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読書な毎日(101)

【硫黄島の星条旗】 ジェイムズ・ブラッドリー、ロン・パワーズ
 一度は見たことがあると思いますが6人の兵士が星条旗をたてている有名な報道写真があります。これは硫黄島の擂鉢山に星条旗をたてている写真だったそうです。本著はこの写真に写っている一人の兵士の息子が書いたドキュメンタリーです。戦争について何も語らずに父は亡くなりました。その死後、著者は硫黄島でいったい何があったのか、一緒に写っている5人は今どうなっているのかというのを調べていきます。そして衝撃の事実が次々と明らかになっていきます。本著はアメリカでベストセラーとなり、クリント・イーストウッド監督で映画化も決定しています。
 硫黄島玉砕という言葉は聞いたことありましたがそこでどんな戦闘が行われ、硫黄島の攻略がどんな意味を持っていたかというのはほとんど知りませんでした。硫黄島は火山島で人間の居住には適さない場所ですが、戦略的には重要な島でした。サイパンと日本列島の途中に位置し、日本を空襲するB29を迎撃する航空基地として使われていました。正にアメリカにとってはノドに刺さったトゲのような島だったわけです。硫黄島がアメリカに占領されるということは日本が自由に空襲できるようになるということだったのです。また、硫黄島は古来から日本の領土とされていた場所でもあったのでなんとしても日本軍は硫黄島を守りたかったのです。
 その戦闘の様子は壮絶です。日本軍は関東軍を満州から連れてきて、地下にトンネルを掘りアメリカ軍を待ち構えます。アメリカは艦隊を集結させ硫黄島を猛爆します。そして上陸作戦となるわけですが双方に多大な被害が出ます。日本軍守備隊二万二千人はほぼ玉砕。アメリカ軍も二万六千人が死傷します。正に地獄。写真に写っているうちの3人もこの後硫黄島で戦死します。
 本著はやや戦記物的な勇ましい描写も多いのですが、戦争とは殺し合いであることを訴えています。勲章にいったい何の意味があるのか死んでしまったらおしまいです。生き残った兵士達も戦争の軍資金集めのための客寄せパンダとして使われます。戦争とはこんなにも残酷なものなのです。今もイラク戦争が行われていますが戦争の本質は今も昔も変わりません。
(★★★★☆)

【ソフトウエア開発 55の真実と10のウソ】 ロバート・L・グラス
 システム構築において、皆が気づいていそうでいない真実を55。皆が良く言うけど実はウソであることを10あげています。1つづつについてその事実またはウソについての解説と反論。文献を掲載しています。
 例えば、失敗プロジェクトは見積もりの段階で失敗しているとか、遅れているプロジェクトに新しいメンバーを加えるとより遅れるなど。
 私もこの業界10年になりますが、以前に比べ納期が短くなり、人員は増え、人の出入りが激しいものが多いです。なぜ人の出入りがそんなに多いかと言えば、派遣プログラマーなどを使うからです。彼らのうち半分ぐらいはスキル不足、人間関係や職場環境の問題などですぐに消えていきます。そして新しい人がきてまた1からプロジェクトの説明をはじめるのです。グラスは本著の中で良いプログラマーと悪いプログラマーには28倍の仕事能力の差があると言いますがそれもおおげさな言い方ではありません。
 見積もりの問題が本著では大きくとりあげられています。いくつかの見積もり手法はこの業界にあるのですが、”これ”というものが今だにありません。結局は営業の人の勘や予算、納期から決めてしまっている場合が多いのです。つくる対象を見ずに見積もりをたててうまくいくはずがありません(^^;一方かかった工数で精算するというやり方もありますが、これだと前述の通り28倍ものスキルに差があるわけですから、貧乏くじを引いてしまったらとんでもないことになります。
 著者はあげた問題に対し解法は書いていません。著者も試行錯誤中ということなのです。この業界ははじまって50年だそうです。いつか収束するときはくるのでしょうか。
 本著はプログラマーにも読んでほしいですが、営業の人やプロジェクトマネージャーに読んでもらいたいです。けれど、彼らは”これは俺じゃない!”って思うんでしょうけんど(^^;
(★★★☆)

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