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読書な毎日(117)

【ドキュメンタリーの力】 鎌仲 ひとみ、金 聖雄、海南 友子
 3人のドキュメンタリー映画監督が語る、なぜ、どうやってこの映画をとったのかという手記。鎌仲監督は「ヒバクシャ」、金監督は「花はんめ」、海南監督は「にがい涙の大地から」。このうち私が見たのは「ヒバクシャ」のみです。それぞれの映画を簡単に紹介すると、ヒバクシャは日本の原爆のヒバクシャ、イラク劣化ウラン弾のヒバクシャ、アメリカ・ハンフォードの核施設周辺のヒバクシャなど主に低線量被曝についてのドキュメンタリー。花はんめは川崎に住む在日一世の朝鮮人のおばあちゃん達のドキュメンタリー。にがい~は中国で日本軍が遺棄した毒ガス兵器の被害に苦しむ人たちのドキュメンタリー。
 ドキュメンタリー映画と言えばマイケル・ムーアが有名ですが、彼のおかげもあってドキュメンタリーという分野の注目度が上がっています。ドキュメンタリー映画業界においても、機器の進歩によって、一人でカメラマンから編集まで可能になっています。この3本のうちでも、にがいは監督一人でDVで撮影したものです。ヒバクシャにもDV映像が使われているそうです。このように、ドキュメンタリー映画は少ない資金で撮影が可能となり、監督の作家性を強く出すことも可能になっています。見る側はあまり意識することはないですが、どういったカメラでこの映画が撮られているかというのはある程度意識した方がよいのでしょう。撮影クルー何人も連れてでっかいカメラを肩にかついでいるのと、手持ちのDVカメラではその圧迫感は全く違いますから。
 とにかく本著で扱っている見てない2本はなんとかして見たいですね。最近、日本軍の毒ガスのニュースが増えていますが、その問題提起の端緒となったのはこのにがい涙という映画ではないかと私は思います。日本のテレビドキュメンタリーはナマクラになってしまって久しいので、映画ドキュメンタリーにがんばってもらいたい。エネルギーのある人は自分で撮るぞ!ぐらいの意気があってもいいかもしれませんね。
(★★★★)

【米国先住民族と核廃棄物―環境正義をめぐる闘争】 石山 徳子
 米国先住民族と核廃棄物の関係について歴史的経緯から問題点についてまで後半に書いてある論文です。先住民族と核廃棄物に何の関係があるのでしょうか?先住民族はもともと、アメリカ大陸の環境のよい場所に住んでいました。しかし、彼らはインディアンと呼ばれ移民に追い立てられていきました。そして住みにくい場所に住むようになり、そこはインディアンすなわち先住民の居留地となりました。本著で扱っているスカルバレイのゴーシュート部族もその一つで、特に第二次大戦以降、近隣地域も含め化学兵器の実験場、核兵器の実験場、各種廃棄物の捨て場所としてこの地域が使われてきたそうです。そんな場所ですから、産業は何も育たず、農産物がつくれるわけもありません。そしてゴシュート部族がした究極の選択が核廃棄物の受け入れだったのです。原発などで出る核廃棄物はどこも受け入れたがりません。そこで手を上げたのが彼らだったのです。けれどその決断も簡単に進まず、部族内での対立があり、ユタ州も反対するという状況となります。また、環境団体も受け入れを表明した彼らを非難します。
 この問題には大きく2つのポイントがあると思います。1つは彼ら先住民を不遇な立場に追いやってしまったこと。もう一つは捨て場のないゴミをつくってしまったことです。原発のゴミの問題は日本も同じで今だに捨て場所が決定していず、原発敷地内に溜め込んである状態です。日本もアメリカと似たような感じで、迷惑施設を一箇所つくるとどんどんそういった施設が集まってきていまいます。
 原発のゴミを出さないようにするにはどうすればよいのか?原発を止めればいいのです。ちなみにアメリカは核兵器製造の関係上廃止とまでは行ってませんが原発の新規建設はしないことになっています。なぜか、あまりにお金がかかりすぎてコストに見合わないからです。その昔、日本では”原発は安い電気”と宣伝してたんですがね(^^;
(★★★☆)

