に自分があり、日本に帰れないと思った。5、手段がなく、あるいは帰還手段が危険な状況だったので帰れなかった。6、現地に生活基盤ができたので帰らなかった。などなど。
 残留日本兵は小野田さん、横井さんで終わったように一般には思われていますが、人知れず戦地に残ってる日本兵はこんなにもたくさんいるのです。彼らは忘れられた存在故、軍人恩給もなく、不遇な環境にいる人も少なくありません。本著にはインドネシアに日本福祉の会という残留日本兵とその家族のための団体をつくった乙戸さんについて多く書かれています。彼のような人がいたかろこそ見えなかった日本兵が見えるようになり、彼らの地位もやや向上したのです。
 この本に載ってる人の大半はもう亡くなっています。彼らの存在を知るのがちょっと遅すぎた気もしますが、この事実を多くの日本人と政府も知った方が良いです。そして戦争が起きるとこのような悲しいことが起こることをよく認識しておくべきです。
(★★★★☆)

【東ティモールを知るための50章】
 山田 満 編著
 エリアスタディシリーズ。東ティモールと言えば、インドネシアが弾圧していて、最近独立した。インドネシアの南の方にある東半分というぐらいの知識しかありませんでしたので、非常に勉強になりました。
 東ティモールというのは元はポルトガルの植民地で、西ティモールとその他インドネシア地域はオランダの植民地だった。そのため、インドネシアは独立したけど、東ティモールは一緒になることを望まなかった。東ティモールには資源があることもあり、インドネシアはその独立運動を弾圧し、何十万人という人が拷問されレイプされて死んだそうです。しかし、インドネシアは親米だったためこの行為はあまり国際問題とならず長く放置されていたのです。
 この転機が訪れたのはスハルト政権が倒れた後でした。そしてついには独立を勝ちとったわけですが、長きにわたった紛争の後遺症は大きくなかなか一つの国としてまとまれないというのが現状なようです。
 本著には初代大統領で現首相となっているシャナナ・グスマンのことが多く書いてあります。彼は民主化のシンボルのような存在で、直接選挙で選ばれたのですが、この当時の大統領は実質的な権力はなく、旧権力とつながりのあるマリ・アルカティリ首相が独裁的な政治をしています。そのアルカティリは現在退陣に追い込まれたようなのですが、つい先日もグスマン系の大統領ホルタが爆弾テロにあうなどまだまだ、東ティモール情勢は安定していません。
 東ティモールには産業らしい産業がありません。輸出しているのはコーヒーぐらいで、それも栽培してるのではなく自生しているものをとってくるというやり方だったそうです。というのも、旧領主国のポルトガルが長きにわたり、東ティモールをほったらかしにし、産業の育成もしなければ投資もしない、教育にも力を入れないということをやっていたからだそうです。その違いは西ティモールと比べれば歴然としているのだそうだ。コーヒーについては、大西さんで有名になったピースウインズジャパンの人の話が出ています。彼らが援助してコーヒー農園や豆の収穫法を改善したりしているそうです。
 言語としては、テトゥン語が一番使われていて次がインドネシア語だそうですが、旧領主国の影響でポルトガル語ができないと役所や要職につくのが難しい状況なのだそうだ。宗教はこれもポルトガルの影響でカトリックが大半なのです。
 本著読んで東ティモールに興味を持ちましたが、現状は前述のように不安定な状況です。早く安定して、普通に渡航できる時代がくるといいですね。
(★★★★)

【日本警察の正体】 大谷 昭宏
 元警察の記者クラブにいた著者が見た警察の現状を憂える本。2000年の著作なのでちょっと古い本ですが、今も警察はこの延長線上にあります。著者の記事やシンポジウムなどの発言はよく目にしていたのですが、著作を読むのは意外にもはじめて。読売新聞の記者だったんですね。というわけでもないのでしょうが、けっこう警察よりです。しかし、最近の警察の状況を憂えています。警察側の問題としては、職人的な人がいなくなりサラリーマン化している。幹部が特に腐り、内部で不正が横行しモラルの低下も激しいが、それを取り締まったり、あらためようとする体制にない。
 警察はどこも同じかと思っていたのですが、著者によると各県警によってずいぶん差があるそうです。優秀なのは東京の警視庁と大阪府警。だめなのが神奈川県警とか京都府警など。大都市の警察は優秀だがその周辺には優秀な警察に入れない人や、他の職からあぶれた落ちこぼれ?的な人が入るからだそうだ。そんなもんかい(^^;?
 以前私が入院したとき同室に警官の患者がいて、彼は新人の陰毛に火をつけるのが楽しい、と言っていたのですが、なんと同じ話が本著に載っていました。これって警察では普通にやってることなんでしょうね(^^;
 また、記者の側にも問題があり警察から情報をもらうのが仕事と思ってる人が多くなっている。それ故に、警察の不正があった場合にも関係を悪くしないために目をつぶるというのが多々あるそうだ。北海道警の裏金を暴いた北海道新聞を著者はかなり評価しています。
 著者は警察を愛する故に本著を書いてる感じなのですが、これを読んで自浄する能力が警察には残っているだろうか?しかし、警察に限らず小泉改革の5年で日本は随分と悪い方に変わったね。
(★★★☆)

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