« コラムyokoze「効率優先」 | トップページ | 読書な毎日(114) »

読書な毎日(113)

【9・11ジェネレーション―米国留学中の女子高生が学んだ「戦争」】 岡崎 玲子
 アメリカのチョート高校というエリート学校に留学した著者が体験した911。アメリカの学生が911を経験して何を感じたのかというのが感じられてなかなか興味深い本でした。著者は日本人なので第三者的な視点で911をアメリカから見ています。あれはアメリカ人にとってははじめて”攻撃された”と感じた出来事だったのです。だからエリート高の理性があると思われる人たちでも、理性的に判断できなかったのです。
 911陰謀説というのもあります。つまりあの事件は、アメリカが起こしたというもの。一見これは荒唐無稽にも思えるのですが、ブッシュ政権にとって911という事件は明らかな追い風になっています。これだけでも911陰謀説は根拠をもつわけです。いろいろと説明のつかないことが911にはあります。ツインタワーが両方とも跡形も無く崩壊してしまったり、その事件調査もいい加減だったり。
 本著を読んでいて、堤さんの「グラウンドゼロがくれた希望」という本と印象が重なりました。方や社会人、方や学生という違いはありますがアメリカという国に理想と希望を持っていた二人。それが911の崩壊とともに崩れてしまった。彼らのことを911ジェネレーションというのでしょう。さて、これからのアメリカそして日本はどこを目指しているのか。
(★★★☆)

【戦場の現在(いま)―戦闘地域の最前線をゆく】 加藤 健二郎
 戦場の現在というタイトルですが著者の戦場体験記といった感じの内容です。自らが様々な地域での紛争に従軍しての体験記です。
 戦争と言ってもその環境は同じではありません。暑かったり寒かったり、都市だったりジャングルだったり。著者はもともと外人部隊に入りたかったそうですが、目が悪くて採用されなかった。そして仕方なく戦場ジャーナリストになったという経緯があります。しかし彼は戦場ジャーナリストには違和感を持っています。ただの野次馬にすぎないのではないかと。
 戦争をいろいろ体験すると、戦争に飽きてくると著者は言います。一時期戦場ジャーナリストをやめようとも思ったそうですが、今のジャーナリズムに疑問を持ち続けているそうです。昨今の戦場報道は、強者の側から撮られることが多くなっている。戦争をする当事者もメディアの力をよく認識していて、上手に利用しようとしているが、そのお膳立てにそのまま乗っかって報道していることが多い。そんな中著者は誰も撮ろうとしない戦争の側面を撮ろうとしているのです。
(★★★)

【風力発電入門】 清水 幸丸
 最近日本でも風力発電が増えていますが、風力発電とはどういったもので、日本で世界でどのような状況であるかということが書いてある本。内容は広範で、風力発電について一通り知るに好適な本です。
 現在風力発電のトップランナーと言えるのは北欧を中心としたヨーロッパです。日本の風車もほとんどが北欧製で一番多いのがデンマーク製だそうです。日本はこの分野、政府が消極的なこともあってかなり出遅れてしまっています。風車の延びが大きいのはヨーロッパでもここ20年ぐらいのことですが、風車にとっての技術革新がこの20年であったそうです。大型風車の開発、風車用ブレードの開発などにより風車で安定的に電力を供給できるようになっています。洋上風力発電というのもヨーロッパではつくられはじめています。
 日本ではなぜ風力発電がすすまないのか。理由はいくつかあります。風況に関しては海に囲まれていることもあり問題ありません。一番大きなのは電気の供給者がほぼ電力会社に限定されていて、他から参入ができなかったというのが大きいでしょう。日本の電力会社は原発という規模が大きくお金もかかる発電方式を主力にしようとしています。電力需要はここ最近延びなくなっていて、もう新たに発電設備をつくる必要も無くなっています。こんな状況では風車をつくる理由が電力会社にはないのです。実際日本に立っている風車のほとんどが、風車専門の発電会社だったり、市民風車だったり、地方自治体が立てたものです。これらの風車はなにも酔狂で立てられているわけではなく、きちんと採算がとれているものがほとんどです。風車技術が上がり値段も下がったおかげで風車はお金を生み出すようになっているのです。
 本著には風車で電気を起こすだけでなく、風車の電力で電気分解し水素を貯蔵し燃料電池として使うという構想についても言及しています。本当にこれが実現したらすごいことです。エネルギーが自給自足できるということになります。日本の電力会社も政府も今田に原発の研究ばかりしていますが、ウランは輸入していますし、たくさんゴミが出ますし、プルサーマルは実現のメドがたっていません。もういい加減に原発はあきらめた方がいいんではないですかね....。
(★★★)

|

« コラムyokoze「効率優先」 | トップページ | 読書な毎日(114) »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 読書な毎日(113):

« コラムyokoze「効率優先」 | トップページ | 読書な毎日(114) »