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読書な毎日(155)

【技術空洞】 宮崎 琢磨
 ソニーに中途入社し約10年間勤め、失望し退職したエンジニアの手記。本書はソニーに限らず最近の大会社の変遷を象徴するものと言えるでしょう。年功序列を崩し、すぐに出る成果ばかり追い求め、モノヅクリや研究をおろそかにし、イメージばかり先行させる。見かけの業績を上げるため?首切りをし、残って欲しい人ほどどんどんやめていく。責任者のはずの人は、責任をとらずしばらくすると何事も無かったように戻ってくる。
 もともと私はソニー製品を好みません。何故ならソニーは独自規格にこだわり、変にお高いところがあるからです。しかし、そういうソニーが好きな人がいるのも理解できます。そんな、私も最近のソニーは元気がないなと思っていました。ソニーと言えばウォークマンであり、ハンディカムであり、バイオでありました。ところが今やソニーの目玉と言えるものが無くなってしまいました。一方で金融や保険など、ソニーのブランドを使って製造業とは関係ない分野にも手を広げています。著者はバイオ事業部にいた人ですが、本著ではそのバイオの最盛期から没落までの道程がかなり詳しく書いてあります。
 いわゆる技術サイドにいるエンジニアにとって本著に書いてある没落の歴史はヒトゴトではないでしょう。もちろんすべての製造業がこうではないでしょうが、日本の製造業の多くはこの路線を進んでいるのです。
 今のソニーを象徴するエピソードが出ています。iPodを追撃するためソニーの社運をかけて製作し発売したWalkman A。その製品発表のとき壇上に立った3人のお偉いさんのうち、ストリンガー会長ともう一人のおじさんは、なんと上下逆さまで製品をかかげていたのだそうだ(^^; これは彼らが製品に対する最低限の興味もないってことなんですよ。前出井会長についてもけっこう書いてあるのですがなかなか手厳しい。私もあのスノッブ会長は嫌いでしたが(^^;
 ソニーの深刻さを物語るエピソードはこれに尽きずたくさん出ていますが、それも著者がソニーに愛着があったからでしょう。彼の無念さが本著から伝わってきます。本著の苦言を受け止めれないようならソニーもおしまいでしょうね。
(★★★★)

【ハチドリのひとしずく】 辻 信一 (監修)
 アマゾンに伝わる言い伝えを絵本にしたものと、環境問題に関する各界の人のコメントなどをまとめたもの。坂本龍一、C.W.ニコル、中嶋朋子などが言葉をよせています。
 私的にはもっと大判にして絵本の部分だけで良かったのではないかなと思います。しかし、そうするとおそらく大人は手に取らないのでこの話がこんなに有名にはならなかったのだろうけど。というわけで、こども向きに絵本版のみ出すといいのではないかな。
(★★★)

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