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読書な毎日(162)

【プリンセス・マサコ 完訳 菊の玉座の囚われ人】 ベン・ヒルズ
 講談社が出版直前になって出版をとりやめた本をこのたび第三書館が出しました。本書はオーストラリアのジャーナリストが、雅子妃を中心に書いた皇室ルポ。著者の奥さんは日本人で本著の翻訳もしています。
 本著はかなりの力作で、皇室を中心にかなり幅広く取材しています。著者には皇室に対する変な遠慮というものがないので、実に率直に書かれています。けれど、皇室に対し失礼なわけではありません。
 本著がなぜ出版できなかったかというのはやはり宮内庁の圧力に他ならないでしょう。そのことは同時に出版された野田 峯雄氏の著書を読めば明らかです。宮内庁とその周辺の貴族の残党のような人たちは皇室に寄生して生きていると言っても過言ではないかもしれません。彼らの実態が暴かれてしまったから本著は出版できなかったというわけです。
 王族を残している国は世界にいくつか残っていますが、日本のようなカタチで残っているのはかなり特異です。自由がなく、まさにオリに入れられた天然記念物のような扱い。どこに行くにもおつきのものがついてきて、身の回りの世話さえ自由にできません。
 雅子さんもそうですが、なんとかわいそうな日本の皇室の人たち!涙なくしては読めない悲劇です。彼らは今の地位を望んでいるわけではないでしょう。今まで私はあまり皇室に興味は無かったのですが本著を読み、彼らを助け出してあげたいと思うようになりました。それをするにはやはり”宮内庁解体!”でしょう。しかし、著者によればそれはかなり難しいことのようです。
 本著を変に批判している人たちもいるようですが、宮内庁の職員でもないのになんで本著が嫌なのでしょう?皇室が今のままでいいわけがないではないですか!
(★★★★☆)

【「プリンセス・マサコ」の真実―“検閲”された雅子妃情報の謎】
 野田 峯雄
 本著は主に、原著の「プリンセス・マサコ」から結局は出版中止となった講談社版からどこが削除されたり改竄されようとしていたかということを書いている本です。周辺取材が物足りないのではありますが、宮内庁!?がどこを嫌がったかというのが実によくわかります。彼らは削除だけでなく、明らかに主旨と異なる改竄もしています。講談社版は出版されないで良かったなと逆に私は思いました。
 出版中止の理由を講談社は”著者との信頼関係が築けなくなったから”としていますが、こんな跡形もなく変えられたら誰だって出したいなんて思わないでしょう。しかし、今回の事件もメディアの弱腰ぶりが発揮された事件と言ってよいでしょう。講談社は官僚の圧力に屈したのです。
 しかし、宮内庁+外務省はナニサマだと思っているのでしょう。1ジャーナリストの書いた本をとりあげてなんとオーストラリア政府に抗議しているのです。本著にはその抗議文がのっていますが、なんと恥ずかしい政府なんでしょうね。こういう人たちがマサコさんを鬱に追い込み日本を硬直化させているのです。しかし、日本の官僚制度を解体するにはどうしたらいいんでしょうね。
 本著は「プリンセス・マサコとあわせて一応目を通しておくべきなのですが、780円程度でいい本ではあります。
(★★★)

【官僚とメディア】 魚住 昭
 官僚に主導されメディアが踊る様を、実際にあった事件、耐震強度偽装問題,ライブドア問題,NHK番組改編問題、タウンミーティングなどを紐解きその構造を明らかにしていきます。メディアの世界にいた著者が書いた内容ですので実に説得力があります。
しかし、メディアは操られるというよりある意味、官僚と共存関係にあります。現在のメディアの人というのは高給取りのいわゆる勝ち組で、彼らは今の地位をおびやかすようなこと、即ち官僚や有力者との間に波風をたてるようなことはしないのです。記者クラブ制度に安穏とし、主にそこから出る情報を加工してニュースをつくっています。彼らが恐れるのは”特オチ”と言われる”みんながのせてるのにうちだけ載せてないじゃん!”という記事です。だから日本のマスコミは横並びなんですね(^^;
 本書はもっと話題となり多くの人に読んでもらいたいのですが、メディアの痛いところをついてますので、マスコミ媒体ではとりあげられないのでしょうね。魚住さんのようなフリージャーナリストをもっと応援したいです。
(★★★★)

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