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読書な毎日(85)

【イラクの中心で、バカとさけぶ】 橋田 信介
 イラクで亡くなった橋田氏のイラク戦争レポート。橋田氏は61歳のベテラン戦場フリージャーナリスト。ベトネム戦争ではじめて戦場ジャーナリストとして活躍し、以来カンボジア、ボスニア、湾岸戦争、アフガンなど数々の戦場をくぐりぬけてきた歴戦のシルバーアイアンです。
 この本が出版されたのは2004年2月。橋田氏が亡くなったのが2004年5月でしたので、まさに直前に出版された本。国境を強行突破し戦場へ。イラク戦争が開戦し、日本の大手マスコミが逃げて行くところでイラク入りし銃弾、爆弾、砲弾が飛び交う中を決死の撮影。それを大手マスコミに売り込む。とても還暦とは思えない迫力です。
 橋田氏はそこが戦場だから何が起こっているか見たいから行くのだそうです。危ないのに何故戦場に行くのですか?などという質問は彼にとっては正に愚問。
 ユルユルした独特の文章ですが、日本の大手マスコミ、アメリカ、日本政府、そして小泉くん川口くんへの言葉は的確で辛辣です。正に痛いところをグサグサついています。さすがモノが分かってる還暦ジャーナリストです。本当に惜しい人を亡くしてしまいました。遺稿となってしまったこの本ですがもっと流行ってほしいですね。ちなみに、橋田氏が亡くなった直後、本著はamazonでハリーポッターに次ぐ2位にランキング。本家?の「世界の中心で愛を~」を軽く抜き去っていました。
 戦争がはじまると、なんで日本の大手マスコミは逃げるのか。それは大手マスコミの偉い人が責任をとりたくないからだと、橋田氏はばっさり切り捨てます。そして彼らは安全なところにいて情報が入手できず、大本営発表を垂れ流すだけになってしまうのです。 ”自己責任”と言った政府の発想もこれと同じ。自衛隊派遣の影響で日本人に危険が及んでいることを責任転嫁しているのです。そしてきっと、自衛隊員が亡くなったとしても誰も責任をとらないでしょう。
 あなたのまわりにも人質事件を見て”危ないところに勝手に行ったんだから自己責任だ!”と吠えていた人がきっといますね。そういう人は何かが起こったときに自分では絶対に責任をとらない人ですので注意しましょう、というかこういう人と付き合うのはやめましょう。上司だったら無視しましょう。どうにもならなかったらそんな会社やめちゃいましょう(^^;
(★★★★☆)

【戦場イラクからのメール】 渡辺 修孝
 イラク拘束事件の渡辺氏の著作。拘束解放後に出版されたものです。前半は拘束から開放までの話で、後半部分はそれ以前に彼が取材してメールで送っていたものをまとめた内容になっています。
 飄々とした語り口で読みやすい本。渡辺氏は米兵・自衛隊人権ホットラインというのに所属しています。彼自身も自衛隊にいたそうで、その後活動家?としてレバノンに滞在していたこともありアラビア語も少しわかるそうです。本著の後半部分は、彼の取材の報告なのですがイラク南部を中心に精力的に取材をしています。 イラク人の中に入って生の声を聞いていて、へたなマスコミのイラク取材など足元にも及びません。自衛隊の取材もけっこうしています。自衛隊がいかにイラクで役にたっていないかがよくわかります(^^; これなら渡辺氏もジャーナリストという肩書きでもいいのではないですかね。
 前半の拘束事件のレポートも実に興味深いものです。彼らムジャヒディンはなぜ渡辺氏らを拘束し、何を語ったのか。また彼が帰国したときガッツポーズをしていた意味。日本政府が彼をどう扱ったかというのも書いてあります。
 一緒に拘束された安田氏も先ごろ本を出しましたが、それとはまたきっと視点が違うでしょうね。既に入手してますので、それも後程読む予定です。
(★★★★)

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