コラムyokoze「winny 作者がなんと逮捕」
既に大きく報じられていますが、winny という日本では有名なフリーのファイル交換(P2P)ソフトがありますが、なんとその作者が逮捕されてしまいました。
<ファイル交換ソフト>ウィニー開発の東大助手を逮捕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040510-00001037-mai-soci
winnyはP2Pと呼ばれるタイプのソフトです。P2Pは世界中で注目されている新しい技術です。有名なものでは他にGnutella、napster、KaZaAなどがあります。今回の逮捕は著作権法違反ほう助となっていますが、警察の本音はこの記事の後半部分。京都府警の資料がもれたり、陸自の資料がもれたりということにあるのでしょう。自分たちで勝手にインストールして使い、ミスをして情報をばらまき、逆ギレしているという構図です。今回の逮捕はおそらく陸自資料の流出が明るみに出たこと(2004年4月)が引き金になっています。
記事にもあるように、このような容疑で逮捕されるのは世界的にみてもかなり異例(前例がないのでは?)です。
前出のnapster の場合は音楽業界に提訴され2001年に敗訴しましたが、製作者側の誰かが逮捕されたわけではありません。その後、napsterはブランドと技術をCD書き込みソフト大手のROXIOに買いとられ(つまり音楽業界に買い取られてしまった)、改良されサービスを提供しています。それを契機にnapsterの人気はなくなってしまいましたが(^^; KaZaAはオランダの裁判で2002年3月に勝訴しています。GroksterおよびMorpheusというp2pソフトもロサンゼルス地裁で2003年4月に勝訴しています。
世界的に見て、p2pソフトは使う側が違法な使い方をすれば逮捕。しかし、サービス提供者、P2P技術自体には違法性がないという流れになっています。もし、ソフト自体が違法と判定された場合はサービスを停止するか、提訴側が満足するように改良するか、提訴側に歩みよって和解しています。ところが、日本の場合は一足飛びでいきなり作者を逮捕していましました(^^; これが法治国家と言えるのでしょうかね....。普通の手順なら、まずwinnyで被害を受けている人が提訴し裁判で審議して勝訴すれば違法なソフトということになります。裁判も何もないのに、いきなり逮捕というのはおかしい。P2Pソフトは他にも何種類もあるのですからwinny作者だけ逮捕というのもおかしい。ちなみにwinny作者は昨年からオフィシャルサイトは閉じ、彼自身はwinnyの配布をしていません。東京に住んでいる作者を京都府警が逮捕しに東京にくるというのも変ですね。京都府警が被害にあったということなんでしょうが(^^;;
2004年2月に京都大の研究員がコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)のサイトの脆弱性を指摘して逮捕された一件も今回の事件に似ています。欠陥サイトを運営している人と、欠陥を指摘した人はどっちが悪いのでしょう?
この二人は身元のはっきりした大学の研究員です。逃げも隠れもしない人なのですから、いきなり逮捕はやりすぎでしょう。二人とも裁判の結果無罪になるかもしれませんが、社会的信用は失墜していましました。マスコミの論調はウイルスを作ったサイバーテロリストのような扱いです。”お上にもの申すもの、あるいはお上に恥をかかせるものは許さん!”ということなんでしょうが....。
しかし、日本ではこんなことで逮捕される前例ができたので、サイトの脆弱性は指摘できなくなりましたし、P2P技術などの最先端技術を使ったり研究することも危険になりました。こんなことで世界最先端のIT国家(森総理のe-Japan構想にあった文言)になんてなれるのでしょうか(^^;?
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P2Pファイル交換の「KaZaA」がオランダ音楽業界に勝訴 利用者と技術開発者を明確に区別
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0329/kazaa.htm
米連邦地裁、「ファイル交換サイトに法的責任なし」
http://japan.internet.com/ecnews/20030428/11.html
米Roxioがついに「Napster 2.0」サービスを開始
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/30/951.html
ACCSサイトから個人情報引き出した京大研究員を逮捕--警視庁
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/comp/289116
陸自隊員名簿など流出 ファイル共有ソフトに
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040430-00000076-kyodo-soci
P2Pソフト「Winny」がもたらす恐るべき可能性
http://arena.nikkeibp.co.jp/col/20021204/103018/
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