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コラムyokoze「温室効果ガス2050年で半減!?」

 ドイツでのG8サミットが終わった。今回のサミットのテーマは環境と大騒ぎしていたが、結局合意の内容は「温室効果ガス 2050年までに半減 検討」1990年比で50%OFFというとすごいように思えるが、その目標はこのサミットに参加する首脳がすべてあの世に行ってる43年後の2050年。しかもどこの国が対象となりどれぐらい減らすという目安もない。さらにこれは実行するのではなく、”検討”するだけだ(^^; 検討した結果無理そうなのでやめました、と言っても問題がない(^^; これは合意というか適当に誤魔化したと言われても仕方ない。
 もし本気で環境問題に取り組むつもりがあるなら、米国を京都議定書に復帰させ、達成が無理そうな国、例えばマイナス6%どころか8%も増加している日本の尻をたたくなどしなければいけない。ところが2012年の期限が迫っている京都議定書など存在しないかのように、2050年の話をしている。

 この合意内容が今のサミットを象徴していると言って良いだろう。彼らはこの場で何か決めるつもりはなく、とりあえず集まってカメラにおさまり自国民に”世界の首脳の一人”というイメージが発信できればいいのだ。近年のサミットはグローバリゼーションも反対する人が世界中から集まりデモなどが行われる。それを避けるために田舎でサミットは行われ、テロなども警戒するため厳重に警備が行われる。これだけの労力と金をかけているのに、写真をとって顔合わせをするだけのイベントに成り下がっている。まあ、安倍総理なんかは写真を間違えられるぐらい世界では知られていないので記念写真だけでも大きな意義なのだろうが(^^;;

 とりあえずサミットの話はおいといて、日本は2012年までに-14%するにはどうしたら良いのでしょう。政府がまじめに考えていないのはチームマイナス6%のホームページを見れば歴然としています。そこには、クールビズと節電の話しか載っていません。正直言って家庭でも、オフィスでも節電の余地はあまりないでしょう。もっと有効性のある、政策転換をしない限り-14%は不可能なのです。というわけで、ここで私がチームマイナス14%のための施策を提案してみます。


1)自家用自動車の排出量を減らす。公共交通機関や自転車をできるだけ利用するようにする。

 自動車を持っていない人の場合はあまり関係のない話ですが、自動車を持ってる人はなるべく車を走らせない、できれば自家用車を持たないという方向に持っていくような政策をつくるのです。炭素税を導入して燃料費を上げるのも良いでしょう。また都市部に限って自動車税を上げもともと乗らないでも不便のない人に車を買わせないようにするというのも良いでしょう。電球を消して部屋を暗くしたり、冷房の温度を上げて暑い思いをするより、車でショッピングセンターに買い物に行き渋滞にはまってる方がはるかに温室効果ガスの発生は大きいです。しかし、政府は自動車業界に配慮して絶対に”自家用車にはなるべく乗らないようにしましょう”とは言いません。
 環境省の資料を見てもわかるように、自家用自動車の排出量は1990年比で52.6%も増えています。自動車の燃費自体は1990年比でむしろ良くなってるはずなのにこんなに増えているというのは、無駄に車に乗る機会が増えているという以外に説明のつけようがありません。ところが、慎太郎3環状線をはじめとし、政府はまだ道路をじゃんじゃんつくろうとしています。これではますます自家用自動車からの排出量は増えてしまうでしょう。政府のやるべきは、自家用自動車から公共交通への転換をすすめること。例えば路面電車を東京でも復活させるなどです。また自動車用の道路ばかりでなく自転車用の道路もつくればいいのです。米ポートランドでは自転車用のレーンをつくったことにより自転車の利用が300%も増えたそうだ。
 一方、新車の販売台数の関しては31年前のレベルに低迷している。その要因は既に国内市場が飽和しているのもあるが、都市部において車なしでの生活をする人が増えていることもあるだろう。実際都市部に住んでいると車に乗るのはせいぜい週に一回。その他の時間は車庫に置いてあるだけだ。そのために維持費や駐車料金にお金を払うのがもったいない。既にこういう傾向が出ているので政策的な後押しがあればこの流れは進む。自動車メーカーにとっては考えたくも無いシナリオだろうが(^^;;


