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読書な毎日(144)

【闇権力の執行人】 鈴木 宗男
 衆議院選挙に新党大地として当選したあとの2005年12月に出版された本。主に外務省についての驚愕(^^;の内実について実名で書いてあります。闇権力の執行人とは官僚のことを指しています。外務省について書かれた本は何冊か読んでいますが、その権力中枢にいた議員が書いた本ですので、迫力と真実味があります。特権意識にあぐらをかき蓄財に励む執行人たちが描かれています(^^; 本著を読んでいると外務省にはほとんど何も期待できないことがよくわかります(^^;;
 宗男バッシングと逮捕容疑についても書いてあります。宗男は疑惑のデパートなどとキャッチフレーズもつけられてしまいましたが、結局立件されたのは、やまりんの斡旋収賄罪が主のようです(これを含め計4件の容疑で一審は懲役2年)。この「やまりん」の斡旋収賄罪というのは、「やまりん」が賄賂を贈る見返りに違法伐採をしていたという容疑。この違法伐採が問題となった当時、献金を受けていた議員や知事は一斉に返金し、誰も捕まらなかったそうです。ところがその3年後、突如宗男だけが捕まったのです。 騒がれていたムネオハウスなどその他の疑惑は結局立件できなかったものがほとんどのようです。このムネオハウスは外務省が意図的に間違った情報を共産党に流し、国会で質問させたと見ています。
 これら一連の事件を宗男次のように分析しています。外務省は知りすぎている宗男と邪魔なマキコをぶつけて両方とも退治したい。一方の検察はその当時、検察の裏金問題が出てきそうだったのでそれを打ち消したいという思惑があったのだそうだ。つまり本件は、宗男を陥れるための国策捜査だった。
 宗男は検察の調書を1つも認めなかったためなかなか保釈されず、437日も収監。戦後の逮捕された国会議員で最長となったそうです。現在は保釈され控訴中でまだ刑は確定していません。私も宗男は潔白だとは言いませんが、この程度の口利きは自民党議員なら誰でもやっていることでしょう。むしろ宗男は北海道という地元を大事にし、ロシアとの関係改善に尽力していたなかなか得がたい政治家だったと思われます。一緒に捕まったラスプーチンこと佐藤優も同じことを言ってますが、宗男が捕まることによって日露関係は振り出しに戻ってしまい、北方領土返還はかなり遠のいてしまいました。
 松尾課長のことも書いてありますが、あの事件は彼に責任を全部ひっかぶせてしまったというが実態らしい。キャリアたちはまんまと逃げてしまっています。あのときあんなに騒がれた外務省改革はいつの間にか消えてしまいました。本著を読んでもう一度みなさん怒りましょう!そうしないと日本は売国奴官僚の好き放題になってしまいます。
(★★★★)

【タイゾー化する子供たち】 原田 武夫
 著者は東大キャリアの外務官僚だったが、外務省で働いていることにもどかしさを感じ辞めて著作活動と講師活動をしているそうだ。30代とまだ若いのに特典満載の外務省を見限るとは信念のある人なんでしょう。
 タイゾー化というのは「突然の、段取りなき成功」を求めることで、今や東大生もみんなそんな感じだそうだ。努力して地道に研究なんてあほらしい、一発当ててやる!的な人が非常に多くなっている。つまり、タイゾーのように宝くじに当たりたいということなのだ。ちなみにそのタイゾーはフリーターであることを売りにしていましたが、実は医者のボンボンで働かなくて食えるような家庭に育ち、そして国会議員になったのです。つまり彼は格差社会の上流にいた人間なわけです(^^; 食うや食わずのフリーターだったら自民党だって名簿に入れたりしないのです。
 本著の話に戻ります。著者は日本の現状を憂えています。その元凶はアメリカの属国化している日本政府。特に外務省。みんなアメリカの方ばかり見ていて、人材もお金もみんなアメリカに流れていく。このままでは日本はだめになる。それを防ぐために日本でエリート教育を行いアメリカに対抗できる人材を育てるのだ!というのが本著の結論です。彼は正統派ナショナリストと言えるのでしょう。前段の人材もお金もアメリカに流れているというのは事実です。例えばプロ野球選手もそう。学生は外資系企業ばかり狙っている。お金の面では日本の金融機関は大量のアメリカ国債買ってるし、日本企業はアメリカ企業にどんどん乗っ取られています。ここまでは私も全くその通りと思うのですが、それには優秀な人材をピックアップしてエリート教育するんだ、というのにはちょっと賛同できませんね。優秀な人材というのはある程度の基盤があれば自分で学習するのでエリート教育なんてものは必要ない。むしろ、義務教育が受けられないような状況や子どもが遊べる環境を奪ってしまうことが問題です。現状でエリート教育なんか持ち込んだらお金持ちしかその機会を得られずますます格差社会になっていくのでは、というのが私の思いです。
 教育の現場は教育とは関係ない、規制や規則、そして脅威に汲々としています。家庭でもストレス、学校でもストレス。こんな状況では安心して勉強なんかできやしません。この状況こそなんとかしなければいけない、と私は思います。
 彼のような人物がやめてしまう外務省というのは本当に末期症状なんだなと思います(^^; しかし、小林興起本、宗男本、本著と読みましたがみんな底流に流れているものは同じ。日本の属国化と硬直した官僚主義が問題なのです。
(★★★☆)

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