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読書な毎日(121)

【物語 オランダ人】 倉部 誠
 オランダ在住の日本人が見たオランダについての手記。意外とオランダについて書いた本は少なくこれはそのうちで1番新しいものです。
 普通こういう本はその国を誉めているものが多いのですが、本著の著者はオランダに住んでるくせして(十数年在住)オランダに対して不満の多い人物。オランダの良い点より悪い点の方がたくさん書いてあります。そうなるのはこの著者のキャラクターによるところも大きいと思われます(^^; 著者は東京理科大出身のエンジニアで最初は三菱自動車、続いてビクターに勤め、現在は大会社はやめているようです。ジャパニーズカイシャニンゲンを象徴するような人物で、ゆったりしていて命令に従わないオランダ人が気に入らないのも当然のことでしょう(^^; なのに、オランダに今も住み続けているのは、そのオランダの生活が深層心理では気に入ってるからに他なりません。納得できないオランダと、実は気に入っているオランダが葛藤しているのが本著なのです(^^;
 オランダ人はケチで自己中心的で異質な人を排除する、というのが著者の言い方。またオランダ人は日本人が嫌いなんだそうです。何故かと言えば、第二次大戦のときオランダの植民地だったインドネシアを日本に奪われたからだそうだ(^^; たぶん、オランダ人は日本人が嫌いなのではなく、著者のような人が嫌いなだけだと私は思います(^^;
 このようにオランダ人に対する嫌味がたくさん書いてあるので読んでいて楽しくはないですが、片寄った日本人が見たオランダがどう見えるか興味ある人は読んでみて(^^;; 在住者だけあって確かに参考になる情報はたくさん載っています。ちなみに奥さんは日本人好きのポーランド人だそうです(^^;
(★☆)

【オランダモデル―制度疲労なき成熟社会】 長坂 寿久
 こちらは前著とは対照的にオランダをほめちぎっている本です。出版が2000年とやや古いでのすが、本質的には今のオランダもこのままでしょう。
 オランダは国土がせまく、資源もないという具合に日本と同じ境遇です。しかも狭い国土は海抜が低いので、彼らは温暖化による海面上昇を危惧しています。環境問題の先進国と言うと北欧やドイツが有名ですが、オランダもかなり意識の高い国です。もともとオランダは風車で有名ですが、現在も風力発電設備が数多く導入されています。ちなみに原発は一基しかなく、廃止が決まっています。
 一時期日本でもワークシェアリングという言葉だけ流行りましたが、オランダではそのワークシェアリングが実現しているのだそうです。日本がモデルにしていたのもこのオランダのやり方だったようですが、全く定着していませんね(^^; オランダでは週休三日の人がたくさんいて、収入が減っても家族や育児を優先させる働き方が多いのだそうだ。また、夫婦で2人分ではなく、働く時間を減らして1.5人分の収入を得るという働き方をしている人も多いそうだ。日本は今だに過労死する人がいるぐらいで、このレベルに到達するのはまだまだでしょうね(^^;;
 オランダについて書いてある本は少ないので本著はオランダについて知りたかったら必読でしょうね。
(★★★☆)

【記憶の中の一番美しいもの】 カレル・フラストラ・ファン ローン
 著者はオランダ人。本作もオランダ予習のつもりでかりたけど帰ってきてから読みました。本作は18カ国語に訳された世界的ベストセラー小説だそうだ。主人公の男の妻は病死し、一人息子がいる。妻の親友と今はつきあっているが、男は先天的に子どもができない体だった。この息子は誰の子なのか?
 産まれた子どもは女にとっては間違いなく自分の子どもだけど、男はその確信がありません。そういう男の根源の不安みたいなものをよく突いています。本著によると医学的にも夫よりも、間男?の方が妊娠する確率が高いのだとか。
 自分の愛した妻から産まれた子どもは自分の子で無かった。父は誰なのかもう妻はいないので、聞くこともできない。この子の父親は誰なのか。空しい男の探求がはじまる。
 もし、そういう事実がわかったら男はどうするのでしょうか。もし奥さんが生きていたら問い詰める人がほとんどでしょうが、本著の主人公のように奥さんが亡くなっているのに父を探すのは少数派ではなかろうか。逆に子どもはほとんどの場合真の父が知りたくなるのでしょうが。
 お父さん!あなたの子どもは本当にあなたの子?似ているからと言うだけでは.....。しかし、今が楽しい家族なら、あやしいと思っても変に詮索しない方がいいでしょうね。
(★★★☆)

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