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読書な毎日(108)

【バリバリのハト派】 荷宮 和子
 本業は宝塚批評家の著者が書いた、平和についての本。自らをクビレの世代と言っていますが、彼女は1960年代のうまれ。宝塚や漫画などいわゆる女性系のサブカルチャーの専門家と言っていいのでしょう。しかし、著者はサブカカルチャーという言葉は嫌いらしく自分の扱う分野こそメインストリームだと言っています。ある意味そうも言えるかもしれませんが、今や趣味は多様化していますから、メインカルチャーと言うものはもう日本にないのかもしれませんね。
 著者は日本の現状に危機感をもっています。宝塚で何を演じているのか私は全く知りませんが、女コドモ文化(著者がそう言っている)の宝塚までも右傾化の波が押し寄せているそうです。自衛隊派兵を肯定するような脚本の劇が演じられ、絶賛されているのだとか。宝塚を見ている中心は中高生の女の子(ホンマカイナ!?)だそうですから、恐ろしい。というわけで、普段平和を表立って論じないような彼女がこんな単行本を出すことになったそうだ。
 2ちゃんねるについてけっこう書いてあります。自身も2ちゃんに書いているのでしょうが、全体的に2ちゃんねる的なやや攻撃的な文体。こういう書き方は同じサイドにいる人間の共感を得るのはいいけど、相手サイドを説得はできませんよね。けれど、こういう人がもっと2ちゃんねるで書いてくれないと、そこを見たマスコミはじめ一般の人が世論が右傾化していると勘違いしてしまいます。そういうわけで彼女のようなバリバリのハト派ももっと増えてくれないといけません。しかし、彼女含め2ちゃんねるを買いかぶりすぎだと私は思うのですが、そうではない!?
 本筋とは関係ないですが、恵方巻の存在を私は本著で知りました(^^;
(★★★)

【USAカニバケツ】 町山 智浩
 アメリカのサブカルチャーについて書いたコラムをまとめたもの。日本で言うところのワイドショーネタみたいなものが多いですが、あまり日本で報じられないネタが多いので興味深いです。ゴスの話や、アメフトまわり、メジャーではない映画の話など。バリバリのハト派の荷宮さんではないけど、一般人の話題になるのはこっちのネタなのです。
 日本もこのアメリカに着実に近づいています。一般人の興味は自分に関係ある半径10メートルぐらい。関係ないと思うことには興味ないけど、人の不幸やゴシップは楽しい。結果としてアメリカ国家がやろうとしていること、やっていることには目が向かないのです。アメリカの多くの人にとってイラク戦争は終わったことでしょうし、アメリカの双子の赤字は何のこっちゃなんでしょ。日本人だって、自衛隊がイラクに行ったことは忘れているし、国債が返せないぐらいとんでもない状況になっていることに興味ありませんからね(^^; そういう生き方もある意味幸せなのかもしれないけど(^^;
 本著に乗っている、冤罪事件を扱ったロストパラダイスは是非見たいけど、日本ではDVDになってません。どっか出してくれない?
(★★★★)

【夕凪の街、桜の国】 こうの史代
 広島の原爆をテーマにした漫画の単行本。被曝、数年後の広島から話ははじまります。先日、映画化された「父と暮らせば」っぽいストーリーというか、被曝後の広島を扱えば自然とこういったテーマになるのでしょう。直接的な原爆の表現はありませんが、原爆の恐ろしさの一面を見せてくれます。
 この漫画は朝日新聞で紹介され話題になり、Amazonのランキングで一時期1位になっていました。よい漫画ではありますが、読んだところ、私はそれほどの衝撃は受けなかったのですが、漫画でこういうテーマを扱ってるということがかなり珍しいのでしょう。というわけで本作は意義深い漫画なのです。ここまで流行ったのなら、今度はアニメ化してほしいですね。
(★★★)

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