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読書な毎日(145)

【裁判員制度はいらない】 高山 俊吉
 2009年より行われることが決まってしまっている裁判制度について、こんなもんいらない!という本です。著者は弁護士で、もちろん反対派です。本著はやや感情的な面があるけれども、法律の素人が読んでもわかりやすい文章となっています。このとんでもない制度を知るための導入として読むには好著でしょう。
 私も裁判員制度については成立してしまったのは知っていましたが、具体的にはほとんど知りませんでした。本著とこの法律の条文を読むことによりこれがいかにとんでもない制度かというのがわかりました。アメリカの陪審員制度のようなものかなと私も思っていたのですが全く異なります。陪審員制度は、被告がこの制度を使うかどうかを選択できます。つまり司法が自分に不利な判決が予想されるときのための市民の防御策のための制度なのです。で実際、アメリカはこの陪審員制度をしょっちゅうやってるのかと思ったらわずか数パーセントの割合だそうです。つまり陪審員制は例外的な裁判なのです。ところが日本の場合は殺人事件や強姦事件など凶悪犯罪がすべて対象で例外的に司法の判断で扱わないことがあるのだそうだ。また陪審員制は素人たちだけで、有罪か無罪かを判断するだけなのですが、裁判員制度は裁判官3人、素人6人という組み合わせで量刑まで決めてします。つまり、死刑とか懲役20年という判断をするのだそうだ。法律の素人がプロの裁判官と対等に話せるはずがありません。つまり裁判員制度というのは嫌な裁判の判決の責任を素人にも分散して負ってもらおうという程度のものなのです。
 さて、私たちが気になるのはもしこの貧乏クジに当たってしまったらどれぐらいの負担になるのかということでしょう。通常の凶悪犯罪(^^;?だとだいたい連続して5日ぐらいの拘束になるそうです(長ければその倍ぐらい?)。当然ながら会社を休まなければなりませんが、なんと裁判員に選ばれたということは会社の上司と家族にしか言ってはいけないのだそうだ(^^; あの人最近来ないな?と思ったら裁判員かもしれないのです(^^;; 病気など特別の理由がなければ裁判員を拒否することはできず拒否した場合は懲役刑が待っています(^^;; ちなみに日当(いくらになるかは未定)と交通費は出るようですが、有給を使って休まなければいけません。この貧乏クジに当たるのは裁判員だけでなく、まさかのときのために選ばれる補助裁判員もそうなのです。彼らも審理を傍聴しなければならず、裁判員が審理できなくなった場合に途中参加するのだそうだ。そして晴れて裁判が終わったとしても、裁判員だったよ、というのは言ってもいいけど何が審理されたかは永久に語っても文書にしてもいけないのだそうだ。もし言った場合は懲役(^^;; まじめに実直に生きていても貧乏くじを引いたばっかりに永久に語ってはいけないヒミツができてしまうのです。こんな変な制度があっていいのでしょうか。ちなみにこの貧乏クジをひく確率は6人に1人だそうです。裁判官は自分で選択した職業ですし、それなりの給料ももらっていますが、素人裁判員はどうせ数千円の日当程度でしょう。そんな弁当代ぐらいで、グロイ写真を見たり、”ブスッ心臓に刺したから殺意があったかもしれない”などという話に5日間もつきあわなければなりません。また、死刑判決の重荷を背負わなければならなかったり、判決を下した人の仕返しがあるかもしれないと怯えたりしなければならないのです(裁判員は裁判官の隣に座らなければいけないので、被告から顔を隠すことはできない)。こんな裁判員制度はもう成立してしまっています....。
(★★★☆)

【世界を見る目が変わる50の事実】 ジェシカ・ウィリアムズ
 表のメディアではあまり紹介されることのない事実が具体的な数字とともにコンパクトにまとめて書いてあります。「70ヶ国以上で同棲愛は違法。9ヶ国では死刑になる」、「インドでは4400万人の児童が働かされている」、「米国に生まれる黒人新生児の3人に一人は刑務所に送られる」など、私のようなマニア?でも知らない話が載っていて、勉強になりました。グローバリゼーション、そして格差がこういった問題を助長し、ますます大きくしています。
 著者は英国BBCのジャーナリストです。この切れ味は日本人はもちろんのこと、米国人のジャーナリストも出せないのでしょうね。非常に読みやすく書かれていますので、多くの人に読んでもらいたいです。こういう本を読んだことない人は正に世界の見方が変わることでしょう。
(★★★★☆)

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