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読書な毎日(131)

【ライブドアショック・謎と陰謀】 大村 大次郎
 元国税調査官が暴く国策捜査の内幕というサブタイトルがついています。ライブドアに強制捜査をしたのは東京地検でしたが、あれは強制捜査をするような事件だったのか?明確な法律違反だったのか?著者は国税調査官、すなわち脱税を告発するお役人だったわけですが、同じお役人から見てあの強制捜査は異例のことだったそうです。
 まずホリエモンが逮捕された容疑ですが、どれをとっても明確な法律違反なものはない、と著者は言っています。確かにグレーゾーンをついてはいるが、法律違反ではない。法律の抜け穴を通ろうとする人たちは、明らかな法律違反はやらないと著者は言います。著者の見たところライブドアはむしろクリーンな企業の部類に入るそうです。
 言われている粉飾決算についても、通常粉飾決算をやる会社というのはつぶれそうなのを隠すためにやるものです。ライブドアの場合は昇り調子の会社でした。利益を多めに計上すると、税金が増えるので普通会社は利益を隠そうとします。これが脱税で、ライブドアのような粉飾は今まで日本にやる会社はいなかったし、これで逮捕された経営者もいなかったのです。それをいきなり強制捜査というのはやはりやりすぎで、”注意勧告”などをして改められないなら、逮捕すればよいのです。
 株価吊り上げの風説の流布というのも、企業は企業価値を上げようとして合併したり、計画を発表したり、新製品出したりしているのですから、そんなことで逮捕されたらたまったものではありません。ちなみに今回ホエリモンにインサイダー取引の容疑は出ていません。なぜならインサイダー取引だったら一発で逮捕だからホリエモンはそんなことはしていないのです。
 というわけで本著を読んでみれば、ホリエモンが逮捕された根拠がかなり怪しいとわかります。ホリエモンは今も獄中ですが、著者はホリエモンは微罪か、無罪に終わるだろうと見ています。そんなホリエモンをなんで逮捕したかと言えば、やはりそれは他の事件を打ち消すためだった、と著者は見ています。特に耐震偽装の問題です。結局耐震偽装も防衛庁も、ホリエモンうやむやになってしまいましたね(^^; つまり無情の小泉総理が自分が助かるためにホリエモンをイケニエにしたというストーリーなのです。
 ちなみに沖縄で死んだホリエモンのお友達は自殺と著者は見ています。なぜならああいう場面で金庫番が自殺する場面を何度も見ているからだそうです。一方のフルフォードはあれはヤクザ殺と見ていますがね(^^; つまり、こういう場面のよくある自殺は実はいつもヤクザ殺なんじゃない(^^;
 まあ、とにかくホリエモンバッシング一色の報道に一石を投じる本著を是非読んでみてください。
(★★★★☆)

【100%ムネオマガジン】 イーストプレス編
 鈴木宗男をテーマにした本。松山千春との対談。娘の鈴木貴子さんのインタビューなどが載っています。ムネオバッシングのときは悪の政治家の代表みたいな扱いでしたが、新党大地での政界復帰後はマスコミへの露出も増え、外務省を中心とした悪と闘う政治家ムネオというブランドができてしまいました。本著はそのブーム?の最中に出た本です。松山千春との熱い友情、娘の父親愛などがあふれた本です。松山千春のお父さんはなんと共産党なんだそうです。なのになんでムネオを応援していたかというと出身校が同じという縁とムネオの人柄に惚れてのことだったのです。ムネオバッシングの最中、獄中でも常に彼を応援していたのが千春だったのです。
 ムネオの選挙応援で一躍有名になってしまった娘の貴子さんですが、あの応援もパパが好きだったからというのが本著からわかります。身内や近い友人からこれだけ慕われているのですからムネオは人間的魅力がある人なんだと思います。
 本著からはわかりませんが、政治家としてのしたたかさも持っていて、自民党を破滅に追いやるようなことはムネオは今のところ言ってません。おそらく機会あれば彼はやはり自民党に戻って、自民党議員として政治をやりたいのでしょう。もう自民党なんか見切りをつけて北海道を日本から独立させるぐらいの気合でいいと思うんですけどね。
(★★★)

【NGO、常在戦場】 大西 健丞
 ピースウィンズジャパン(PWJ)の代表、大西さん初の著作。著者がなぜPWJをつくったのか、そして何をやってきたのかということが書いてあります。PWJは最初キルギスタンの援助からはじまっていて、今や世界に何箇所も拠点がある日本を代表するNGOになっています。元は数人ではじめたNGOでしたがなぜここまで大きくなったのか。それは代表の集金力によるものなのでしょう。日本政府をはじめ、大企業などから数千万円単位の大きな資金を引き出しています。PWJの転機となったのはやはりあの宗男の恫喝事件と言ってよいでしょう。この事件についても本著に書いてありますが、宗男を権威的な政治家として批判しています。
 組織を大きくした大西さんですが、彼のやり方はワンマン社長みたいな感じ。登場人物は呼び捨て。不思議なことに彼の友人と呼べるような人は本著には一人も出てきません。すべて部下(^^; だからこそこのNGOは大きくなったのかもしれませんが....。
 災害が起きるとすぐに現地にスタッフを派遣、資金をとりつけ物資を送り込みます。各国NGOとシノギを削り、日の丸を打ち立てて援助を行う。その様はNGOというより、軍隊か商社かという感じです(^^; タイトルに戦場という文字が入っていますが彼らの行く場所は大抵危険な地域です。つまりは政府のできない危険な仕事を請け負っている人たちなのです。本著にはムネオ批判はありますが政府批判と言えるような部分がほとんどありません。イラク戦争についても、”911が起こった時に、私はアフガン経由でこれはイラクまで行くぞ”と思ったみたいな書き方をしています。こんな戦争を起こしてはいけない、という批判精神はゼロで世の中はそういうものだという妙に冷めた感じです。本著の元となった大西さんのコラムがスタジオジブリの会報誌に載っていたというのはきっと偶然ではないのでしょう(^^;;
 NGO、NPOと言った場合にマスコミは一緒くたにしていますが、PWJは政府のやりたくない、できない仕事を政府の変わりにするNGOと言ってよいでしょう。つまり政府側NGO。私の知人のいるNGO、NPOとPWJが全く交流ない訳が本著を読んでよくわかりました(^^;
(★★☆)

【この時代に異議あり】 鎌田 慧
 著者が新聞雑誌などに最近書いたコラムや論文をまとめたもの。タイトルの通り、小泉政権や企業ジャーナリズムの批判などが中心となっています。第三文明という学会系の雑誌に、週刊新潮批判はかなり辛辣です。そういえば、新潮はよく学会を批判してますもんね(^^; 新聞が書かないネタを夕刊紙や週刊誌が書くのでこれらの雑誌に存在意義はあるのですが、あまりにもいい加減な記事が多すぎます。しかもそういう記事はたいてい、反抗できない弱者を叩くもので、これも今の日本社会を象徴しているのかもしれません。
(★★★☆)

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