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読書な毎日(71)

【東海村「臨界」事故】 槌田 敦、JCO臨界事故調査市民の会
 臨界事故から4年たって出版された、あの事故の検証本です。槌田さんをはじめてとして、事故について様々な立場から語っています。槌田さんはあの事故はバケツを使って作業員が作業したのがいけなかったのではない。バケツがいけなかったのではなく、動燃(現サイクル機構)の無理な注文が事故を招いたと言っています。事故はバケツの中で起こったのではなく、沈殿槽と言われる容器に臨界になるほどの溶液を入れたために起こった。その際にバケツを使ったが別にバケツが悪いわけではない。
 先日のNHKスペシャルでも臨界事故の検証番組を放映していましたが、そこでも同様の論調でした。しかし、一般的にはバケツが悪者で作業員が変なことをした、というイメージであの事故は終わっているのですよね。
 本著では槌田さん意外にも事故の被害や後遺症に悩む人や、臨界事故の裁判のことも載っていて、薄い本ですが事故の集大成のような感じの力作です。
 今思えば、あの事故は日本の原子力政策の転換点だったと言ってもいいかもしれません。東電の事故隠し、珠洲、巻町の原発建設中止、もんじゅ訴訟の国敗訴、プルサーマル計画の行き詰まりなど。原発関連の政策はすべて退潮局面に入っています。世界の潮流にやっと日本も追いついたと言って良いのかもしれません。
 東海村の臨界事故も終わったわけではありません。低線量被曝の害はすぐには出ません。今も事故の後遺症に悩む人もいれば、これから後遺症が出る人もいるかもしれません。危険な原発は順次やめていくしかないのです。
(★★★☆)

【モダンガール論】 斎藤 美奈子
 20世紀の日本の女性の風俗などについて、雑誌など豊富な資料から分析しています。こうやって日本の、特に女性にスポットをあてた近代史を分析したものは意外とないもので、”そうだったのか!”と驚くことがけっこうありました。例えば、主婦はもともと女の憧れであったが、主婦であることが平凡になったとき、ハタラク女がかっこいくなったとか。昔オフィスワークの女性をビジネスガール略してBGと呼んでいたが、アメリカでは売春婦を指す言葉なので、OLになったとか。そのOLも今はダサイイメージになり、キャリアウーマンと呼んだりしますね(^^;
 歴史は繰り返すと言いますが、今の女性風俗はちょうど太平洋戦争の前の状況に似ていると斎藤さんは分析します。世の中は不景気だが、自分はそこそこの生活をしていて目標がない。何かモヤがかかったような状況でストレスがたまっていく。それを晴らしたのが戦争であった。当時のリベラルと呼ばれた女性思想家は揃って軍国的だった。
 語り口は軽妙で読みやすい文章です。他の著作も面白そうな切り口なようですので、今度読んでみよう。
(★★★★)

【外資系で働けますか】 斎藤 貴男
 外資系で働くとはどういうことか、というのを自身の体験と取材から書いた本。外資系のステレオタイプなイメージは、高収入、自由な雰囲気、個人主義、実力主義ですが、本著もだいたいそんな感じで、とりたててびっくりすることではない。一つ、なるほどそうだなと思ったのは、外資系というのは大企業かつ、日本にあるのは支社にすぎないということ。だから、日本支社にはあまり決定権もなく、本社の従属にしかすぎないとうことです。
 日本の会社にしても今や、グローバリゼーションとか言って実力主義という看板を使おうとしています。これは実際のところ一握りの成功者と、リストラのしやすい環境をつくっているだけで、大多数の一般社員には歓迎のできないことです。
 会社に限らず、組織が大きくなると人や環境を無視した組織の理論で動きはじめます。それが実は貧富の差の拡大をうんだり、戦争の原因となっています。グローバリゼーションはやはり間違いで自分の手の届く範囲の共同体を一番大事にすべきなのです。
(★★☆)

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