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読書な毎日(153)

【てっぺん野郎】 佐野 眞一
 石原慎太郎が2003年、二期目都知事選の当選後に出版された本。読もうと思っていて、忘れていて今頃読みました。 この本を思い出したきっかけは慎太郎と霊友会の関係を探っていた過程で本著からの引用があったことによります。
 本著は慎太郎の祖父まで遡って父の潔のこともかなり詳しく取材してあり、やっとという感じで慎太郎と裕次郎に到達します。佐野氏ならではの豊富な取材による大作です。
 父の潔は船会社に勤め、若いころは人足を仕切って樺太で材木の積み下ろしの仕事をしていた労働者でした。宴会が大好きで芸者をあげて派手に遊び、若くして亡くなるのですが、会社へのツケと退職金が相殺されぐらいの豪傑(^^;?だったそうです。その息子二人、裕次郎と慎太郎ですが、子ども時代は金に不自由をしたことはなく、高校生時代には既に飲む打つ買うをする立派なボンボンに育っていました(^^; しかし、裕次郎と慎太郎は種類の違うボンボンで、裕次郎はまわりの目をほとんど気にしない豪傑タイプ。慎太郎はキョロキョロまわりをみながらコソコソッとやる臆病タイプです。彼らの人生が変わってしまうのは、父の死でした。若いころの無理がたたってか父の潔は早死にします。前述の通り遺産はゼロ同様でした。放蕩息子二人はまだ学生。潔の知り合いたちが援助をしてくれるのですが裕次郎の豪遊グセは直らず、家計は火の車。そこで一発当たったのが慎太郎の「太陽の季節」だった。この暴力小説(^^;は慎太郎のルックス込みで社会現象となり映画化されます。このとき慎太郎と一緒にいた裕次郎も目をつけられ映画に出演。慎太郎以上の大人気となり、国民的アイドルとなるのです。
 私がこの本を読むきっかけとなった慎太郎と宗教の関係についてここにまとめます。まず慎太郎の母、光子が”世界救世教”という手かざし系の新興宗教に入れ込んでいました。その息子二人もその道場に連れて行かれ自然と信者となります。特に慎太郎の方は、その道場を仕切っていた人の娘の典子と10代の頃から不適切な関係となり(^^;典子が17歳慎太郎が23歳のときに結婚します。正に宗教カップル(^^; その後、参議院議員出馬の際に霊友会の教祖と懇意となります。慎太郎が参議院となった全国区選挙で300万票とったそうですが、そのうちの100万票は霊友会票と見られているそうです(^^; つまり、慎太郎も一応宗教家なわけです。宗教家なのになんであんな人を差別するような暴言をしょっちゅう吐いたり隠し子つくったりしているのか不思議ですが、これらの新興宗教は現世利益を重要視するご利益宗教。つまり自分さえよければいいという宗教だから不都合はないのです。なんでこういう宗教に何百万も信者がいるのか不思議ですね。
 文学者としての慎太郎は太陽の季節が原点というかそれ以上の伸長がないようです。レイプして崖から突き落とすとか燃やすとかスーフリも真っ青みたいな話ばかりです。もちろん創作も入っているでしょうが、それらのエピソードは裕次郎とその仲間たちの体験談を慎太郎が文章化したものだそうです(^^; つまりこれらの本を読めば彼らがどんな若者だったかということがわかるのです。しかし、裕次郎ファンと言われる人たちは裕次郎がこんな人だって知っていたのですかね(^^? 実は裕次郎ファンのコア層も霊友会(^^:?
 本著は発行から約3年が経過した今読んでも衝撃の内容。週刊誌ネタにすれば毎週書いても書ききれないほどのスキャンダルが満載です。なのになんで話題にならないのか。それはやはり彼と出版、マスコミ業界との関係が深いからなのでしょう。慎太郎の本は評価はされないものの出せばそこそこの部数が期待できるようです。まあ、これも宗教票かもしれないのですが(^^; 例えば太陽の季節は新潮社から出ていますので、週刊新潮にスキャンダルを暴かれるということはないのでしょう(^^;
 慎太郎、彼という人間は何をやっても器用にするが超一流まではいかないようです。頭の回転は速いが飽きっぽく持続性がない。虚栄心は強いが、何事にも臆病で顔面チックはその象徴。オカルト好きで、例えば来週公開の映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」にも挿入されているエピソード。死んだ特攻隊員がホタルになって帰ってくるという話が大好き。息子は溺愛のレベルを超すぐらい大好き。裕次郎へのコンプレックスは今も消えることがなく、何をやってもかなわない豪快な裕次郎がトラウマになっている。こんなところでしょうか。一言で慎太郎を言えば、人望は無いが憎みきれない餓鬼大将といった感じになるようです。
 本著を読むとわかりますが、慎太郎は知人や知識は多いが人望はありません。人を統率できないタイプの人間で、だからこそ自民党で派閥をつくれなかったし、新党を立ち上げることもできないわけです。東京のお山の大将が関の山だったということだ。彼は爪のないタカだったわけで、それほど恐れるべき政治家では無かったのだな。
 本著で核爆弾になるかもしれない浜渦問題として一節書いてあるのですが、その核爆弾も北朝鮮核実験のように不発で終わってしまいました(^^; というわけで、今の情勢では慎太郎がスキャンダルで退任するということは恐らくなく、彼が倒れないかぎり4年も慎太郎都政が続くわけです。
 次の4年は今の継承ですが、慎太郎は都政にはかなり興味を失ってる感じですので、たいしたことはしないでしょう。そして次の4年。やはり息子の長男あたりを出すつもりではないだろうか。かわいい息子のために飽きっぽい彼はあと4年、都知事を続けるのだと私は思います....。
(★★★★☆)

【反戦軍事学】 林 信吾
 自称軍事オタクの著者が書いた軍事学!? オタクだからこそだと思いますが、書いてある分野にはけっこう偏りがあります。軍での階級、拳銃、小銃、機関銃、自衛隊、そして歩兵(陸軍)に詳しい感じでそちらの方面を中心に書いてあります。従って、海軍、空軍についてはあまり記述なし。私はどっちかと言えば空軍系のオタクでしたので(^^; 本作には知らないことがけっこう載っていて勉強になりました。例えば自衛隊の小銃の性能がすごく悪いとか、自衛隊の中の階級社会とか。
 著者がなぜ反戦かと言えば、軍事を知れば知るほどに戦争がとはやってはいけないものとわかるからだそうです。確かに知れば知るほどに兵器のおぞましさを私たちは知ることになるでしょう。また、小林よしのりや核武装派の人たちの本を引用し、揚げ足取りをしています。これらはもともとほとんど読むに値しない本と思われるので、そういう無駄なことにページをさかないでもいいのになと私は思いました。
(★★★)

【お笑い米軍基地】 小波津 正光
 沖縄在住の芸人が書いた本。沖縄の知られざる場所や風物。そして米軍などについて多数の写真を交え面白おかしく?紹介しています。私も沖縄は3回ぐらい行ってますが、そこでは見えなかったものがほとんどで面白かったです。
 こういうネタをやってる芸人が沖縄にいるとは知らず、是非とも本土でも流行ってほしいですが、基地をちゃかすとメジャーなところからは敬遠されちゃうのかな(^^;;ザ・ニュースペーパーと提携するのはどうかな?
 ”訓練するな!”という抗議のたて看が一番笑えた(^^;
(★★★☆)

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