【ジョン・レノン】 マイケル・ホワイト
 中学生向きぐらいの音楽の伝記の一冊。ベートーベンやモーツアルトに並んでジョン・レノンがあったので借りてしまいました。ジョン・レノンも偉人伝に入ってしまいましたか(^^;
 ジョン・レノンについて断片的には知っているものの、彼の生い立ち、そしてビートルズからジョン・レノンへという流れは知りませんでした。本著は中学生向き?ということもあってか平易なわかりやすい文章で写真も豊富でなかなか良い本でした。
 後年のレノンはオノ・ヨーコとセットとして登場しピース系ミュージシャンの代表みたいな感じになっていましたが、最初はもちろんそんなことはなく。紆余曲折を経てあそこに辿りついたのです。ポール・マッカートニーとの出会い、ビートルズの誕生、世界ツアー、ビートルズの解散、オノ・ヨーコとの出会い、そして暗殺。
 あの暗殺は謎の部分が多いですが、本当に惜しい人をなくしてしまいました。彼がいたらその後の世界情勢は今のようになっていなかったのでは。偉大なミュージシャンはそれだけ影響力が大きいのです。だから、政治家も軽視できない。あの暗殺は政治的なものだったか今もってわかりませんが、あの事件自体世界に与えた影響は大きかった。政府の言うことを聞かずに平和活動なんかするやつは殺されるかもしれない、と思わせたからです。ガンジーやキング牧師も暗殺されてしまいましたが、ジョンレノンもその域までいっていたのでしょうね。
(★★★★)

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コラムyokoze「続ロンドンのテロ」

 不可解さを増すロンドンのテロ。イギリス当局の発表にはおかしな点が多々含まれる。犯人は特定され4人の自爆テロとされたが、使用された爆弾に関する発表がない。IDカードを携帯していたというのに(普通自爆テロをする人はIDカードなど持ち歩かないし、リュックに爆弾を入れたりしない)彼らの背後関係、やテロ組織のことが何も解明されない。彼らは自爆テロをしたというより、テロに巻き込まれたというのが正解だろう。それを示すかのように2週間後に空爆弾が爆発した。この事件について詳しいことがほとんど報道されないのも実に不思議なのだが、厳戒態勢の中起きたこのテロは”いつでもできるぞ”という警告と”4人は無関係”というメッセージと取ってよいだろう。その翌日には警察の誤射により市民が殺害された。この誤射事件も当初は”テロ関係者を射殺”と発表していたのがイギリス当局である。

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新最近みた映画(51)

【モーター・サイクル・ダイアリーズ】 ウォルター・サレス
 米映画。ガエル・ガルシア・ベルナル 、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ。チェ・ゲバラが24歳のときに友人のアルベルトとともに南米大陸をバイクで縦断したときのゲバラの手記をもとにつくられた映画。当時のゲバラはハンセン病を研究する医大生で、この旅行は南米大陸を見てみたいという冒険心から計画したもの。その旅の過程で様々な人と出会い、彼が革命家となるきっかけとなった旅とされています。と言っても、有名な指導者に感化されたというわけでなく市井で暮らす様々な虐げられた人々に会い、彼は自分の知らなかった世界を知るのです。
 爽やかな雰囲気を持った映画で、見ている人も旅をしている気分になることでしょう。一口に南米と言ってもあの大きさですから様々な地域があります。そしてそこには人々が暮らしています。せわしないというわけではないのですが、2時間という映画の枠ではちょっと各エピソードが短いかなと感じました。
 友人のアルベルトは今も健在で、この映画の撮影に同行したのだそうです。カストロも健在ですし、ゲバラは歴史の1ページとなるほどまだ昔の話ではないのですよね。現在、ゲバラが革命家として活躍する映画”チェ”がつくられているそうで、そちらも期待しています。しかし、ゲバラはこんなに人気があるのに、カストロが今ひとつ人気低いのはどうしてかね(^^;? やっぱゲバラがイケ面で早く亡くなってしまったからかね。
 ゲバラが主人公なのに、本作はアメリカ映画。なんでだろう?と思ったらサンダンス映画祭をつくったR・レッドフォードが製作ということで納得。しかし、サンダンス映画祭はハリウッドが見向きもしない話題作を毎年掘り出しますよね。
(★★★★)

