« 2004年7月 | トップページ | 2004年9月 »

新最近みた映画(39)

【美しい夏キリシマ】 黒木 和雄
 原田芳雄、牧瀬里穂。太平洋戦争末期の九州霧島地方のある村の人々の群像劇。説明的なセリフがなく、登場人物も多いのでやや人間関係などつかみづらいのですが、それが自然な人々のつながりを映し出しています。戦争映画ですが、直接的な戦争シーンは全くありません。他の黒木作品もそうですが、意図的なんでしょうね。美しいキリシマの村でも戦時が日常となっています。戦争が終わることなんか大人も子どもも考えられません。”戦争は継続である”とジョージ・オーウェルが小説の中で書いていましたが、正に今のアメリカがそれですね。日本も気をつけないとまた逆戻りしてしまいます。
 DVDだと、メイキングと監督のインタビューがついているのですが、黒木監督の人となりがわかって実によいです。是非映画とあわせてみてほしい。
(★★★☆)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

コラムyokoze「日本がどうしてあんなにオリンピックでメダルをとったのか?」

 今回のオリンピック、日本は異常にメダルをとった。これは選手のがんばりもあるのだろうがそれだけではないだろう。選手以外のいくつか要因をあげてみると。1)いつもメダルを大量にとるアメリカが戦争中のため、選手も国もオリンピックに力が入らなかった。2)テロなどをおそれ、選手も観客もオリンピックから離れた。3)競技種目が増えた。4)世界的にオリンピックに対する興味が薄れている。
 オリンピック中のイラクとの停戦を求められたアメリカだったが、停戦どころかナジャフで猛烈に攻撃していた。アメリカはこんなにも節操のない国になってしまったのか。能天気にオリンピックにかまける日本も同罪だが...。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

読書な毎日(96)

【僕はやってない】 守 大助、阿部 泰雄
 仙台 北陵クリニックで起こった筋弛緩剤による連続殺人事件の容疑者となった守(もり)氏とその弁護団の団長阿部氏の手記。守氏の部分は拘留中そして裁判中に書かれた本人の日記です。本の構成として、いきなりこの守氏の日記からはじまります。人物関係とか事件の概要の説明もなく、やや支離滅裂で文章もあまり上手ではないのでわかりづらいのですが、”彼がやってない”という訴えは伝わってきます。そして警察、検察の横暴さもよくわかります。先日、狭山事件の本を読んだけどあれに勝るとも劣らない滅茶苦茶な取り調べです。逮捕により容疑者は最大20日間拘留できるのですが、守氏のケースはなんと5回も再逮捕し拘留期間を延長し連日の取り調べをしています。その内容も”お前がやったんだろ”、”嘘つくな”、”お前は殺人者だ、死刑だ”の連続。自白を強要するもので、およそ取り調べとは思えません。守氏の場合は逮捕された最初の二日で”やった”と自供してしまいます。しかし、これは弁護士もいない状態で強要されたもので、これを根拠に犯人と決め付けるのはかなり無理があります。
 後半の阿部氏の説明を読むとよくわかるのですが、そもそもこの事件は犯罪があったかもかなり怪しいものです。まず筋弛緩剤で人が殺せるのかというのがかなり怪しい。そして守氏が筋弛緩剤を被害者に投与した証拠も、殺人現場の目撃者も誰もいません。殺人の動機もまったくありません。殺されたとされているのは老人と子どもがほとんどで急患で運ばれた人がほとんど。本著では断定はしていませんが、この病院の医療ミスを全部守氏にひっかぶせてしまったというのが真相ではないでしょうか。殺人者がいなくても殺人事件ができてしまうとは恐ろしいことです。
 この事件は発生した当時は大騒ぎでした。この本が出たのはその事件発生から約1年後です。その後いったいどうなったのか調べてみたところ、2004年の3月に地裁で判決が出ていました。なんと無期懲役です。そして現在は控訴して高裁で裁判が行われています。狭山事件のときもそうでしたが、冤罪の可能性が高い凶悪犯罪は無期懲役でごまかすのが裁判所です。一回有罪の判決が出るとそれを覆すのが至難の業なのが日本の裁判です。ほぼ同じ時期に被害者の守氏が殺したとされた女の子を医療ミスとして病院に対して起こしていた裁判が1億円の和解金で病院とその両親が和解していました。もし、守氏が殺していたならそもそもこんな裁判が起きて和解するはずもありません。本事件も私は99.9%冤罪だと思います。この事件は本人にとっても悲劇ですが、被害者も家族も彼女にとっても悲劇。彼女は今も守氏の出獄を待っています。
 守氏自体はちょっとお人好しすぎる感じもありますが、好青年です。お父さんは警察官。同じ病院のナースの彼女もいて普通のどこにでもいる青年です。それが突然連続殺人鬼になってしまうのです。私がこの本読んだところ、守氏には過失と言えるようなところがほとんどありません。普通、冤罪の被害者でもどこかしら問題があるものですがそれがほとんどありません。強いて言えばお人好しでお気楽すぎたことぐらいでしょうか。父親が警察官だったことから、警察を信用しすぎたことぐらい。警察と司法がきちんと機能していない日本では誰でもこんな状況になってしまうことがあるのです。あなたもいつ冤罪で逮捕されるかわかりません。そのときはどんなにつらい取り調べでも”やった”と言わないことです!
 最後に、心配なのはこの冤罪事件があまり盛り上がっていないように見えることです。このままでは高裁でも無期懲役になってしまうでしょう。もっともっとこの冤罪事件は知られなければなりません。今ならまだ間に合います。
(★★★★)

