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新最近みた映画(77)

【エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?】 アレックス・ギブニー
 不正経理のはてに2001年12月に破綻したエンロンのドキュメンタリー。経理操作やエンロンという会社の業態にまつわる話が多いので、ある程度の予習が必要な映画かもしれません。私も見ていて、なんでエンロンにトレーダーがいて何やってんのかな?というのがよくわからなかったのですが、実はエンロンの主力事業がこのエンロン・オンラインであり、エンロンを破綻に導いたのもこれだったようです。エンロン・オンラインとはつまりなんでもオンライン取引することで、モノやエネルギーだけでなく、信用や、将来展望みたいなものまで数字の上でだけで取引するシステムのことで、ブツがなくても買い手が存在すれば取引が成立してしまうのだ。つまりなんでも証券化し、ギャンブル場にしてしまうということ。エンロンは一応エネルギー企業ですが、自作自演で電力危機を起こし電力市場を高騰させ大儲けをもしていました。エンロンはギャンブルの胴元みたいなものですから儲かってるのかと思いきや乱脈経営がたたり実は大赤字を出していたのです。それを隠すため、監査会社のアーサーアンダーセンとグルになり、マスコミも政治家もとりこみいんちき会計報告を出していました。それがついに隠せない状況となったのが2001年12月。優良企業だったはずのエンロンはあっというまに破綻してしまいました。
 本策は重役たちの人間ドラマとしても楽しめます。いつまでも”知らない”という人、早めに逃げる人、自殺してしまう人など。
 日本で言うところのライブドアとよく比較されるようですが、ライブドアとは企業規模が全く違うし、ライブドアは破綻しそうなのを隠していたわけではありません。ライブドア問題が起こった時点の財政状況に問題はなく、過去のある時点の経理操作に問題があったとされているのです。だからエンロンをライブドアと同じ!と言うのはエンロン事件の矮小化以外のなにものでもないのです(^^;;
 この映画見て、私もエンロン事件について随分知らなかったなとあらためて感じました。調べて見たところエンロン問題に関する本はたくさん出ていますので、もっと勉強してみたいと思っています。知らなかったのですが、ジム・キャリー主演の「ディック&ジェーン」という映画はこのエンロン事件をモデルにしたものだそうですので、是非とも見たい。
 しかし、エンロン事件の教訓はなんだったのでしょう?SOX法という余計な法律ができましたが、これが機能したところで、エンロンのような事件は防げません。ただし、この法律により上場している大企業は余計な仕事(コスト)が増えたことは確かです(^^;
(★★★☆)

【ロスト・イン・トランスレーション】
  ソフィア・コッポラ
 ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン、ジョヴァンニ・リビシ。ウイスキーのCM撮影のため来日したやや落ち目のハリウッドスターのハリス(マーレイ)は異国の街東京でやや身の置き所のなさを感じる。日本滞在中に同じホテルに泊まる人妻シャーロット(ヨハンソン)と知会う。彼女はカメラマンの夫について東京にきたアメリカ人だが夫は仕事が忙しくてかまってかまってくれない。
 舞台となるホテルは新宿のパークアハイアット。ここはハリウッドセレブが良く泊まる場所で、本作も監督のコッポラの体験をベースにしているそうだ。舞台は新宿と渋谷が中心で、ヨハンソンは京都にも行きますが全般的にエキゾチックな変な街と人の東京が映し出されています。
 結婚25年目のマーレイの夫婦と結婚2年目のヨハンソンの夫婦のおそらく東京という街が映画の撮影がしづらい場所(規制などが多いから)手持ちカメラで撮ってるのでしょうが、その映像はドキュメンタリーチックな雰囲気をつくっています。思ったより低予算で小規模な映画でしたが、本作が受けたってのは東京にもけっこう魅力があるってことかな?
(★★★★)

【裸足の1500マイル】  フィリップ・ノイス
 ケネス・ブラナー、 デヴィッド・ガルピリル。1931年のオーストラリアが舞台。オーストラリア政府はアボリジニの子どもを親から引き離す隔離同化政策をとっていた。14歳のモリー、8歳のグレイシー、10歳のデイジーの3人の少女は故郷のジガロングから1500マイルも離れた場所に連れていかれる。収容所のような集団生活に嫌気がさした3人は母のいる故郷へうさぎよけフェンスをたよりに歩きはじめる。本作は実話を元にしています。
 隔離同化政策というものがあったこと自体私は知りませんでしたがこれはなんと1970年代まで行われていたのだそうだ。白人の裕福な家庭で育った方がアボリジニの子どもも幸せだろうという、キリスト教的な独りよがりの善意によるものだそうだ。と言いつつも肌の白い子を選んだりなんてシーンが本作にも出てきます。
 ちなみに札幌-沖縄間で1400マイルにしかなりません。水も食料もなくどうやって1500マイルも歩いたのかと言うと、道中で様々な人々に助けてもらったからのようです。ちなみに以下ネタバレですが、せっかく故郷に戻ったのにこの後モリーらは再び元の場所に戻され、そしてまた故郷まで歩いて戻ったのだそうだ。しかし、なんという根性というかなんというムゴイことするんでしょうか。余計な善意ほどタチが悪い。
(★★★★)

【ウディ・アレンのバナナ】 ウディ・アレン
 ウディ・アレン、ルイーズ・ラサー、カルロス・モンタルバン。日本未公開の1971年の映画。フィールディング(アレン)はしがないサラリーマンつまらない毎日の彼の家に活動家のナンシーが署名を求めて訪ねてくる。思想信条などはどうでもよく、フィールディングはナンシーにひとめぼれする。彼女の気をひこうとするうちに中米?独裁国家の革命軍として戦うことになる。
 バナナというのは原題でハバナすなわちキューバのことなんでしょうね。本作はアレンの初期作品ですが、今でも古さを感じさせないブラックユーモア満載の映画です。アレンにはコメディアンのセンスがあるな、と本作をみて再確認した次第です。
(★★★★)

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