2)自然エネルギーの利用を拡大する

 温室効果ガスを大きく減らしている国は何をやっているかというのを見れば日本の方策も自ずと見えてきます。ドイツは既に-19%も減らしているのですがその大きな要因が風力発電にある。ドイツは既に電力の5%を風力でまかない、これを20%まで増やす予定です。一方の日本は風力発電にはかなり消極的で電力会社はほとんど自前の風車をたてていません。風車自体もデンマークやノルウェーなど風車先進国の設備ばかり。そして、日本にある風車のほとんどが、第三セクターや市民風車、民間のエネルギー会社によるものです。なぜかと言えば、電気が余っているのに原子力発電所をつくる予定があるからです。だから風車なんか立てる余地が彼らにはないのです。
 発電中にCO2が出ないからと言って、原発は環境にやさしい温暖化に効果のある発電方式である、と言ってる研究者や政治家もいますが、これは大きな間違いです。原発はウラン採掘から精製、輸入そして廃棄物の処理で大量のエネルギーを必要とします。また放射性物質、被爆する人たちをすべての過程でうみ、最終的に処分のできない廃棄物ができてしまいます。熱効率はすべての発電方式で最も悪く、大量の余剰熱を放出し海を暖めています。これのどこが環境にやさしいのでしょうか(^^;?
 太陽光発電も有力な自然エネルギーと言えます。今のところ日本の太陽光発電ユニットは世界一なのですが、この分野は今技術革新が進んでいるところで他国の追い上げが激しくなっています。半導体のシリコンバレーは今や、太陽電池のシリコンバレーになりつつあるとか。ところが、日本国内では政策的に太陽光にはほとんど力を入れていません。家庭への太陽光発電設備の助成もなくなってしまいました。これはやっぱり、日本のエネルギー政策が原発中心になっているからに他なりません。日本政府のエネルギー関連の予算のなんと9割以上が原発なのです。
 さて、家庭でできる自然エネルギーの活用は実は限られています。太陽光パネルはもちろんそうなのですが、補助金なくなっちゃったしね。朝日ソーラでイメージ悪くなってしまったけど太陽熱温水器もかなり省エネになります。ペアガラスの窓にするなど、断熱効果をあげるのも効果的。


3)リサイクルよりリユースをすすめる そして地産地消

 リサイクルと言うと聞こえはいいのですが、リサイクルするためにエネルギーをつかっていることが多いので、できるものはリユースすべきでしょう。例えば、飲料のボトルは今ではペットボトルが中心となっていますが、自宅で入れた水やお茶をマイボトルに入れて運ぶのが最も環境にやさしいのです。またビールなどもリターナブルビンのビールを買うべきです。中身は一緒というよりか、ビンの方がおいしい。
 マイバッグやマイはしもリユースです。紙オムツもできればやめて布にしたほうがいいでしょう。
 フードマイルという言葉をご存知でしょうか。食べ物が生産され、消費されるまでの距離のことです。遠ければ遠いほど、運搬に多くのエネルギーが使われていることになりますからできるだけ、自分の近くで生産されるものが良いのです。できるなら家のすぐ近く、同じ県、そして日本にあるものを食べるべき。値段が安かったとしても外国産を買うのは環境負荷が高いのです。


 最初はこんな大作を書くつもり無かったのですが、書いてるうちに長くなってしまいました。この辺で今回は了とします。


○温室効果ガス 2050年までに半減 検討 サミット各国温暖化対策で合意
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007060802022587.html

○環境省 2004 年度(平成16 年度)の温室効果 ガス排出量について<概要>
http://www.env.go.jp/council/06earth/y060-35/mat01_1-1.pdf

○シリコンバレー、日本に挑戦状 ハイテク太陽電池攻勢
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20280907,00.htm?tag=nl

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