【囚われのイラク】 安田 純平
 イラクで拘束された安田氏の拘束解放後の著作。安田氏は拘束前にも何度かイラク入りしていてその話が半分以上。何箇所かに取材拠点となるイラク人脈ができていて戦争前、そして戦争がはじまって彼らはどうなったかというのを定点取材しています。さすがジャーナリスト。拘束部分については渡部さんも同じ状況ですが比較すると視点が違っていておもしろいです。
 彼が勤めていた信濃毎日を退職する経緯も出ています。会社というのはデカクなればなるだけ官僚化し、外面を気にするようになります。新聞社も例外ではない。
 アンマンでクラスターの子弾を破裂させてしまった五味記者はとも安田氏は知り合いで、あの事件についても書いてあります。思い起こせばあの事件も変な方向にマスコミ報道は誘導されていました。五味記者が非難されるのは致し方ないですが、それだけに終始して終わってしまいました。それまで一般的ではなかったクラスター爆弾というものが日本でも広く知られることになったのですが、この醜悪な兵器自体は非難されることなく五味記者の記者生命を抹殺しただけでこの事件は終わってしまいました。兵器に人道的もなにもないとも言えますが、特に非人道的と言われる、生物化学兵器、核兵器、対人地雷は国際的に使わないという合意が一応できています。ここに加える筆頭と言ってもよいのがクラスター爆弾と劣化ウラン弾、デイジーカッターと呼ばれる気化爆弾です。しかし、アメリカは今度のイラク戦争でこの3つの兵器をジャンジャン使いました。自衛隊もクラスターを持っていることが明らかになりました。大量破壊兵器を使っているのはいったいどっちなのでしょう。
 安田氏はまたイラクに行って継続取材をするつもりのようですが、拘束事件の渦中の人物となってしまったため講演依頼が殺到。しばらくイラクには行けなそうらしいです。読者としてはその後イラクの人達がどうなってるのか気になるのですが。
(★★★★)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ハワイに行くなら(完)

 ちょうど昨年の今ごろ、その前の年の年末に行ったハワイのレポートを掲示板の方に書いていた私でしたが、完結していなかったことに今気がつきました(^^; 時期的にみて”りんどこ”(うちの子)が産まれた時期です。おそらくりんどこが産まれてハワイレポートはどっかへすっ飛んでしまったのでしょう(^^;
 しかし、幸いなことに発表していなかっただけで原稿は完結していました。というわけでおくればせながら、公開します。そのうち写真つきでホームページ化もしたいと思ってるのでよろしく~。そして続けてサイパンレポートも準備中!

