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読書な毎日(106)

【エンデの警鐘】 坂本 龍一、河邑 厚徳
 NHKで放映され話題となったエンデの遺言の後日談などをまとめたもの。河邑さん中心に坂本 龍一などが寄稿しています。エンデの遺言は本も出ていますが、私は本も映像も見ていません。
 まず、お金とは何かということを問いかけています。お金は銀行に預けておけば、金利があって徐々に増えていくものという認識が誰にもあるかと思います。しかし、この考えの元では、経済が常に拡大していかなければなりません。そうしないと経済がおかしくなるのです。そしてこの仕組みのもとでは、お金をたくさん持ってる人が益々強くなっていきます。そしてお金持ちの投資額はどんどん大きくなり自国を超えて世界へと広がっていきます。これこそ正にグローバリズムの正体と言ってもいいでしょう。持続性社会という考えがありますが、これと拡張型経済は相容れないものなのです。
 金利という考えは太古からあったわけではありません。現代においてもイスラム教は利息をつけることを禁止しています。しかし元々のユダヤ教もキリスト教も利息をとることを教義で禁じています。何故利息をつけてはいけないか。利息をつけるということは、誰かにお金を貸して利息分のお金をとっているということに他なりません。つまり誰かからお金を取っているということなのです。この利息というのは労働の対価でも何でもなく、お金さえたくさん持っていれば寝ていても増えていきます。だから宗教ではこれを禁ずるのです。
 そこで、エンデの遺言で注目しているのは地域通貨や利息をつけない銀行などです。これらの取り組みは今のところあまり広がっていないように見えますが、アメリカ主導の拡大型経済は明らかに行き詰まりを見せています。とにかく、一度読んでおくべき本と思います。
(★★★★)

【水木しげるの大冒険】 大泉 実成、水木しげる
 ゲゲゲの鬼太郎の水木さんのマレーシア旅行記。本作もマレーシア予習の一貫として検索にひっかかりました(^^; 大泉さんはノンフィクションライターで、夢を信仰するマレーシアのセノイ族の本を書いたのがきっかけで今回水木さんに同行取材し本著となっています。本著は水木さんの妖怪の絵と、大泉さんのルポにより構成されています。
 水木しげるさんは彼自身のキャラが最近流行ってもいるようですが、本著は1996年に出されたもので水木ブームの先取り?と言ってもよいのでしょう。本著を読んでいてもわかりますが、独特のキャラクターです。正に自然体のおじいちゃんで、飾らず、怒らず、食欲旺盛。水木さんか左手が肩からありません。何故ないのか本著ではわかりませんが、水木さんは第二次大戦でラバウル戦線に出征。おそらくその戦闘でなくしたのでしょう。しかし、水木さんは腕がないのを何にも気にしていません。
 水木さんがマレーシアに行った目的はセノイ族の木彫りの妖怪人形を手に入れることです。そして、水木さんはこの旅行中になんと100体以上の人形を買ってしまいます。水木しげるおそるべし(^^;
(★★★★)

【マレーの虎 ハリマオ伝説】 中野 不二男
 第二次大戦のはじまる頃、マレー半島に”マレーの虎”と呼ばれる盗賊集団のリーダーの日本人がいた。彼は実は日本軍の工作員としても活躍していた。かれはその死後、英雄に祭り上げられ戦後も”怪傑ハリマオ”となって子どもたちのヒーローになった。
 本著もマレーシア予習の一貫です(^^;私も怪傑ハリマオは知っていましたがそれが史実の人物をモデルとしていてしかも、マレーシアの話とは知りませんでした。第二次大戦のときマレー半島で日本軍が何をやっていたかというのもほとんど知りませんでした。当時マレー半島はイギリスの支配下にあったのですが日本軍が北部から真珠湾攻撃と同じ日に奇襲攻撃。敗走するイギリス軍をシンガポールまで追い詰め陥落させていたのです。その頃ハリマオこと谷はマラリアにかかり死んでしまいます。マレー半島は日本が敗戦するまで日本軍の支配下にありました。
 ハリマオは元々マレー移民の子どもで家は床屋でした。日本軍に入るために日本に行っている間に彼の妹が中国人の暴徒に虐殺されてしまいます。それが原因で彼はハリマオになったのかもしれない、と本著では推測しています。
 現地取材はしているのですが、やや取材不足の感がありハリマオに迫るところまでは行ってない気がします。この後他の人がハリマオの本出していますので、そっちも読んでみようかな。
(★★★)

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