« コラムyokoze「コンピュータウイルス新時代」 | トップページ | 読書な毎日(74) »

読書な毎日(73)

【獄窓記】 山本譲司
 秘書給与流用の容疑で逮捕され、1年6ヶ月の実刑判決を受けた山本譲司の獄中記。山本譲司と言えば、秘書給与を私的に流用し、カツラ代金などに使っていたというイメージしか無かったのですが、なんとこれらのほとんどは週刊誌のデマ報道。政策秘書の名義借りをし、その給与を私設秘書の給与にしていたことは事実ですが、私的に流用していなかったことは裁判で証明されています。一般的にはカツラ疑惑のイメージしか残っていないとはマスコミ報道のいい加減さと恐ろしさを感じます。
 長くなってしまいますが、なぜこのようなことが起こるかというのをちょっと説明します(興味のない人はここをとばして(^^;)。国会議員は秘書を3人雇うことができ、その3人には国から給料が出ます。そのうち政策秘書は、国家資格か公設秘書を10年勤めたという条件を満たさないと、なることができません。政治的にも思想が合っていて、資格を持っている政策秘書を持つというのは難しいことなのです。このため、名義借りをし、その給与を事務所の運営費や私設秘書の給与とする、というのがけっこう普通に行われていたのです。
 自民党の中島洋次郎議員が逮捕されるまで、秘書給与流用罪で逮捕される人はいませんでした。しかし、中島議員の場合、逮捕の本命は受託収賄罪で、秘書給流用罪という別件でまず逮捕したのです。これは警察がよくやる手法で、何か探してとにかく逮捕してしまえ!証拠をつくってでも逮捕してしまえ!というものです。従って山本議員(2番目)が逮捕されるまでは”秘書給与流用”だけで逮捕されるとは誰も思っていなかったのです。山本議員が逮捕されたことによって国会は大騒ぎとなりました。この当時”秘書給与流用罪”が成立する議員は定員の1/4もいたからです。皆、自分が捕まってはたまらんということで、秘書給与流用罪にあたることはやめました。おそらく現在このやり方をしている国会議員はいないでしょう。
 ちなみに先日逮捕された辻本議員も同じ罪状なのですが、彼女の場合は山本議員が逮捕された時にさかのぼっての逮捕です。彼女も山本議員が逮捕されたのを見て慌てて、名義貸しをやめた口ではあったのですが、今ごろになって逮捕されてしまいました。何らかの思惑があっての逮捕であったと言われても仕方ないでしょう。警察、検察とはこういうものなのです(^^;
 本の感想文に戻ります(^^;
 刑務所に入っているのは悪い人達だからどうでもいい、せいぜい反省しろ!というのが一般的な考えでしょう。しかし、彼らを刑期の間はとりあえず閉じ込めておけばいい、というのはやはりおかしい。塀に閉じ込められているだけで、十分に人権は奪われているのですが、信書の自由もなければ、プライバシーもなければ、面会の自由もありません。監獄法はなんと明治時代にできたものだそうで、塀の中の人権意識はそのままストップ(^^;; 日本国憲法の通用しない治外法権地帯なのです。オソロシーですねー。日本はやはり人権後進国なのです。
 獄中モノの本やドラマというのはけっこうありますが、本書ほど詳しく活き活きと描写している本はないでしょう。刑務所に入ることを予定している人は是非予習のために読んでおくべし(^^;
 自分のことを自分で書いているので、やや美化しているところもあるのでしょうが、山本さんは随分まじめな人です。こういう人なら議員を任せられる、という見本みたいなタイプなのですが、彼は恐らく二度と議員にはなれないのでしょう。もったいない....。
 あなたは”自分は逮捕されるようなことはやるはずがない”と思うかもしれませんが、刑務所には交通事故でも入ることあるし、お上や警察に逆らっただけで、また山本さんのように思いもよらない理由で逮捕されるかもしれないのです。だから、というわけではないですが、刑務所もまとまな場所にしなければいけないのです。そういう運動を実体験した山本さんにしてほしいのですが、前科モノにはやはり世の中は厳しいのです....。とにかく山本さんの今後の活躍に期待します。
 本著で気になるのは人の名前がCとかHとか、アルファベット1文字で書かれているところ。仮名でかまわないから人間の名前にしてほしかったですね。
(★★★★)

【援交から革命へ】 宮台 真司
 宮台氏が書いた本の解説をまとめたもの。更にその解説に著者が感想を返しているという珍しい趣向の本です。とりあげている本は鈴木邦男、桜井亜美、岩井俊二など。
 宮台さんの話や事件などのコメントは聞いたり読んだりしたことあったのですが、まとまった文書ははじめて読みました。一言で言えばまわりくどく、修飾語が多くわかりづらい文章です。簡単なことを難しく解説するのが上手なようです(^^;; 宮台氏の文章は一応、本の解説なのですが、ほとんどその本について書いていない解説ばかり(^^; すぐに話があさっての方向に飛び、自分の体験話に持って行ってしまいます。夏休みの宿題で、その本を読まないで感想文を書くということをたまにやりましたが、もしかしてそれか!(それはいいすぎか(^^;)。だから解説元の本を読んでいなくても違和感を全く感じません。これは宮台クンだからこそ成立する形態の本かもしれない(^^;;
 とはいえ、けっこう気になる元本があるので、今後探して読んでみよう。宮台クンの本はどれ読んでもきっと同じだろうから、もういいんだけど(^^;
(★★★)

|

« コラムyokoze「コンピュータウイルス新時代」 | トップページ | 読書な毎日(74) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 読書な毎日(73):

« コラムyokoze「コンピュータウイルス新時代」 | トップページ | 読書な毎日(74) »