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読書な毎日(114)

【日本軍の毒ガス兵器】 松野 誠也
 かつて日本軍が毒ガス兵器を開発し実戦で使っていたという衝撃の事実を調査した本です。その開発の経緯から実験、製造から実戦での使用。更に敗戦時のこれらの兵器の遺棄からその後の遺棄毒ガス兵器の被害までと、日本軍の毒ガス関連のトピックについて広範に調査されています。
 毒ガス兵器(化学兵器)や生物兵器と言うと731部隊が実験をしていたという話が言われていますが、日本が使っていた毒ガス兵器はこれだけでは無かったのです。習志野に毒ガス兵の養成学校をつくり、毒ガス兵器工場は全国に数箇所つくられ、量産されていました。実戦でも日中戦争で中国に対し広範に使われていたのです。実験的どころではなく一回の戦闘で数千発の毒ガス砲弾、数百の毒ガス発生塔、毒ガス爆弾が使われていました。しかもクシャミ嘔吐性のガスだけでなく、窒息性、糜爛性のガスも使っていました。毒ガス兵器による死者は戦闘員、非戦闘員も含めて数万人規模と推測されています。だから、あれだけ大量の遺棄兵器が掘り出され被害が出ているのです。
 毒ガス兵器はこの当時も既に国際的に禁止兵器となっていました。日本軍もそれがわかっていたので証拠を残さないようにこれを使っていたのです。けれどアメリカに対しては使っていません。なぜなら、アメリカも毒ガス兵器を持っていたので報復を恐れていたのと、やはり中国人に対する人種差別なのでしょう。
 なぜ日本軍が国際批判の危険を冒してまでこの毒ガス兵器を使ったかと言えば、その効果の高さと値段の安さからです。日中戦争当時で既に日本軍は物資不足の厳しい戦いをしていました。毒ガス兵器を使わないと戦線を維持できなかったのです。
 日本軍の毒ガス使用がなぜ今まで表に出なかったかと言えば、アメリカがその使用を知っていながら追求しなかったからです。何故なら自分たちも毒ガス兵器を使う可能性を残したかったからです。おかげで毒ガス関連の戦犯はその責任を問われることはありませんでした。これが今になって表に出てきたのもアメリカが日本軍の毒ガス兵器についての情報を公開したからなのです。
 日本軍が中国で何をしていたかということはほとんど日本の戦争史では出てきませんが、こんなひどいことをしていたのです。戦争にきれいも汚いもないとも言いますが、国際的に禁止されている毒ガス兵器をこんなに大規模に使っていたことに驚きました。
 反日デモがなぜ起きるのかと言えば、この毒ガス戦に象徴されるように日本軍が中国でひどいことをしていたからです。日本は加害者なのですから、彼らが許してくれるまで謝り続けるしかありません。
(★★★★☆)

【新宿二丁目ウリセン物語】 飛川 直也
 新宿二丁目は世界でも有名なゲイタウンとして知られていますが、そこでウリセン。いわゆる男のデートクラブをやっている店のオーナーが書いた手記。ウリセンと言ってもその形態はいろいろあって、著者の店はゲイではないノーマル(業界用語でノンケと言うらしい)の男の子を取り揃えていて、相手が男でも女でもかまわない。連れ出しも泊まりも可というシステムだそうです。
 この業界に入ってくる人も様々で、家出少年やお金に困っている少年、単にお金を稼ぎたいという少年もいるそうです。つまり女と同じってことですね。この業界も容姿と年齢は重要だそうで、35歳ぐらいが限界だそうな。また、ゲイもひとくくりにはできずいろんなタイプがいて、女性の体に近づけようとするのもあれば、女装するだけの人、同姓を好くが外見は男のタイプなどあるそうです。知らない話がけっこう多くてなかなか勉強になりました。
(★★★)

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