 ちなみに過去分のレポートは以下のアドレスに
http://hpmboard1.nifty.com/cgi-bin/thread.cgi?user_id=KHB10423

(7)
 ようやく順番がまわってきて劇場に入る。お兄ちゃんが、はじめの言葉をしゃべっている。”去年9.11のアタックがあったが、60年前真珠湾でもアタックがあったんだ!”みたいな感じで真珠湾攻撃を9.11のテロと対比していた。アメリカにとっては相当ショックだったんですね。
 で、映画がはじまったわけですが、日本軍が卑怯な奇襲攻撃を仕掛けてたくさんのアメリカ軍艦を沈めたという、見なくてもわかる内容(^^; 時間的には30分弱。アメリカ人に囲まれてこの映画見るのはさすがに、居心地が悪い(^^;

 映画が終わって船へ。劇場の人全員が乗れるぐらいの大きな船。対岸に戦艦ミズーリが停泊しているが、そこも博物館になっている。つい最近まで現役だった船で、アメリカ人にはこの戦艦も人気らしい。船に乗って約5分。アリゾナメモリアルに到着。入れ替わりで見学していた人たちが船に乗る。つまりここでの見学時間が映画の上映時間ということですね。
 白くて細長いコンクリートの建造物がこのお墓だ。わたしらはその海の上にぽっかり浮かんだお墓におろされる。その下の海中にはアリゾナが沈んでいる。戦艦は動かないようにコンクリートの杭で固定されている。さびた煙突や大砲の一部が海面に顔をのぞかせている。私の両親も数年前にここに来たそうだ。船から油が出ていてうそくさいとの話だったが、私らが行ったときも油が出ていた。60年もたつのに油が出てるというのは確かにうそくさいね(^^; しかし、この油は別にしたとしてもこんなもの沈めたままにしておいたら海が汚れるよな....。

○アリゾナ国定公園
http://www.arizonamemorial.org/
http://www.nps.gov/usar/


 他にも潜水艦博物館とかあったみたいなのですが、満足したので帰ることに。路線バスで帰ろうかと思っていたら、おじさんに声かけられる。ホテルまで直接つれていってくれると言う。やや胡散臭いが、そんなに値段も高くないのでおじさんからチケットを買う。バス停みたいな場所のベンチで待っているとバスがやってきた。あれかな、と思うがそれではない。しばらくして普通のSUV車が走ってくる。おじさんはこれに乗れと言っている。なんだ、これが送迎バス(^^;? 私らの他にもう一家族乗るとSUV車は満員になった。
 まあ、帰れればいいやと思って車に乗る。運転手はけっこう話し掛けてくる。裏道のような場所を通っているが、道路は思った以上に混んでいてなかなかつかない。ハワイも渋滞するんだね。
 結局はホテルまで行かずホノルルに着いたところで車を下りる。バスだったらもっと時間かかったのかな?

 明日は朝の飛行機で帰る予定なので、おみやげなどショッピングする。夕食は適当なメキシコレストランに入る。なかなか味も雰囲気もよくて庶民的でいい店でした。水っぽいアメリカビアーも今日で最後だね。

(8)

