« 新最近みた映画(83) | トップページ | コラムyokoze「Amazonとの決別」 »

読書な毎日(166)

【サマン】 アユ・ウタミ
 インドネシアでベストセラーになったという女流作家の小説。主人公の女が恋した男はスハルト政権下で、過酷な人生を送った男だった。
 恋愛部分と、過去の描写の部分がやや乖離してる感もありますが、なかなかよくできた小説です。特に拷問シーンは1984年を彷彿とさせます(^^;; 映画化しても絵になるんじゃない。
 ここに書かれている話はつい最近まであった話なのです。当局の方針に従わないものは、共産党のレッテルをはられ、容赦ない追跡と拷問が待っています。役人の腐敗もひどく、ワイロ天国となっています。こういった小説が出版されベストセラーとなるぐらいですから、スハルト下よりだいぶマシにはなってるのでしょうがなかなかすぐにはなくならないものでしょう。しかし、こういう本がベストセラーになるインドネシアって本を読む層は日本より遥かに民度が高いんではないだろうか(^^;
(★★★★)

【インドネシア】 水木 達也
 インドネシアの政治について主に書かれた本。2006年の出版ですので、現ユドヨノ政権についてまで書かれています。
 日本との関わりは密接にも関わらず、日本でのインドネシア報道は少なく政治情勢がどうなってるかというのは正直私もわかりませんでしたが、本著を読んでようやく整理できました。インドネシアは長くオランダの植民地でした。そこに日本軍がやってきて占領。4年程度で日本は敗北し、再びオランダが再植民地化しようとするが、スカルノが独立宣言。5年間の独立戦争を経て1950年に独立(ムルデカ)する。1965年失脚しスハルトが実権を握る。スハルトは1997年に失脚するまで30年以上にわたりインドネシアを治め、以降はハビビ、ワヒド、メガワティと大統領が変わり、初の直接選挙で選ばれた現ユドヨノになっています。
 スカルノとスハルトはどっちがどっちかすぐにわからなくなるのですが、それは私だけのことではなくあのマンデラも間違えたそうだ(^^; あとメガワティがスカルノの娘だったとは知らなかった(^^; ジェンキンスさんと蘇我さんが再会したのもそういえばインドネシアだった(日本のやり方はインドネシアを怒らせたようだが(^^;)。
 スカルノの独裁政権時代についてあまり知りませんでしたが、共産党員を弾圧虐殺しその数は数十万にもなるそうだ。また、アチェや東ティモールの独立運動を弾圧。多くの犠牲者が出ています。しかし、この独裁政権は日本やアメリカであまり批判されませんでした。なぜなら、親米反共の姿勢をとる数少ない東南アジアの国家だったからなのです。
 そのスハルトがつい先日亡くなりました。スハルト独裁政権時代の犯罪について裁判が行われたのですが、結局これは健康問題を理由にとりやめ。ほとんど審理しないままで終わってしまいました。スハルト時代にしっかり、けじめつかなかったことになりますが今後のインドネシアにとって良くないですね。しかし、驚くほどに日本での報道は少なかった。スハルトにはもう触れたくないってことなのかな?
 今回のバリ旅行でタクシーの運転手に1997年にジャカルタに行ったという話をしたら、”暴動の前ですか?”とすかさず聞かれました。あの事件はやはりインドネシアにとって大きなことだったんですね。
 現ユドヨノは今のところけっこうまともな感じです。同じアジアですから、もっとインドネシアに注目していきたいです。
(★★★★)

【男性誌探訪】 斎藤 美奈子
 31誌の男性誌を斎藤 美奈子調でメッタ斬りにする本です(^^;; 雑誌というのは漫画を別にすれば、趣味や興味の対象にまつわるものが多いと言えます。女性の場合はなんと言ってもファッション誌なんでしょうが、男は!? 車、ゴルフ、グッズ(電気製品やその他小物)、そしてファッション、女(^^;? そんなとこでしょうかね。それぞれ、コアなファンを狙っているのですが男性誌ってなんかこっけいで、かっこ悪いものが多いような気がする(^^;
 ネットが一般的になり雑誌はけっこう厳しい世の中になっています。かく言う私も今買ってる雑誌って、”週間金曜日”ぐらいだな(^^; けれど、雑誌には編集して定期的に出て、カタチとして残るという良さがあります。ネットで見ればいいやと思わないで、良い雑誌は買うようにしましょう。そうしないと雑誌文化がはててしまいます。
(★★★☆)

|

« 新最近みた映画(83) | トップページ | コラムyokoze「Amazonとの決別」 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 読書な毎日(166):

« 新最近みた映画(83) | トップページ | コラムyokoze「Amazonとの決別」 »