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コラムyokoze「長崎市長選 市民は何を選んだか」

 あの奇怪な長崎市長選をめぐる出来事について、地元の長崎新聞が10回にわたる連載記事を載せていました。

○市民は何を選んだか 急転 長崎市長選
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/senkyo/date/2007/touitu/kikaku10/01.html


 公平公正!?な新聞なのでこの記事にははっきりと”あの選挙はおかしかった!”とは書いてないのですが、いくつかの興味深いエピソードが載っています。


1)歯切れ悪い裏金への対応:”裏金の処理に関する質問に、顔を一瞬こわばらせた。田上は立候補の会見で、職員による裏金の返還を否定した。”

 → 彼はお役所益を守るために出馬したのでは。この裏金問題には伊藤一長もからんでいたようだ。


2)一夜で長崎中にポスターをはってしまった驚くべき組織力:”田上陣営はわずか一夜で、ほとんどの選挙掲示板にポスターを張り終えていた。なぜ短期間で選挙態勢が整うのか、どうして無名の新人を財界が応援するのか、周囲に「田上をよろしく」の声が高まっていくのはなぜか-いくつもの疑問が頭の中を駆け巡った。 「バックに誰がついてるんだ」。高石は情報を求め、「選挙通」といわれる人たちに電話をかけまくった。だが、田上の組織、運動の全体像は何らつかめない。ただ、その「勢い」だけは誰もが感じていた。嫌な予感がした。”

 → 選挙に強い組織が動いたとしか考えられない機動力。まとまった力もなく、選挙経験のない市民団体にポスターを一夜ではる能力はない。


3)横尾氏の奇妙なマイナスイメージが流された:”「ニヤニヤしている」「横柄だ」-。立候補表明の記者会見における横尾のマイナスイメージが口コミで広がり、陣営にも届いた。それ以降、横尾の表情から笑みが消えた。””映像で切り取られた横尾の人物像は、ネットや口コミで瞬く間に広まった。だが、会見に出た報道陣はそれに気付かず、後で周囲の反応に驚いた記者も少なくない。”

 → ニヤニヤしているという点でははるかに田上氏の方がニヤニヤしていたのだが(^^;


4)余裕の黄ジャン運動員:”同じく最終日の午後。市の繁華街に近い中央公園の一角で、黄色のジャンパーを着た十人ほどの運動員が談笑していた。「あと五時間半しかない。そろそろ行きませんか」。候補の田上富久は不安になって声を掛けた。「みんな疲れてますから。候補も今のうち休んでください」。運動員は意に介さず、弁当を広げ始めた。それから約三十分。ようやく重い腰を上げた。””選挙戦最終日。街頭で田上を取材する報道陣に対し、陣営の一人が割って入った。「あなたたちに話しても一票にもなりませんから」”

 → たった二日しかない選挙戦なのになんでこんなにのんびりできるのか?マスコミをむしろ遠ざけるのは何故か?


5)横尾氏の票が田上氏の山に分類されていた怪:”同十一時半すぎ。分類を終えた票の山は、明らかに田上優位だった。報道各社は次々と「当確」を打ち、田上の選挙事務所は拍手と大歓声に包まれた。ところがしばらくして、横尾の票が急に伸び始めた。田上の票の山に、横尾の分が紛れ込んでいたらしかった。最終的には九百五十三票差。田上にも、報道陣にとっても薄氷を踏むような勝利だった。”

 → 通常このようなことは起きえない。開票作業で怪しいことをしていたと疑われても仕方がないだろう。


3)地域で大きな差が出ていた;”本紙出口調査などによると、地縁、血縁を基盤とした「情」のつながりが残る市周辺部や七十歳以上の高齢者層において、田上に大きく差をつけた。”

 → かといって都市部で田上氏が有名ということもない。なんで都市部で田上氏が強いの?


4)過去最低だった投票率:”「地盤(後援会組織)」「看板(知名度)」「カバン(金)」のいずれも持ち合わせない田上の勝利は、従来の選挙の常識を覆した。ただ、これが今後、普遍化していくかは疑問だ。両者の票差はわずか九百五十三票。全国の注目を浴びながら、投票率が過去最低だった前回を2・35ポイント下回る55・28%にとどまったのは、評価が定まらなかったことの表れだろう。”

 → これだけ注目を集めている選挙なのに、投票率が過去最低というのはおかしすぎる。投票率が最低だったのに市民の力が動いたことになっているってのもおかしい。

 この長崎新聞の記事を読んでわかるように、当初無名の田上氏は泡沫と見られていた。しかし謎の組織力に吸い寄せられるように長崎政財界の人たちが集まっていったようだ。
 田上氏の実績として長崎さるく博というのがあげられているが、これはハコモノなどをつくらず長崎の町自体のピーアールを半年間するというイベントです。このイベントは成功したことになっていますが、収支や入場者など見に見えるかたちに出にくいイベントなので、成功とも失敗とも言えないようなものでしょう。田上氏は一課長に過ぎず、このイベントのホームページなど見てもどこにも名前が出てきません。このイベントで大きな影響力を発揮していたのは選対部長となっていた企業コンサルタントの武田龍吉氏。実態としては彼が田上氏をかつぎあげたのではなかろうか。とにかく、田上氏が市民の代表でないことは確かでしょう。

 横尾氏側にも問題が無かったわけではない感じだ。まず、長崎政財界への根回しが足りなかったのと、新聞記者という肩書きが怖がられたのだろう。地元とほとんどしがらみのない横尾氏が市長になったら今までの伊藤氏と築いた地域有力者たちの人脈は切れてしまう。けっこう手強そうな記者だし、出てはまずい話を探られるかもしれない。その恐怖から横尾氏への拒否反応が出たのだろう。市役所も、裏金問題含め同様だ。もし、副市長や伊藤氏の妻、あるいは娘だったら間違いなく当選していただろう。この選挙はだから、横尾氏への”世襲”批判ではなく、”しがらみ”を守る防衛本能が発揮された選挙で、そこにまんまと謎の選挙組織(^^;が滑り込んだという構図なのだ(^^;; つまり”市民”は敗北し”しがらみ”は守られたのだ(^^;;

○選対本部長 武田龍吉氏 が出ているさるく博のページ
http://www.sarukuhaku.com/producer.html

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