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コラムyokoze「一斉に田上新長崎市長を持ち上げる怪」

 横尾氏が破れ、新しい田上長崎市長が誕生したが、これを政府広報筋の政治評論家らが手放しで持ち上げている。
 田中秀征「市長選挙で示した長崎市民の判断に心から拍手を送りたい」、「立候補を決意したときのインタビューで、彼の誠実な人柄や並々ならない覚悟が伝わってきた。投票権のない私でさえ、この人が市長になればよいと期待感を抱いた。」。
 田原総一朗「これはこれからの新しい時代の選挙を象徴する現象だったと思う。」「市役所の課長の田上(たうえ)富久氏が当選した。日本にも民主主義が一定程度成熟してきたのだな、と感じさせる選挙だった。」

 彼らに限らず、政府広報機関のNHKなども同じ論調だ。世襲政治を拒否し、市民の候補者が選ばれた。しかし、今回の選挙は弔い合戦だったのだろうか?まず、99%当選するであろう候補者が選挙中に殺されたのだ。これは正に民主主義の危機と言ってよいだろう。
 選挙中に候補者が殺されるなど想定していないのだろうが、普通に考えればここは仕切りなおし選挙とすべきだろう。それができないから、今回はそのまま後継候補を立てるしかなかったのだが、なんと後継が二人もたってしまうという奇怪な現象が起こった。凶弾に倒れた市長の後援会も親族も支持者も推す横尾氏。そして突然出てきた、市の課長の田上氏。普通に考えれば、なんで田上氏は出てくるの?というところだろう。これの説明として田上氏が言ってるのが世襲批判である。世襲だって!? 世襲というのは親の地盤を引き継ぐことである。今の総理なんか正にそれ。しかし、今回は候補者が殺されたのだ。そして急遽人選され、結果として前市長の後継として適したのが娘婿だったのだ。これは世襲ではない。
 横尾氏は市政経験がないとも批判されているが、課長だって市役所に勤めてるだけで市を治めているわけでない。田上氏だって政治家としては経験ゼロで未知数の人物だ。田上氏は市民が推したということになっているが、はたして市民が現役の市役所課長を推すだろうか?そんな素晴らしい人ならおそらくとっくに課長なんかやめて、堂々と普通に立候補しているはずだ。田上氏がこのタイミングで出た理由は2つ考えられる。1)どうしても横尾氏が市長になるのはまずかった 2)この混乱状態なら自分が当選するチャンスがあるかもしれないと思った。 田中秀征の言うような誠実な人だったら、火事場泥棒よろしく市長の座を奪うなんてことをするだろうか?
 しかし、田中秀征も田原総一朗も何を見て田上氏が素晴らしい人物であると判断してるのだろうか。田中秀征なんかは立候補決意のインタビューだけでビビッときてしまったようだ。きっと田上氏には神がかり的な何かがあるのだろう(^^;

 普通の政治評論家ならこの選挙については次の点を指摘すべきだろう。1)凶弾で候補者を奪った非道 2)仕切りなおし選挙のできない公職選挙法の問題点 3)1万5千票もの無効票が出たのに、千票以内で決着してしまった選挙結果の正当性。 ところがこの二人はこれらの問題点について全く言及していない。つまりこの3点は政府が触れてほしくないポイントなのだ。

 田原総一朗の言う「新しい時代の選挙」はある意味正しいかもしれない。当選確実の候補者を殺し、泥棒選挙で勝たせたい候補者を勝たす。とんでもない時代になったものだ...。

○田中秀征:長崎市民の賢明な判断に敬意
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/shusei/070426_26th/

○田原総一朗:統一地方選で仕掛けた小沢民主党「次の一手」
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/tahara/070426_9th/

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