ハワイ五日目

 五日目と言っても今日は帰るだけなのだが、ややハプニングがあったので書いときます。今回の旅行は一応JTBのパックツアーということらしいのですが、滞在中ほとんど関係ありませんでした。無料トロリーには何回か乗ったけど、それぐらい。あとの特典としては送迎バスがあること。ハワイは空港が遠いのでこれは便利。
 しかし、私らの場合は帰りバス待ちの場所がマリオットホテルになっていた。このホテルはでかいのでどこが待ち合わせ場所かよくわからない。一番メインの玄関みたいな場所に行きボーイに聞く”このチケットはここでいいですか?”。ボーイは答える”イェース ヒアー!”。しかし待ち合わせの時間になってもバスは来ない。いったいどうなっているのだ?そこで、この旅行ではじめてOLIOLI携帯電話(旅行の初日にわたされた携帯電話)を使ってJTBのデスクに電話してみる。すると、つれない返事が返ってくる。私らが見当たらなかったのでバスはもう行ってしまったと言う。待ち合わせは全然違う場所(大通り沿いの玄関ではない場所)だったらしい(^^; そんなのわかるか!
 というわけで仕方なく路線バスで空港へ行くことにする。余裕の時間だったはずがややギリギリになってしまう。まあ、飛行機に乗り遅れることは無かったけどね。
 とにかくOLIOLIは必要ないということがよくわかったハワイツアーでありました(^^;

 今度はどこいこかねー

| | コメント (0) | トラックバック (0)

新最近みた映画(38)

【蝿の王】 ハリー・フック
 無人島に流れ着いた少年24人。さて彼らはどうなってしまうのか....。
 普通無人島というのは、暮らしていけないから無人島だと思うのですが、この無人島は豊かなところで餓死する心配は無さそうです。というわけで、子どもながらに権力争いするというのがこの話。15少年漂流記の焼き直しですね。15少年のオチはどうだったかな?本作のオチはつまんないぞー。ヒントはデイ・アフター・トゥモロー
(★★☆)

【Tomorrow 明日】 黒木 和雄
 黒木監督戦争3部作の一作目。1988年の作品。桃井かおり、田中邦衛、仙道敦子、黒田アーサー。1945年8月8日、原爆投下1日前の長崎。戦時下なれど、日々暮らしている庶民の姿が淡々と描かれている。この翌日にはあの原爆が炸裂したのかと思うとやりきれなくなります。
 最近明らかになってきた話として、8/9の長崎の原爆はギリギリのタイミングで落とされたというのがあります。アメリカは原爆実験を日本でしたかったのですがソ連が8/9に参戦してきたため、日本との戦争を終結させなければならなかった。よく二発の原爆が太平洋戦争を終わらせたと言いますが、それは違って戦争が終わる前に急いで二発落としたというのが本当なのです。事実、この8/9は小倉に原爆を落とすつもりでサイパンから飛び立ったB29でしたが、悪天候のため目標を長崎に変更し、それによりサイパンへ帰る燃料が尽きて沖縄に着陸しているのです。つまりどうしても8/9のうちに落としたかったのです。これも戦争の一面ですが、勝つとわかっている戦争で新兵器の実験がしたかったのです。
 本作では直接的な戦争シーンは出てきません。戦時につつましく暮らす人々の姿を映し出すことにより戦争の悲惨さを訴えています。登場人物が多く群像劇的なのですが、それぞれのキャラクターが輝いています。彼らのTomorrowを奪ってしまったのは戦争なのです。
(★★★★)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

コラムyokoze「ブラウザ新時代」

 ほとんどの皆様はマイクロソフトのIEを使ってることでしょうが、私はネスケの7をメインブラウザとして使っていました。なぜかと言えば単純にマイクロソフトがきらいなことと、みんなが使ってるブラウザは嫌だということと、IEがセキュリティに弱いこと、IEに面白みが全く無く進化もないことなどからです。と言ってもIEでなければ動かないアプリも多いので、IEは時々使います。
 ネスケは現在日本では7.1ですが、最近こちらも進化がストップしている感があります(本家は7.2が出ました。これはなんとmozilla1.72をベースに開発されたそうで、立場がすっかり逆転(^^;)。ネスケにも物足りなさを感じていた今日このごろですが、mozilla Japan なんてのができたり最近mozilla が元気あるんだろうか?と思い見てみたところ、頻繁にバージョンアップしてるようなので試しにインストールしてみました(mozilla 1.72)。ベースはmozillaもネスケと同じなので、あまり使い勝手も変わらない感じですがネスケよりやや進化している印象なので、こちらに乗り換えることにしました。

