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読書な毎日(100)

 この通番があってるとも限らないのですが、一応100回目です!大作2本読むの時間かかりました。

【カリスマ】 佐野 眞一
 ダイエーの創始者中内功のノンフィクション。本著が出版されたのは1998年なのでそこまでの話です。第二次大戦下、シベリア、フィリピンでの激戦を生き残り焼け跡の神戸の薬局で薬の安売りからはじめたダイエー。主婦の店ダイエーという看板をかかげ薬に続き、お菓子、牛肉そしてスーパーマーケットという業態を日本に取り入れ全国展開。1972年創業からわずか15年で三越を抜き小売のトップに。その座はゆるがないかと思われたダイエーだったが、低価格、拡大、多角化が次第に混迷を深めていく。それでもダイエーは方針転換せず、することができず進んでいきます。そしてつい先日のことですが、実質の倒産。再生機構送りとなってしまいました。この本が出版された1988年の時点でもうダイエーは終わっている感じです(^^; それを今まで無駄に延命させたのは銀行です。不良債権の責任をとりたくないから先送りして、再生機構というものを国につくらせ税金投入の仕組みをつくってしまったのです。すごいですね(^^;
 ダイエー自体の問題は”カリスマ”のタイトル通り、中内功の個人商店の域を結局脱皮できなかったというのが一番でしょう。途中までは中内の方針もピタリピタリと当たっていました。球が止まって見える、中内氏は言ったそうですが正にその通りだったのでしょう。しかし、それがいつまでも続くわけはなく次第にうまくいかなくなる。けれど彼を継げる後継を育てることができなかった。結局息子に継がせることになるがそれも失敗。
 私も約10年前ダイエー系のディスカウント、トポスでバイトをしていました。その当時で徐々にディスカウントは行き詰まりを見せていました。安いだけではお客は感動しなくなっていたのです。今まで不当に高かったものは適当な許容できる程度の値段まで下がり、うちが一番安い!と叫んでもそれだけではお客は振り向かなくなっていました。
 ダイエーもローソンというコンビニを持っていますが、コンビニもスーパーと競合するようになってしまいました。スーパーをコンビニ化し営業時間をのばしてみたりしましたがこれも無理があります。
 ダイエーのライバルとしてイトーヨーカドーも出てきます。ヨーカドーの経営方針は堅実でダイエーのような一気拡大路線をとらず地道にですが活躍の場を広げています。ちなみにヨーカードーのコンビニはご存知の通り、セブンイレブンです。
 ダイエーはこの後どうなってしまうのかわかりませんが、今後の小売業は個人の趣向同様、多角化しみんな同じものを買うということはなくなるのでしょう。例えばディスカウントでは醤油が2種類しか売ってないとします。専門店では20種類の醤油があって好みのものが選べる。味噌はまた味噌で別の専門店で選ぶ。言ってみれば昔の商店街のようなものです。スーパーマーケットという業態はなくならないでしょうが、コンビニと競合しないかたちで地域密着型で経営するのが良いのだと思います。
 今ダイエーに対して行われている様々なことは新聞を読んでるだけではよくわからないでしょう。本著を読むことによってその背景が見えてきますので、興味ある方は長いですが是非読んでみてください。
(★★★★☆)

【攻撃計画】 ボブ・ウッドワード
 アフガン戦争後、ブッシュ政権がイラク戦争に突入していくまでを追ったノンフィクション。前著「ブッシュの戦争」の続きにあたります。
 前著も私は読みましたが、本著はそれほどの衝撃はありませんでした。なぜかと言えば、ブッシュ政権の緊張感のなさからですかね。規模的にはアフガン戦争の方がかなり小さなものですが、あのときは911から戦争に突入していく様が緊張感をもって描かれていました。ところが、本著ではまず”イラク攻撃ありき”なのです。イラクを攻撃するにはどう計画を練ればいいか、国際世論をどう味方につけるか、バグダッド攻略のためには軍をどのように配備し、どう攻めればよいか。イラクは大量破壊兵器を持っていて世界の脅威になっている、というのが戦争の理由だったかと思いますがそんなのは後付けでしかありません。結局大量破壊兵器は見つかっていませんが、戦争さえはじめてしまえば彼らにとってはどうでもいいことなのです。戦争が終わったことにされた後、イラク戦争で重要な役割をはたした、フランクス将軍、そしてCIAのテネット長官も辞めてしまいます。これ読んでアメリカ人はどう思うのでしょうね。あれは意味のある戦争だったと言えるのですかね?
 なぜアメリカはイラク戦争をしたかったのか。理由は1つではないのでしょう。1)戦争をしたい勢力がいる。彼らはどこで戦争があろうがかまわない。2)イラク戦争に付随する利権。復興事業や石油が欲しい。3)フセインは悪者で排除しなければいけないと思っている。主なところはこんなところでしょうかね。彼らの思惑がからんで一気に進むと戦争になってしまいます。
 本著の時点で既に、イラク戦争の理由づけはかなりあやしいものになっています。チェイニーはアルカイダとフセインの結びつきを主張するもほとんど根拠なし。パウエルは開戦の国連決議を引き出そうと必死にプレゼンしたり工作しますが、結局断念。ラムズフェルドは戦争することしか考えていない。ブッシュもラムズフェルドと近い感じです。
 アメリカ以外の国の首脳も出てきます。ブレア、シラク、アスナール、シュレーダー、ハワード、プーチンなど。彼らは味方だったり敵だったりしますが、ブッシュ政権は駆け引きをしてなんとか戦争に合意をとりつけようとします。おや?小泉の名前は全然出てこないぞ(^^;(エピローグの文章に一度だけ登場する。) 小泉くんはあんなに頑張って支持を表明したというのに、国際政治の中ではほとんど意味が無かったということです(^^; 日本の総理なんてこの程度の扱いなんですから、がんばんのやめません?自衛隊を撤退させたって誰も文句言いませんから。
(★★★☆)

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