【バッファロー・ソルジャーズ 戦争のはじめかた】 グレゴール・ジョーダン
 ホアキン・フェニックス、アンナ・パキン、エド・ハリス。英・独合作映画。ベルリンの壁崩壊前夜のドイツに駐留する米軍。戦争のない軍隊は何をやっているのか!?911により公開が延期されたというけど911とは直接的には関係ない内容。確かに軍隊のとんでもないコメディのような実態が描かれてはいますが。本作は、フィクションかと思って見ていたのですが、原作があってそれはなんとアメリカ軍の告発本なのだそうだ。多少映画用に脚色はされているのでしょうが、それにしてもひどいですね。アメリカ人は皆この映画見た方がいいですよ。
 そもそも軍隊というのは戦争がなければやることがないので、演習(戦争ごっこ)ぐらいしかすることがないのです。そういう状況が長く続けば組織もだれてきて、不正やる人もいるだろうし、昇進ぐらいしか興味がなくなるってことになるんです。だから、たまには戦争があった方がいいというのが軍隊の常態になってしまうわけで、軍隊があるから戦争が起こるのです。
 本作の邦題は”戦争のはじめた”となっていますが、内容表してないんじゃない?むしろ”軍隊のたのしみかた”とか”軍隊をおいしくしゃぶる方法”とかいう方が良くない(^^;?
(★★★★)

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コラムyokoze「8/1から新宿区でも禁煙条例」

 千代田区での路上禁煙条例をかわきりに各地で路上禁煙条例が施行されていますが、ついに新宿区でも8/1から禁煙条例が施行されます。

http://www.city.shinjuku.tokyo.jp/division/380300hozen/machibikataisaku/forum/no_smoking.htm

 喫煙所以外での喫煙を禁止するという厳しいもので、公道なら家の前で吸っていても条例違反になってしまいます(^^;; ただ罰則、罰金などはないのですが。

 禁煙条例について調べてみたところ、いつの間にかこんなに増えています(^^;

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/life/li550801.htm

 なんか魔女がりみたいでいやですね....

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コラムyokoze「ロンドンのテロ」

 ロンドンでサミット中にテロがあった。国連常任理事国もそうだが、サミット議長国というのも実に偏ったメンバーである。どちらもイスラム圏の国は存在しない。オリンピックにはイスラム圏の国も参加はできるが、イスラム圏の国で開催したことはない。なのにロンドンは3回目で選ばれた。それが理由でテロが起こったというわけでもないだろうが、このような不公平なシステムが横行しているのが現在の世界だ。
 ちなみにロンドンは世界一の監視カメラ国家だ(人口に対する監視カメラの台数。堂々の2位は日本)。しかし、今回のテロでは何の役にも立たなかった。監視カメラを増やせば治安は守れるというのは、監視カメラ会社の宣伝コピーにしかすぎない。

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コラムyokoze「都議選雑感」

 やっぱり盛り上がらない都議選だったが、思ったより投票率は良かった。民主党が躍進し、二大政党化が都議会でも進んだという報道だが、民主党が奪った議席のほとんどが、共産党やネット、無所属が持っていたもので、自民党に迫ったということでもない。構図としては国政選挙と同じではあるが。とにかく政党の寡占化が進んでいる。これは多様な意見を拾いあげる土台がなくなるということで好ましいことではない。
 ちなみに選挙男は目黒区の最下位。結局は泡沫候補となった。2ちゃんねるの力とはせいぜいこの程度なのだ。2ちゃんねる自身に力はなく、マスコミにいいように利用されているというところなのだろう。やはり本当に選挙に出るなら、もっと準備期間をもってやらねばいけない。マスコミの風頼りではいけない。選挙男もこれに懲りずにまた再挑戦してもらいたい。

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コラムyokoze「続選挙男」

 さて明日は都議選ですが、争点がなにやらサラリーマン増税になってるようで(^^;? 自民党議員も反対する演説しているので何の意味もないですが(^^;
 選挙男ですが、あいかわらずマスコミでは無視されている状態のようです。前回のコラムに補足しておきますが、選挙男が選挙に出馬表明したあたりで、2ちゃんねるで選挙男板は消えてしまいました。なぜかと言えばお上が、選挙男を好ましく思わなかったからで、2ちゃんねるに警告が届いたかどうかはわかりませんが、結果として2ちゃんでは選挙男のことが書けなくなってしまったのです。だから、ライブドアなどのblogに選挙男板は移ったのです。つまり2ちゃんは何でもありのように思われていますが、お上には弱いのです。まあ、2ちゃんが閉鎖されても今回のように他に移ればいいだけですけどね。
 とにかく、今回の選挙男は当選するしないに関わらず、日本の選挙にとっては革命と言えるでしょう。今後はこういここともたまに起き、そのうち当選者がうまれるという時代になると私は思います。今や、ネットは特別な世界ではありませんから。既成勢力が崩壊するときは、矛盾を無理して押しとどめているから、それこそダムが決壊するごとく一気に押し寄せることになるでしょう。

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