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読書な毎日(163)

【ディーゼル車公害】 川名 英之
 ディーゼル自動車が都市の大気汚染の主因となり、喘息、肺がんなどの呼吸器系疾患や花粉症などのアレルギー性鼻炎の原因となっていることを日本含め世界で発表されている研究結果をもとに告発している本です。2001年1月の出版ですので、ちょっと前の本です。これだけ私たちの生活と関係が深いというのに、大気汚染と自動車の排ガスの関係について書いた本は非常に少ないです。つまり、日本は車優位社会ってことなんでしょう。先に読んで感想文を書いた「安全な空気を取り戻すために」は元行政側の人が書いた本ですので、婉曲的な表現が多いのですが、本著は自身も花粉症に悩まされるジャーナリストが書いた本ですので辛辣です。
 1980年代末には世界的にディーゼル車の排気ガスに多く含まれる粒子状物質(SPM)の有害性が明らかとなり、欧米はこれを規制するようになっています。最近では不妊症や少精子にも影響があるという研究結果も出ています。ところが、日本ではSPMに関しては長らく放置されようやく規制がされるようになったのは1993年のことです。ところがそれ以上にトラックを中心としたディーゼル車が増加していて、ほとんどこの規制は大気汚染の改善には役にたちませんでした。この間日本人の死因のトップは喫煙率が下がっているのに胃がんから肺がんに変わり、喘息児童の数は2倍となってしまったのです。これは国の無策が招いた結果と言って良いでしょう。無策どころか軽油はガソリンと比較して1リットルあたりで約20円も税金が安いので、むしろこちらを使うことを推奨しているようなものとも言えます。軽油が安いのは産業優先からの観点に他なりません。
 石原都知事が"ディーゼル車NO"を打ち出したのが、1999年8月。規制が開始されたのが2003年10月ですので、本著はその間の期間に出されたことになります。本著によるとこの当時はディーゼル車のSPM除去フィルターだけでなく、ロードプライシングも同時にやろうとしていたようです。内容はかなり具体的で、ETCを利用しようとしています。そう言えば慎太郎は2003年の都知事選のときはロードプライシングを公約にあげていたぞ。それがいつの間にか消えてしまいました。
 ”ディーゼル車NO”は導入から4年がたつわけですが、東京の空気ってきれいになりまいたかね(^^;?確かにやらないよりかはマシなんでしょうが、根本的な解決からはほど遠い状態ではないでしょうか。慎太郎の頭はオリンピックでいっぱいで、ロードプライシングは忘れてしまったみたいです。慎太郎の8年で意味のあった政策はディーゼル車NOぐらいなんですから、最後に”ロードプライシング”でしめてほしいものです。
 なぜディーゼル車ばかりと思うかもしれませんが、ディーゼル車はSPMに関してはガソリン車のなんと30倍近くも出るのだそうです。NOx、SOxに関しても数倍出てしまいこれはエンジンと軽油の性質上避けられないのです。この本を読んで以来私にはディーゼル車が毒ガスを撒き散らす悪魔の車に見えるようになってしまいました(^^;; しかし、あたらためて道路を見るとそのディーゼル車の多さに愕然とします。業務用で使っている車両はほとんどがディーゼル車。ちなみに見分け方はエンジン音です。ポコポコ言ってるエンジンはディーゼルです。そして更に驚いたのはほとんどのディーゼル車両には慎太郎マークが貼ってないことです。貼ってあるのは20台に1台ぐらいではなかろうか。様々な除外、緩和措置がとられているので、まじめに慎太郎規制を守ってる車はかなりの少数派ってことなんでしょう。どうりでりんどろが喘息になるわけだ....。
(★★★★)

【エイズ教育のこれから―龍平から子どもたちに伝えたいこと】
 川田 龍平
 日本における性・エイズ教育について書かれた本。世界の特に先進国と言われる国ではエイズは減る傾向にあるのだが日本だけは徐々に増えているそうです。これは日本ではエイズが”一般的ではないもの”として扱われているからで、故に対処法も正しい知識も持っていない。学校でも全く教えない。こうした無策が感染を広げています。
 私もあまり認識していなかったのですが、HIV陽性であることと、エイズを発症することは別のことなのです。HIVが進行し免疫不全を起こした状態がAIDSです。AIDSを発症してしまうと、かなりの確率で死に至るのですが、HIV陽性の状態では薬で抑えていれば大丈夫なのだそうです。川田氏もこのHIV陽性の状態でありAIDSではありません。
 また、誤解が多いのがHIVの感染力についてです。HIVウイルスは弱いウイルスで空気中に出るとすぐに死んでしまうそうです。他人に感染するのは通常、性交ぐらいのものでこれはコンドームで防げます。そのあたりも日本ではよく知られていず、故に今だにHIV患者は差別を受けるという状態にあるそうです。
 本著の出たあと、川田氏は参議院選挙に出馬し見事当選をはたしました。彼の場合は厚生労働省と薬メーカーの不作為により広がってしまった薬害によるHIV感染者です。彼が出馬した大きな要因はもちろんこのことです。同じような構造は今も変わらず、つい最近のタミフルにしろ年金にしろ役人の不作為と天下りの構図が原因となっています。これを正そうとの出馬であり当選だったわけです。なかなか一人でやっていくのは難しいでしょうが彼には期待しています。
(★★★☆)

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