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新最近みた映画(42)

【ゆきゆきて神軍】 原 一男
 ニューギニア戦線、日本軍兵士の生き残り奥崎謙三を追ったドキュメンタリー。元は奥崎氏自身で今村昌平のもとに自分のドキュメンタリーを撮ってほしいと依頼したのだが、今村から原が紹介され彼がこのドキュメンタリーを撮ることになったのだそうです。奥崎氏という人物は、戦後がむしゃらに働いていたが仕事にからんで殺人事件を起こし懲役10年となる。仕事のかたわら出所後は生き方をあらため国や天皇の戦争責任、政治家の不正追求にエネルギーを注ぐようになる。それが行き過ぎ何度か何度か逮捕、懲役となる。彼のメッセージは非常にまともで正論です。しかし、それがまっとうすぎるので曖昧にしている日本とぶつかってしまうのです。
 まず、オープニングの奥崎家の映像に圧倒されます(^^; 奥崎氏が戦友を尋ねて歩くうちに次第に驚愕の事実が明らかになっていきます。皆本当のことは言いたがらないのですが....。戦争というのは人を殺すことが仕事みたいなものですから、こういうことが起こってしまうのです。だから戦争は絶対に起こしてはならないものなのです。
 奥崎氏はこの撮影の後再び殺人未遂事件を起こして、懲役となります。彼には奥さんがいるのですが、彼の行動に賛同しているのかだんなの無理難題にも応じ、懲役となっても離婚せずに面会に通っています。すごい夫婦だなと思いましたが奥崎氏の懲役中に他界してしまいます。やはりこんなだんなを持つと心労も大きかったのかな...。
(★★★★☆)

【アトミック・カフェ】 ケヴィン・ラファティ
 マイケル・ムーアの師匠ケヴィン・ラファティのドキュメンタリー。82年公開の映画ですが、今見ても古さは全く感じません。映像は40~50年代ぐらいにアメリカ軍やニュースで使われたものをつなぎあわせ、音楽だけは後からのせた部分もありますが解説はまったくありません。まだ原子力が夢のエネルギーと信じられ、冷戦下で原爆や水爆の開発競争がされていた時代です。当時でもその反対運動はあったのですが、それらに不安を抱く人に向け”原子力は危険でもなんでもない。原子力は役に立っている。”というプロパガンダのためにつくられた映像をつなぎあわせています。今見るとびっくりするようなことを平気でやっていたりします。例えば塹壕を掘っただけで、兵士を隠れさせて大気中核実験を行なっているとか。
 全く解説がないので、予備知識がない人が見ると信じてしまう可能性もある!? しかしアメリカのやってることってこの頃から同じで、今にはじまったことではないんですね。
 マイケルムーアの作品と比較すると、冷静で客観的な印象ですがメッセージ性は強く感じました。今まであまり有名ではなかった作品ですが、多くの人にみてもらいたいです。
(★★★★☆)

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