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読書な毎日(84)

【1984年】 ジョージ・オーウェル
 ずっと気になっていた1984年をようやく読みました。舞台は1984年のロンドン。世界は大きく3つの同盟に別れ常にどこかと戦争をしている。人々はきゅうくつな統制社会でお互いを監視しながら暮らしている。
 この本が書かれたのは1950年代なのですが、統制社会の未来像をリアルに描いています。テレスクリーンと呼ばれる双方向通信システムが町中に、そして家の中にもあります。これは映像を配信するだけでなく、監視カメラの役割も持っています。自由恋愛や離婚は禁止(犯罪)。自国は常にどこかと戦争をしていて時々空からミサイルが落ちてきます。悪の権化”ゴールドスタイン”を皆で憎んでいます。過去の歴史は記録省によって、当局の望むように書き換えられているが、全ての情報が書き換えられるので、何が正しかったのかわからなくなる。
 これが現代ではSFとは思えないところがすごい。日本にも監視カメラいっぱいぶら下がってますね。ゴールドスタインにあたる金正日もいますね(^^; これで日本が戦争に突入し、空から時々ミサイルが降ってくるようになったら正に”1984年”(^^;
 ”1984年”の中で世界は3つの同盟に分かれています。アメリカとイギリスのオセアニア。ヨーロッパとロシアのユーラシア。アジアそして日本のイースタシア。これら3つの同盟がときには手を結びながらいつも戦争をしています。どれも大きな単位の同盟なので、どこかが全面敗北してしまうことにはならず、戦争が終わることはありません。一般人は戦場に行くことはないのですが、ときどき空から敵国のミサイル(主人公はこのミサイルも自作自演でないかと疑っている)が落ちてくるので常に国は戦時下。従って不自由でも統制社会に従うしかないのです。少しでもあやしい言動をする人は敵国のスパイかもしれないので密告します。スパイ容疑者は愛情省という場所に連れて行かれて拷問されます。これって現代で言うところのテロとの戦いではないですか(^^; ジョージ・オーウェルの予想より20年ぐらいずれましたが、世界は1984年になりつつあるのですね.....。
(★★★★☆)

【さらば小泉純一郎!】 天木 直人
 さらば外務省の天木さんの新著。タイトルの通り、小泉総理批判の書です。この3年間、スローガンばかりで一般人のためになることは全くと言ってよいほど成果のなかった総理ですが、今だ支持率は50%を超えています。ウソの理由で開戦したことがわかったイラク戦争を支持した国の指導者はスペインのアスナールのように失脚したり、ブレア、ブッシュも支持率を落とし再選は危ういと言われています。ところが小泉総理ただ一人はなぜか安泰です。これは彼のキャラクター故なのか、日本人だからなのか?両方の相乗効果なんでしょうね。
 天木さんは人質事件の3人対する小泉総理の態度に憤り、本著を書いたそうです。日本の最高権力者が一市民に対してしたあの仕打ち。結局帰国した彼らに小泉総理は会うこともありませんでした。その権力者の尻馬にのって一緒に彼らをバッシングした人たちが多かったことに驚いた反面、市民の力が人質を解放に導いたことに、私は感動しました。国って総理大臣っていったい何のためにあるんだろう。こんな国なら本当にいらないです。
 本著には小泉総理への提言の他にも、さらば外務省出版の後日談。天木さんの決意の文章も載っています。まだ”さらば外務省”を読んでいない人はまずはそちらを読んでから本著を読むことをおすすめします。
 本著がさらば外務省以上にブームとなり、小泉さらばのきっかけとなることを願います。
(★★★★☆)

【戦争とプロパガンダ2】 エドワード・W. サイード
 前著の後にサイードの書いたイスラエルとパレスチナについて書いた文章。時期的には2002年に書かれたものです。この時期はシャロンがパレスチナに侵攻して滅茶苦茶やっていた時期で、サイードはシャロンを厳しく非難しています。一方アラファトにもサイードは全く期待していず、アラファトをも厳しく非難しています。オスロ合意についても全く評価していず、かえってあれがあったらズルズルきてしまったみたいな言い方をしています。
 それではいったいどうすればパレスチナ問題は解決できるのか。サイードは1つの解法を示しています。イスラエルの中にも、シャロンのやり方に反対している人もたくさんいる。兵役を拒否している人もいる、そういう人たちと連帯していくべきだ。いつまでも、イスラエルと敵対しているだけでは何も変わらない。アメリカに第三国にもサイードは期待していません。これはやはり当事者が流れを変えていかなければならない。
 サイードは2003年の9月に亡くなってしまいました。惜しい人をなくしてしまいましたね。しかし、2002年当時と今を比べてどうでしょうか。事態は改善するどころか、シャロンはますます気が狂ったように無茶苦茶をしています。それなのに、世界はアメリカはこれを止めようとしません。サイードが世界に期待しなかったのは、こういうことなんですね。
 もちろんですが、前著から読みはじめることをおすすめします。
(★★★☆)

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