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新最近みた映画(83)

【こわれゆく世界の中で】 アンソニー・ミンゲラ
 ジュード・ロウ、ジュリエット・ビノシュ、ロビン・ライト・ペン。舞台はロンドン。低所得者が住むキングスクロスの再開発計画を手がける建築家のウィル(ロウ)。彼は北欧出身の映像作家リヴ(ペン)とその娘と暮らしているが、娘は睡眠障害で夜寝ない。リヴも情緒不安定で、ギクシャクした関係になっている。ウィルはあるきっかけで、キングスクロスで仕立て屋をするボスニア移民のアミラ(ビノシュ)と知り合う。
 イギリスの現代の縮図を描いたような映画です。仕事もあり高収入でも、何か満たされない家と心。一方、定職のない低所得者や移民はその日の暮らしに汲々として、それが治安悪化の要因となっています。これはイギリスの話ですが、アメリカそして日本も同じような状況と言って良いでしょう。
 演技派をとりそろえ、監督の演出も見事で非常に完成度の高い作品です。ミンゲラの映画は今のところ一度も私の期待を裏切っていません。次作はなんなのか楽しみです。
(★★★★☆)

【ジェイムズ聖地に行く】 ラアナン・アレクサンドロヴィッチ
 シアボンガ・シブ。アフリカとある村に住むユダヤ教の青年ジェイムズが、村の期待を一身に背負い聖地エルサレムへ巡礼の旅に出る。しかし、着いた途端に不法労働者と間違えられ留置場に。
 聖地ではあるけど、都市であるエルサレムには様々な人が暮らしています。白人のお金持ちであれば不便のないこういう都市では、素性の知れない黒人は実に暮らしにくい。そんな都市エルサレムでジェイムズはゼロから知り合いを増やし、生活の手法を見つけていく。
 コメディタッチでイスラエルという都市の様子、そして人々とユダヤ人を描写しています。パレスチナ問題にはふれていないのですが、イスラエルの雰囲気はよく伝わってきます。とにかく見ておくべき映画と思います。
(★★★★)

【猟奇的な彼女】 クァク・ジェヨン
 チョン・ジヒョン、チャ・テヒョン。電車で泥酔していた彼女(ジヒョン)を介抱したことがきっかけでキョヌ(テヒョン)はその彼女と知り合いになる。美人で魅力的な彼女なのだが、どこか投げやりで暴力的。それには訳があったのだ。
 ずっと、気になっていた映画だったのですがいつもレンタル中でようやくかりれました。韓流ラブストーリーは野暮ったいものが多いのですが、本作は違いました。おおげさでも、クサクもなく非常に自然な感じで良かったです。話題になるだけの映画だと思います。しかし、だからと言ってハリウッドでリメイクしてもだめじゃない(^^;?
(★★★★)

【イラク 狼の谷】 セルダル・アカル
 ネジャーティ・シャシュマズ、ビリー・ゼイン。イラク戦争中、イラク北部でアメリカ軍が同盟国トルコを襲撃、トルコ兵を拉致する。屈辱的な扱いに怒ったポラット(シャシュマズ)は報復を誓う。
 実際に起きたトルコ兵拉致事件からインスピレーションで本作はできたそうで、トルコでは大ヒットしたそうな。米軍は悪役で実に野蛮で冷酷です(^^; もっとアクション映画かと思ったのですが、かなり政治的な映画で、米側では描けないようなイベントが満載。民間人誤射!?、捕虜拷問、自爆テロ、臓器売買、麻薬などなど。しかしこれらは突拍子もない話ではなく、よくニュースや現地レポートなどで聞く話です。ただ表のメディアでは扱われないだけ。これは米国で上映禁止になるわけだ(^^;
 本作は米の同盟国?の日本では公開できないのではないかと思っていたのですが、シネパトスでさびしく単館公開。ところが映画のオフィシャルwebサイトはテロのサイトとしてWebフィルタリングソフトでブロックされていました(^^;;このたびDVDも発売されたのですが、なんとAmazonでは発売からしばらく売り切れ状態。よっぽど米国は嫌なんですよこの映画(^^;
(★★★★)

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