 同じモジラプロジェクトの中に firefox というブラウザのプロジェクトがありました。こちらはまだ正式リリースではないのですが、mozillaの後継にあたるとのこと。ブラウジング機能に注力し、肥大化傾向にあるmozillaの反省を踏まえ軽量高速化したとのことだったのでインストールしてみました。そしたらこれが軽快で実によろしい!各部の機能も進化のあとが見られます。というわけでmozillaを飛び越えてfirefoxが私のメインブラウザになりそうです。みなさんもそろそろIEから乗り換えてみませんか?


○Mozilla Japan始動 - 国際アフィリエイトとして2番目
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/08/19/006.html
http://www.mozilla-japan.org/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

読書な毎日(95)

【B29に乗った少年】 浜垣 容二
 サイパン玉砕を3つのストーリー、3つの視点から描いたドキュメンタリー。サイパンから日本へ引き上げる輸送船で船を撃沈され海に投げ出された人々の話。サイパンに上陸して迫ってくる米軍から逃げる人々。占領後、アメリカ軍人と仲良くなった少年の話。タイトルとなっているのはこの3つ目の話です。
 沖縄玉砕の話はよく聞きますが、サイパンその他太平洋上の島々やフィリピンなどであった第二次大戦というのは実に少ない。しかし、ここも大変な状況だったのです。サイパンは日本が30年も占領統治していたため、たくさんの日本の民間人が住んでいました。ここはアメリカにとって重要な戦略拠点でした。というのもここに飛行場をつくれば日本の本土がB29によって空襲可能となるからです。そしてサイパンは民間人を巻き込んでの血みどろの戦いとなったのです。驚いたのは玉砕後も数年にわたり山の中に立てこもっていた兵士や民間人が多数いたことです。日本を信じてこんな悲惨な状況になっていた人たちが南洋諸島にもいたことをもっと知るべきです。と言ってる私もフィリピン戦などについてもほとんど知らないので、もっと調べてみようかと思っています。
(★★★★)

【報復ではなく和解を】 秋葉 忠利
 広島の秋葉市長の講演録と平和宣言。それにまつわるエピソードについて市長自身が語っています。意外なことに市長は東京出身で被爆者ではありません。だからこそあれだけ被爆者の視点でスピーチできるのかもしれません。
 私自身、秋葉市長のことはあまり知りませんでしたが2003年の平和宣言を何の気なしにNHKの中継でみていました。不明慮なメッセージをモゴモゴ言う政治家が多いですが、秋葉市長ははっきりとわかりやすい言葉で核兵器の廃絶と戦争の根絶を訴えていて、たいへん印象に残りました。続けて語った小泉総理のモゴモゴぶりとは正に対照的でした。本著でも秋葉市長のメッセージは輝いています。自分で考え、自分の言葉でメッセージを発することのできる数少ない政治家なのでしょう。
 市長のメッセージはポジティブです。被爆者は3つの勝利を勝ち取っているのだそうです。1つは被爆して生き残り死にたいほどに大変な状況を乗り越えた勝利。2つ目は被爆の悲惨さを訴えつづけることにより3発目の核兵器が使われるという事態にはなっていないという勝利。3つ目は平和憲法を守ってきたこと、だそうです。
 ”忘れられた歴史は繰り返す”のだから被爆の悲惨さを忘れないように世界に発信していく。”隣人は愛さなくてもいいから、違いを認めよ”。いずれもリンカーンの言葉だそうですが、秋葉市長がよく使う言葉です。人間なんてそんな高級なものではないからできる範囲で進んで行こう見たいな感じで好感が持てます。崇高すぎる理想より、手の届く実践なのです。それが平和へと近づくための道なのです。
(★★★★)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

読書な毎日(94)

【小泉純一郎最後の賭け】 大下 英治
 タイトルは小泉ですが、内容はYKK特に加藤と小泉についてYKK結成から現在(この本は2003年5月出版)までの動きを追っているノンフィクション。むしろ主役は加藤のような書き方です。
 考えてみればこの期間にはいろいろありました。小渕総理の死、加藤の乱、森総理と愛媛丸。小泉総理誕生、911、小泉北朝鮮訪問 などなど。それらを時代を追って検証しているので、なつかしいし整理になります。そういえばこんなこと言ってたなというのがあります。
 しかし、日本の政権闘争というのは正にヤクザの縄張り争いと同じ。数と金の力で勢力を拡大し、ボス(総理大臣)の座を射止めるのが目的です。そこには国民の姿はありません。こんなことをいつまでやらせておくんでしょうかね。
 タイトルにある最後の賭けとは、一応小泉二度目の総裁選のことを差しています。結局圧勝に終わり、続く衆議院選、参議院選をなんとか乗り切りました。しかし、もう当初の勢いはありません。沈没寸前の船のような状態でしょうか。支持率が40%を切ったときに小泉おろしがはじまると、本著にはありましたがついにその40%を切る状態となりました。この秋には何かが起こるのか....。
(★★★)

【私は英雄じゃない】 リック・ブラック
 イラク戦争で救出されたアメリカ兵、ジェシカ・リンチのノンフィクションです。私は当初この本は、ジェシカを英雄に祭り上げている本かと思っていたのですが違います。ジェシカがどんな人物で、イラクで何が起こり、救出後に何が起こったかを書いた本。作者はアメリカ人ですからアメリカ寄りなところもあるのですが、比較的公平な目で描かれています。この本アメリカでは売れなかったそうですが、アメリカ人が知りたくないことが書いてあるので、それもうなずけます(^^;
 本著はイラク戦争だけでなく、アメリカという国の社会問題まであぶり出しています。若者にとって有力な就職口が少ないため軍隊に入っている人が多いという現実。憶測情報に群がり虚構をつくりあげるメディア。戦争を熱狂的に応援するアメリカ人の姿。
 当初の報道はこのようでした。リンチは勇敢に戦い敵を何人も殺した後に捕虜となり、拷問や肛門レイプまでされたうえ病院に収容され、そこでも尋問や拷問をされた。最後はアメリカの特殊部隊が突入しサダムフェダイーンに拘束されていたリンチを見事救出した。
 しかし、リンチ本人の証言では。輸送部隊のトラックが立ち往生し、ハンビー(大型ジープ)に乗っていたところを襲撃され、自動車は横転しリンチは気を失う。3時間後に目覚めたときはイラクの病院のベッドにいた。手足は骨折し、脊椎を損傷する重症で生死も危うい状況だった。不完全な設備にも関わらずイラク医師に何度も手術をしてもらった。この病院の設備ではどうにもならないので、アメリカにリンチを引き渡そうともしたが、銃撃され近づけなかった。リンチの負傷から10日後突如特殊部隊が病院に突入しリンチを連れ去った。
 そもそも発端は輸送トラックが道を間違えたことです。開戦当初の気が立っているイラク人の町に輸送トラックで侵入し、撃退されてしまったのです。このミスにより同じ部隊のリンチ以外の8人は全員死亡しています。彼女の親友もこの事故で亡くなっています。なのにアメリカに帰ってみたら自分は英雄に祭り上げられている。なんなのこれ?というのが彼女の正直な気持ちだったのでしょう。
 彼女の怪我は相当な重症で、この本が発行された当時(事故から役1年)もまだ満足に歩けず、下半身に麻痺が残り内蔵の調子もよくないそうです。20歳の若者が1年たってもこんな状況ですからその凄まじさがわかります。戦争とはヒーローをつくるのではなく、現実には山のような死者と障害者を敵味方、そして民間人にも生み出すもの。日本もこんなアメリカの真似をしたいのですか?
(★★★★)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2004年7月 | トップページ | 2004年9月 »